音楽小論集

大きな古時計&ジャズ・ピアノ
今週は、最近知り合ってリコーダーのパートナーになって頂いている、鈴木隆さんと、1月17日火曜日午後7時から、私の自宅でアルトリコーダーの合奏の練習をした。2回目の練習である。楽譜は、全音楽譜出版社「新版アルトリコーダーテキスト(下)」田中吉徳編を使っている。鈴木さん、はかなりの熟練者らしく、次回でこのテキストは一通り終わってしまう程の早さである。今までは初見でやってきたが、後半はバッハ、テレマンが登場し、次回のためには、大分練習が必要な感触である。充分練習しようと思う。

1月19日木曜日3時に、ピアノの斎藤先生のところで練習をした。いつも、まずハノンをやるが、自宅でハノンをやることはないのは怠け者の証拠であろう。DOREMIの「発表会に役立つ初級ピアノ小曲110選」という楽譜を見つけ、気に入ったのでこれを練習素材にしてもらっている。「初級」となっているが、発表会用なので、内容はかなり充実している。ベートーベンのトルコ行進曲を練習したが、トルコ行進曲とはどう弾くか勉強になった。その後、「大きな古時計」を弾いた。G-E7-Am-Adim-G(又はEm7)-D7-Gと転調が含まれている部分が泣かせる洒落た編曲である。ト長調であるが、B7-Em7-A7-(D7)-G(Em7)のところも良い。

ピアノというのは両手で弾くのでかなり難しい楽器の一つだと思う。ピアノほど教則本の多い楽器はない。私の基本練習方針は簡単な曲をなるべく多くこなし、楽器に体を馴染ませることである。ツェルニー100番、30番の練習は毎日欠かさない。ピアノやギターのような和音を出せる楽器をマスターするには理論の理解も必要で、最低20年練習しなければ、聞けたものではないと思う。しかし、音楽の理解のためにはこれ程適した楽器はないと思う。

話は戻るが、「大きな古時計」を初めて聞いたのは小学生の時だった。古時計が止まったのが、おじいさんの死を象徴するということは、子供心にも充分理解でき、悲しいが美しい曲だと思った。今はこの曲が、私の父の姿と重なるのである。そして人生の2/3以上を生きてしまった自分の姿にも重なるのである。子供の頃から太陽に寿命があることを知り、その知識とこの曲の二つは、私にある種の諦念を植え付けた。私の中にある諦念は、東洋思想の伝統とは全く関係なく、こういう理由によるものである。

私は拙い指使いで「大きな古時計」を弾く。そして涙がこみ上がる。

なんと悲しく美しい曲だろう。

*****

ジャズ・ピアノと言えば、ビル・エヴァンス、オスカー・ピーターソン、ジョージ・シアリング、ケニー・ドリュー、ドン・フリードマン・・・・とかが我輩の好みです。我輩もピアノを18年ばかりやっておりますが、とてもとても、彼らの演奏レベルの足の裏にも及びません。でも、そんな人も多いんじゃないですか。そんな人たちに救いのCD付き楽譜があります。それは

藤井英一の
「ステップアップ・ジャズピアノ」
楽しく身につくセオリー&レパートリー集

という楽譜がヤマハから出版されています。技術的にはツェルニー30番以下で大丈夫です。ツェルニー100番は半分くらいやっていたほうがよいかも知れません。バイエルは言うまでもありません。藤井英一さんは大橋巨泉に日本のオスカー・ピーターソンと呼ばれたとか言われます。この楽譜には「私の音楽歴」で藤井英一さんの自己紹介があります。

技術的には難しくはないのですが、シンコペーションやスウィング感を出すのは、クラシックばかり聴いたり弾いたりしている人には難しいかも知れません。ジャズばかり聴いてきた我輩には、そこの辺は問題ありません。クラシックを弾いても、スウィングしたり、弱拍が強くなってしまい、ピアノの師匠から笑われますからね。でもCD付きだから大丈夫だと思います。曲目は

・茶色の小瓶
・聖者が街にやってくる
・ブルー・レディーに紅いバラ
・スターダスト
・オール・オブ・ミー
・嘘は罪
・バイ・バイ・ブラックバード
・ブルー・ムーン
・朝日のごとくさわやかに
・デイ・バイ・デイ
・ス・ワンダフル
・テンダリー
・サムタイム・アイム・アッピー
・我が心のジョージア
・イッツ・オンリー・ア・ペーパー・ムーン
・アラバマに星おちて
・マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ
・明るい表通りで

シンプルな編曲なので、理論の知識があれば、再編曲し、ビル・エヴァンス風に加工芸術を楽しむことも可能です。アドリブフレーズも盛り込まれているので、アナライズすればアドリブも習得できる内容です。上記の如く洒落た選曲でもあります。いくらでも深読みが可能な楽譜です。

以前から気づいていたのですが、正式な音楽教育を受けた人たちの多くは、確かに演奏技術はしっかりしていますが、それ以外は苦手なようですね。。音楽に対して偏見や誤解を抱いているのは不思議です。音階には長音階と短音階しかないと断言する音大卒までいますから、日本の音楽教育には創造性を押し殺してしまうような致命的欠陥があるようです。事実、作編曲までこなすのは、むしろ、音大卒の人たちではなく、他の学部を出た人たちや、素人の音楽好きに多いものです。もちろん理論面まで詳しい音大卒の方はいます。

作編曲というのは一種の設計ですから、理系に作曲家が多いのもうなずけます。絶対音感とか感覚的なものは作編曲では重要ではなく、むしろロジカルな思考ができるかどうかが重要な点です。作編曲は英作文より簡単なはずです。音楽には意味論がなく統語論だけがあるだけですから。

「この世は美しいメロディーだ。但し語られる科白は無茶苦茶だ。」とかいう言葉があったと思います。音楽の世界はその科白がなく、美しい無意味な音の形式なのです。ただただ美しいはずです。

ところで、この我輩はインターネットの世界では社会学の先生になっていますが、どうしてなんでしょ。工学部卒業なんですけどね。

それでは、また。

コメント(11件)
内 容 ニックネーム/日時
草笛演奏を趣味としておりますLeafmanです。7月22日の午後、故郷の公民館で、聴衆300人ほどで、コンサートがありました。当初は「大きな古時計」をピアノと合奏する予定でしたが、貴ブログを拝読し、これはピアノソロでなければならない、と確信し、当日、私は言葉でのイントロだけにしました。ピアニストも自分のおじいさんを想いながら演奏し、多くのお客さんも涙ぐみました。この1曲がコンサート全体を盛り上げてくれました。貴ブログに感謝申し上げます。
Leafman
URL
2006/07/25 12:41
Leafmanさんへ

コメントありがとうございます。私はリコーダーも吹きます。「大きな古時計」は名曲で、草笛やリコーダーの独奏でも充分鑑賞に堪える曲だと思います。次回は是非草笛で演奏して下さい。私の知人のリコーダー奏者小俣達郎さんは、道端に転がっている穴の開いた石ころなどを拾ってきて、それを楽器代わりに使って曲を吹いてしまいます。きっと、草笛と同じ原理を用いているのでしょうね。

いつか、草笛の演奏を聴けることを、祈っております。

それでは、これからも宜しくお願い申し上げます。
荒井公康
URL
2006/07/25 14:12
荒井様

ご返事のコメントありがとうございました。小俣達郎さんは、小生の尊敬する友人でもあります。荒井様のこと、小俣さんのこと、小生ブログ「一葉無限」に記しておりますので、ご笑覧いただけましたら幸いです。「大きな古時計」を草笛演奏できるように精進して参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
Leafman
URL
2006/07/25 16:10
ミュージックソフトのご紹介ありがとうございました。「おおきな古時計」でご縁をいただき、感謝申し上げます。小生ブログからリンクを張らせていただきましたので、ご了承ください。貴ブログへの来訪者が増えるよう念じております。
Leafman
URL
2006/08/29 21:49
Leafmanさんへ

リンクを張って下さり有難う御座います。

LeafmanさんもブログだけでなくHPも持たれたら如何ですか。MIDIファイルの公開など、ブログよりも融通が効きます。URLのアドレスをプロバイダーから取得し、HPビルダーを使えば、3日以内で開設可能です。
荒井公康
URL
2006/08/29 22:10
ご助言ありがとうございます。小生自身も考えていることなのですが、なかなか踏み出せないでおります。もう少しPC全般の修行を積んでトライしてみたいと存じます。今後ともよろしくお願いいたします。
Leafman
URL
2006/08/30 09:15
Leafmanさんへ

これは「案ずるよりも生むが易し」だと思います。私はIBM(ソースネクスト)HPビルダーを使っていますが、「できるHP」とい本が付いていて、それに従えば、簡単にできてしまいます。ワープロのWordより単純です。転送ソフトも付属しています。Wordの方が凝ったページが作れ、それを混用しても、HPを作成できます。

いずれにしても意外と簡単です。

Perl,PHPなどとなると少しやっかいですが、そこまでやる必要はないと思います。
荒井公康
URL
2006/08/31 18:09
荒井様
 重ねましてのご助言ありがとうございました。「案ずるよりも生むが易し」を頼りに、踏み出すようにいたします。また、よろしくご指導ください。
Leafman
URL
2006/09/03 19:14
荒井様
 金曜日の夕方、秋葉原のヨドバシカメラに行き、Siger Song Writerを手に入れて参りました。値段と、草笛仲間の田中さんが使っているものですから、分からないところがあれば田中さんから、直接手ほどきを受けられると思い、このソフトにいたしました。なんとかインストールできましたが、使いこなすのは、まだまだ先になりそうです。ご示唆をいただき、ありがとうございました。
Leafman
URL
2006/09/11 09:23
Leafmanさんへ

私のお勧めしたソフトは小学生でも使えるもので、楽譜ワープロとしても使えるものです。ただ店頭販売でなく、注文しなくてはなりません。

「Singer Song Writer」の使い勝手はどういうものか分かりませんが、うまくいくことを願っています。
荒井公康
URL
2006/09/11 21:22
荒井様
 お勧めいただいたMusicProも、ヨドバシカメラでは店頭にありました。説明を読みますと、機能は分かりましたが、使い勝手までは分からず、中学生並みのを買ってしまったのかもしれません。田中さんの手ほどきに対する期待に併せ、価格に惹かれた面がかなりあります。
 無事インストールは済みましたが、時間がなくて、まだ「使って」はおりません。作品をお送りできるまでになれたら、と夢見ております。
Leafman
URL
2006/09/13 11:25






*****

4度重ねの和音の基本形を以下に示す。

メジャーコード

 C ---    ミ (ソ) ラ レ
 F ---    ラ (ド) レ ソ
♭B ---   レ (ファ) ソ ド
♭E ---   ソ (♭シ) ド ファ
♭A ---   ド (♭ミ) ファ♭シ
♭D ---   ファ(♭ラ)♭シ♭ミ
#F ---   #ラ(#ド)#レ#ソ
 B ---   #レ(#ファ)#ソ#ド
 E ---   #ソ (シ) #ド#ファ
 A ---   #ド (ミ) #ファ シ
 D ---   #ファ (ラ) シ ミ
 G ---    シ (レ) ミ ラ

マイナーコード

 Cm --- ♭ミ (ソ) ラ レ
 Fm --- ♭ラ (ド) レ ソ
♭Bm --- ♭レ (ファ) ソ ド
#Dm --- #ファ(#ラ)ド ファ
#Gm --- シ(#レ)ファ #ラ
#Cm --- ミ(#ソ)#ラ #レ
#Fm --- ラ(#ド)#レ#ソ
 Bm --- レ(#ファ)#ソ#ド
 Em --- ソ (シ) #ド #ファ
 Am --- ド (ミ) #ファ シ
 Dm --- ファ (ラ) シ ミ
 Gm --- ♭シ (レ) ミ ラ

ドミナント7thコード
 
 C7 --- ♭シ (♭レ) ミ ラ
 F7 --- ♭ミ (♭ソ) ラ レ 
♭B7 --- ♭ラ (シ) レ ソ
♭E7 --- ♭レ (ミ) ソ ド
♭A7 --- ♭ソ (ラ) ド ファ
♭D7 ---  シ (レ) ファ♭シ
#F7 ---  ミ (ソ)#ラ#レ
 B7 ---  ラ (ド)#レ#ソ
 E7 ---  レ (ファ)#ソ#ド
 A7 ---  ソ(♭シ)#ド#ファ
 D7 ---  ド(#レ)#ファ シ
 G7 ---  ファ(♭ラ) シ ミ

ジャズでは左手のバッキングで、上記のような和音が弾かれることが多い。カッコ内は省略可能である。CmとF7が同じ構成音になってしまうので、私は個人的にマイナーコードだけは通常の3度重ねの和音を使うことにしている。ドミナント7thコードでは、一番上(一番右)側の音を半音下げてもよい。

これらの和音と通常の和音を混用することにより多様な響きが生まれる。

ジャズでは4度重ねの和音が多用される傾向がある。私のHPのファイル19のLisp関数、(get-chords '(mi la re))で調べたところ、この4度重ねの和音に対して、実に多様な解釈が可能であることが分かった。ジャズではハ長調の主和音C(ドミソ)の代わりに4度重ねの和音C69(ミラレ)を使うことが多い。リードノートの下に4度重ねで音を重ね硬質なサウンドを出すこともよく行われる。和音(ミラレ)の通常の和音としての可能性は

#C7、♭D7、D7、D7sus4、Dm7、DM7、G7sus4、G7、Gm7、GM7、#G7、♭A7、#AM7、♭BM7、Bm7-5、Bm7、C69、CM7、C7、Dm69,D69、Em7-5、E7sus4、Em7、FM7、#Fm7-5、#F7、♭Gm7-5、♭Gm7、♭G7、Gm69、G69、Aaus4、A7sus4、Am7

のいずれかになり、コードトーンないしテンションノートを含むコードとして、和音(ミラレ)のカバーする範囲は極めて広いことになる。当然ながらハ長調のトニックコードのC69、CM7、Em7、Am7が含まれていることが分かる。

これに対し、コードCM7(ドミソシ)と共存できる通常のコードは

Am7、FM7、Dm7、D7sus4、CM7、♭B7、#A7、A7、Em7、E7、♭E7、#D7

となり、極めて少なくなる。ドミナント7thコードやディミニッシュ7thはトライトーンを含むので、これらは多くのテンションを持つことができ、本来は除外して考慮すべきであろう。そうすれば、3度重ねの通常のコードと4度重ねの和音の違いがはっきりするだろう。ドミナント7th、ディミニッシュ7thを除外すれば、3度重ねの通常のコードの守備範囲は、4度重ねの和音に比べて、極めて狭いことが明らかになる。

以上のことから、4度重ねの和音が調性離脱のために多用される理由が理解できよう。コードスケールの種類ごとに出現する4度重ねの和音も異なるが、これ等を分類整理し、どのような通常のコードを代理しているかを知ることは意味があるように思われる。曖昧な4度重ねの和音の機能が確定するからである。

今後の研究課題にしたいと思う。

ドミナント7thコードの構成音は一般的には(注:以下、-で♭、+で#を表す)

C7     ド ミ ソ -シ
F7     ファ ラ ド -ミ
ーB7   ーシ レ ファ -ラ
ーE7   -ミ ソ -シ -レ
ーA7   -ラ ド -ミ -ソ
ーD7   -レ ファ -ラ シ
+F7   +ファ +ラ +ド ミ
B7     シ +レ +ファ ラ
E7     ミ +ソ シ レ
A7     ラ +ド ミ ソ
D7     レ +ファ ラ ド
G7     ソ シ レ ファ

4度重ねの和音は

C7     ーシ (-レ) ミ ラ
F7     -ミ (-ソ) ラ レ
ーB7   ーラ (シ) レ ソ
ーE7   -レ (ミ) ソ ド
ーA7   -ソ (ラ) ド ファ
ーD7    シ (レ) ファ -シ
+F7    ミ (ソ) +ラ +レ
B7     ラ (ド) +レ +ソ
E7     レ (ファ) +ソ +ド
A7     ソ (-シ) +ド +ファ
D7     ド (+レ) +ファ シ
G7     ファ (-ラ) シ ミ
(注:括弧内は省略可能または半音上げてもよく、一番右(高いほう)の音は半音下げてもよい。)

上の和音をブレンドして、次のような構成音も可能である。

C7     +ド ミ ラ ド
F7     +ファ ラ レ ファ
ーB7    シ レ ソ -シ
ーE7    ミ ソ ド ーミ
ーA7    ラ ド ファ -ラ
ーD7    レ ファ -シ -レ
+F7    ソ +ラ +レ +ファ
B7     ド +レ +ソ シ
E7     ファ +ソ +ド ミ
A7     -シ +ド +ファ ラ
D7     +レ +ファ シ レ
G7     +ソ シ ミ ソ

トライトーンがないので解決感が弱くなるが、良いサウンドである。穏やかな解決感と心地よいサウンドが得られる。一番左の最も低い音は半音上げてもよい。

ドミナント7thコードでも短9度は避けたほうが良いようである。






音楽の雑談
<< 作成日時 : 2006/07/17 23:50 >>

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Aさんへ(1回目)

ご返事有難うございます。

この分野の聖典である「A Generative Theory of Tonal Music」(Fred Lerdahl,Ray Jackendoff,[The MIT Press])を基礎に研究している人達が多いようです。自然言語との類似性も疑問です。自然言語はあくまで直列処理で、同時に複数の言葉を理解するのは困難ですが、音楽は複数の音列が並列に流れるのが自然ですから。私のシステムはジャズの理論をそのまま応用しており、出力を多少修正することにより、いくらでも音楽作品を作り出せます。

音楽は自然言語に比べれば、はるかに楽な分野です。なにしろ意味論が必要ありませんから。統語論だけです。楽だから、個人的に研究できるというのが正直な話です。自然言語は個人の手には余る対象です。ひとりで研究すれば、辞書を作るだけで一生が終わってしまいます。それに対し、音楽のアルファベットは12個で、この組み合わせから音楽は成り立っています。音楽の要素は極めて少ないのですが、組み合わせの数が膨大なため、複雑と勘違いされるようです。やはり、音楽と自然言語に類似性があるかどうかは疑問です。

十二音技法は完全に数学ですから、計算機に実装するのは容易だと思います。ただ、十二音音楽は好きになれないので、やることはないと思います。

でも、やはりピアノが最高の楽器だと思っています。ひとりでも楽しめますからね。和音も出せますし、作編曲の道具としては最高です。

それでは、また。

*****
Aさんへ(2回目)

ご返事ありがとうございます。

音楽に対してどのようなアプローチをしても構わないと思いますが、創り手としての立場からは、音楽作品が生成できなければ無意味なアプローチにしか見えません。GTTMを元にした多くの研究者は、チョムスキーの言語理論を音楽に適用しています。チョムスキーの「生成文法」という言葉は誤解されがちで、彼の理論は言語理解に適したもので、何かを「生成」する能力のある理論ではないことが判っています。

私のシステムは思想的背景は全くなく、無名のアプローチです。仏教で言えば、不立文字、教外別伝、直指人心、見性成仏の禅に近いアプローチで、ジャズに基づいているとはいえ、経験と直観から直接、無手勝流に構築しています。こういうことは前例のない研究を行なう理系では珍しくありません。過去の文献に真実が書かれていると錯覚する多くの知識人は、自分の非創造性には気付かないものです。自分で自分を騙しているようにさえ見えることがあります。

ピアノに関しては全く同感です。私はもともとはギターを弾いていたのですが、ピアノでは両手を自由に動かせるだけでも、可能性は比較にならないくらい大きいと思います。男性はギターを弾く人が多いですが、ピアノを見直してみては如何かと思います。まだまだ、ピアノは女性向けの楽器という通念が強いですね。

それでは、また。

*****
ボサノヴァもジャズワルツも私にとって心浮かれるタイプの音楽である。いずれの音楽を聴いても心がうきうきする。最近私が腐心しているのは、ワルツにボサノヴァの感覚を融合させた、名づけて、「ボサワルツ」の確立である。荒井公康音楽作品集にある104曲目の「軽やかなワルツ」である程度目安がついた感じである。少し響きが重い感じがしないでもないが、どうであろうか。もう少し静かなほうが良いであろうか。

ご意見ご感想をお待ちしています。


*****
私は作編曲において、4/4拍子、3/4拍子、6/8拍子しか用いたことがない。厳密に言うと6/8拍子は2拍子系統である。数学的に見てみると、音符の割付の場合の数は、4/4拍子が最も多く、次に3/4拍子が多く、6/8拍子が最も少なくなる。現在、自動作曲システムでは、4/4拍子と3/4拍子しかサポートしていないが、意外なことに、3/4拍子のほうが場合の数が少ないにも関わらず曲としてまとまる確率が小さい。4/4拍子ではほとんど手直しせずに曲ができるが、3/4拍子はかなり人手を加えないと良い曲ができない。

音符の割付の数学的場合の数が少ないということは、それだけ制約がきついことを意味し、創るのが難しいということらしい。

現在の自動作曲システムも4/4拍子はほぼ解決しているが、3/4拍子についてはまだまだ課題が多い。今のところ、人手に頼る以外にうまい解決策は見出せないでいる。

良いアイデアを募集したい気分である。当面、マン・マシン協調型のシステムとして活用するしかないようである。


*****
本日、音楽関連のソフト制作の構想を練った。

・自動作曲システムは検索システムの一種で、乱数を導入して、雛形は完成した。音楽に関する検索システムとしても利用可能である。この技術の上に編曲支援システム、楽曲分析システム、和声付けシステムの構築が可能である。

・今後の方針
 1.UST(アッパー・ストラクチャード・トライアド)とその基盤のコードの構成音から、新たなスケールを開発していき、自動作曲システムへフィードバックする。
 2.現状の技術の下に、4度重ねの和音を構成し、その和音から、新たなスケールを導出し、自動作曲システムへフィードバックする。
 3.ヴォイシング支援のプログラムを作り、テンションノートを適切に配置し、編曲支援の一助とする部分を構築する。
 4.スケールからトライアド、和音を構成するプログラムを作る。
 5.文献調査。
 6.できれば、日本音楽学会に参加したいが、美学中心だと、技術的知識が得られるかどうか疑問であるが、金曜日に連絡予定。

以上、本日構想したことである。

Lispユーザーの諸兄とも連絡がとれたらよいと思うが、Lispユーザー自体少数派なので、難しい注文かも知れない。


*****
私の荒井公康音楽作品集 に掲示してある曲、「輝きのワルツ」「甘いワルツ」「水面のワルツ」「小雨のワルツ」「日々のワルツ」に対して斬新な響きであるとの評価を頂いた。もちろん、褒められているのか貶されているのか分からないが、一応説明をしたいと思う。

これらの5曲はいずれも、Dm7-G7-CM7-A7の循環コードにメロディーを付けたもので、その後改めて計算機(編曲支援システム)を用いて、和声付けを変えている。「輝きのワルツ」は半音進行の多いメロディーで、私のHPのファイル19に記述されているLisp関数get-chordsで一音一音適用可能なコードの候補を列挙させ、ドミナント7thとディミニッシュコードを除外して適当に候補の中からコードを選択しているだけである。出来上がってみると、従来のコード進行の枠組みを大きく踏み外しているにも関わらず、さほど違和感を感じさせない。シンガーズ・アンリミテッドのア・カペラを連想させる雰囲気である。和声だけみれば完全に無調であるが、メロディーはあくまでもオーソドックスなので、響きの斬新さがよい効果を及ぼしているようである。また、可能なところは4度重ねの和音を利用した。「甘いワルツ」も同様である。「水面のワルツ」「小雨のワルツ」「日々のワルツ」については、関数get-chordsを用いて、候補の中から、ジャズでよく用いられるtwo-five-oneを2小節間にまたがるように構成し、諸コードを決定後、Lisp関数tell-a-chordでそれらのコードに載せられるUST(アッパー・ストラクチャード・トライアド)を調べ、メロディーの音高を含むUSTを選択し、高音部にそれらのUSTを用いた。したがって、最低でも7声の構成になっており、長調とか短調という枠組みには当てはまらない和声付けとなっている。

以上は、とても人間の感性だけでは不可能な作業である。出来上がった曲も人間の解釈を拒絶しているようである。実際、創った私にも分析不可能である。

私は踏み込んではならない音楽の領域に迷いこんだのであろうか。私は更なる斬新な和声付けを今後も試みるつもりである。

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>荒井さんへ
>小俣(達郎)さんは昔ホテル・マウント・フジで拝見した
>事があります。
>アニメの「ムーミン」の中に出てくる「スナフキン」
>みたいな容貌でしたね。
>「森の人」という感じで不思議な魅力を持った方
>でした。
>オカリナもたしか吹かれてたような?
>記憶が確かでないので、違っていたらごめんな
>さい

そうですね。不思議な魅力と音楽以外にも画才や詩作の才能もあり、才能豊かな人ですね。オカリナ以外にもパンフルートや穴の開いた石ころや、石で作った自作の打楽器、ハンガーに弦を張って音を出してみたり、と奇想天外なところもありますね。

自慢なんですけど(普通は「自慢じゃないんですけど」が適当かも知れません)、その小俣達郎(オマタタツロウ)さんが面白がるのが私の演奏なんです。残念ながら、理由は私の演奏が上手いからではありません。これにはピアノの先生も同様に面白がります。

理由はジャズにあります。クラシックをあまり聞かず、ジャズやボサノバが好きな私が、クラシックを演奏すると、スウィングしたり、弱拍が強くなったり、テンポも大きく揺らぎ(拍を数えませんから)、不思議に聞えるらしく、面白い演奏に聞えるようです。場合によっては楽譜を無視しますし。

もう一人の師匠、小池耕平さんがCDでテレマン全集を出しています。お勧めです。小俣さんもCDを出しています。

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・音程には協和音程と不協和音程がある。これらの言葉は音程を区別するために付けられた名前に過ぎず、協和音程は使ってもよく、不協和音程は使っていけないとかいうことではない。完全協和音程の完全4度は1:1の対位法では使わないようにするのが普通である。普通の音楽作品では、協和音程も不協和音程も同じように使われるのであり、おかしな価値判断を交えるのは間違いである。両方を自由に使ってよいのである。世の中には不思議な誤解をする人が多いようである。

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  ジャズ・ピアノでは、藤井英一さんの「ステップアップ・ジャズピアノ」(ヤマハ)が入門書としては最適です。ツェルニー30番以下の技術で大丈夫です。ツェルニー100番の前半程度のレベルです。後は、全てのドミナント7thコードに対して、オルタード、combination of diminished, Hmp5↓、lydian-flatted7th、mixo-lydianなどのスケール(他にもあります)を徹底的に覚えることです。他のコードに対しては、普通の音階(クラシック)を適用すればいいだけです。アプローチ・ノートとか補助音とか経過音とか、いくつかの種類の音を、コード進行に沿う形で弾く練習も必要です。昔はいい教科書が沢山あったのですが、最近は少なくなりました。コピーできても、ジャズの場合は、理論的にアナライズできなければ応用が効きません。ジャズは理論的な音楽です。自分でコード進行を作って、練習曲も自分で作るのが効率的です。基本的なコードが全て出てくる練習曲を作ることも可能です。後は、これらの知識を元に作曲(フレーズ作り)の訓練をし、更に何も見ないでも作曲できるように訓練を続けるしかありません。時間は掛かります。
  フランス近代音楽の延長上に一部のジャズ(ビル・エヴァンスなど)があります。ドビュッシー晩年の和声はジャズをやる人が盗むものです。ラベルも同様です。ジャズは「旋法の音楽」である点もフランス近代音楽を引き継いでいます。ジャズの和音は基本的には自分で作るもので、普通の和音にテンション・ノートを加えて、2度や7度や9度をわざと作ります。また、4度重ねの和音のパターンは決まっています。4度重ねの和音は曖昧で、その機能の守備範囲は広く、出鱈目とは言わないまでも、適当に使っても違和感がありません。クラシックでは3度重ねの和音が普通です。クラシックの和音も使います。コピー譜を眺めて、通常のコードの構成音に、どんなテンション・ノートが加わっているか観察して盗むのも手です。確かにクラシックから見ると過激かも知れません。

*****
私の音楽関連システムの和声付け機能を使うと次のことが分かる。Lisp関数get-chordsを用いると、ドという音の伴奏となりうるコードは、

cg-user(3): (get-chords '(do))

(+Cdim7 -Ddim7 +D7sus4 +D7 +Dm7 +DM7 -E7sus4 -E7 -Em7 -EM7 E7 Edim7 Em7-5 Em7 +F7 +FM7 -G7 -GM7 Gdim7 Gm7-5 Gm7 A7 +A7 +A7sus4 +Adim7 +Am7-5 +Am7 +AM7 -B7 -B7sus4 -Bdim7 -Bm7-5 -Bm7 -BM7 B7 C C6 Cm69 C69 Cm6 C-5 Cdim Caug Caug7 Cm7-5 Cdim7 Csus4 C7sus4 CaugM7 CdimM7 Cm7 CmM7 CM7 C7 +CaugM7 +CdimM7 +CmM7 +CM7 -DaugM7 -DdimM7 -DmM7 -DM7 Daug7 Dm7-5 D7sus4 Dm7 D7 +D6 +Dm69 +D69 +Dm6 +Ddim7 -E6 -Em69 -E69 -Em6 -Edim7 Eaug Eaug7 EaugM7 F F6 Fm69 F69 Fm6 Fsus4 F7sus4 Fm7 FmM7 FM7 F7 +F-5 +Fdim +Fm7-5 +Fdim7 +FdimM7 -G-5 -Gdim -Gm7-5 -Gdim7 -GdimM7 Gsus4 G7sus4 +G +G6 +G69 +G-5 +Gaug +Gaug7 +GaugM7 +GM7 +G7 -A -A6 -A69 -A-5 -Aaug -Aaug7 -AaugM7 -AM7 -A7 Am69 Am6 Adim Am7-5 Adim7 AdimM7 Am7 AmM7 +Am69 +A69 -Bm69 -B69)
nil

次に二つの音ミとソを同時に伴奏可能なコードを列挙すると、

cg-user(4): (get-chords '(mi so))

(-Bdim7 +Adim7 A7 Am7 A7sus4 -AaugM7 +GaugM7 Gdim7 Gm6 G69 Gm69 G6 -G7 +F7 FM7 E7 EmM7 Em7 EdimM7 Edim7 Em7-5 Edim Em6 Em69 -DdimM7 -Ddim7 -Dm7-5 -Ddim +CdimM7 +Cdim7 +Cm7-5 +Cdim C7 CM7 C69 C6 C Bm7 Bm7-5 Bdim7 -BM7 -B7 +AM7 +A7 -Adim7 +Gdim7 GM7 Gm7 G7 G7sus4 Fdim7 -E7 +D7 Dm7 Dm7-5 Ddim7 D7sus4 -D7 +C7)
nil

このように、伴奏用コードの選択範囲は極めて広く、計算機による判断は、人間による判断を上回り、新たな大きな可能性を開くものである。

上記の考え方はコードの構成音またはテンションノートであれば、そのコードで和声付けできるというものに基づいている。

去年、聖歌讃美歌を、上記機能を用いて編曲したが、違和感もなく斬新な響きが得られることが分かった。

このように、作編曲に計算機を援用することは、新たな音楽の創造に、大きな可能性を開くものである。


*****

大田区ハイドン室内管弦楽団***(2004年7月に記述)

2004年7月3日(土)大田区民ホール・アプリコで、「ウィーン - おおた ・ 音楽の定期便 2004」という題目でコンサートが行われた。ピアノの師、斉藤女史の紹介で行くことができた。このような大規模編成でクラシックの演奏を聴くのは初めてであった。演奏曲目は、C.W.グルックの歌劇「アウリスとイフィゲニア」序曲、W.A.モーツァルトの交響曲第35番ニ長調「ハフナー」、L.v.ベートーベンのヴァイオリン協奏曲ニ長調であった。クラシックではバッハとフランス近代音楽にしか興味がない私にはもちろん聞いたこともない曲ばかりであった。実際に聴くストリングスの音色は素晴らしくいい音がした。MIDIファイルでもあの位の音質が出るように技術開発をして欲しい。せっかく行ったのであるが、情けないことに、印象に残ったフレーズは何もない。何も覚えていない。演奏前の調音のラ(A)の音だけが印象深く耳に残っている。オーケストラもギターと一緒でラの音で合わせるのだ。ベートーベンか誰かが、ギターは小さなオーケストラだと言ったそうだが、さすが、ギターは調音方法だけはオーケストラと同じで、どんなもんだい、と思った次第である。聴いていた時の関心はただ一つ、こんな長い曲をどうやって作るのだろうかという疑問であった。残念ながら、構成もなにも分からなかった。

ヴァイオリン協奏曲のソロを務めたウィーン国立音楽アカデミー教授ライナー・キュッヒルは1950年生まれで、私より5歳位年上に過ぎないが、頭が禿げていて貫禄があり、お爺さんに見えた。きっと人間に音楽を教えているせいであろう。計算機に音楽を教えている私なぞは、頭の髪はふさふさ、口髭は蓄えているはで、歳よりも若く見られることが多い。ヴァイオリンは見事だが、ジャズ・ヴァイオリニストのステファン・グラッペリに比べると演奏に色気がない。クラシックだから仕方がないかも知れない。

指揮者の米崎栄和(よねざきしげかず)も物理学修士という変わった経歴の持ち主で、私と似た経歴の持ち主である。理系には音楽好きが多い傾向があるようである。音楽は芸術の中で最も論理性の強いものである。理系と相性がよいのかも知れない。私なんぞ理屈だけで音楽をやっているくらいである。

私の住所は鶴見で、京浜東北線で隣が川崎、その隣が蒲田である。大田区民ホール・アプリコは蒲田駅東口のすぐそばであった。意外なことに蒲田に降り立ったの初めてであった。アプリコはなかなか立派な施設であった。

私がクラシック音楽を理解できるようになるには、まだまだ修行が要りそうである。いや、バッハとフランス近代以外のクラシックを好きになることはないかも知れない。

*****

十二音技法について

十二音技法についてざっと目を通してみた。

不思議な話である。十二音技法では音程だけが考慮され、和声は考慮されない。四種の音列、基本形(O)、逆行系(R)、反行形(I)、反行逆行系(IR)を作り、これらの音列を任意に配置するだけである。これらの四種の音列は計算機を使えば容易に作れるでだろう。音高ばかりでなく、音値なども同様に処理される。
これは和声と旋法(モード)が複雑に絡み合っているジャズよりも単純な話ではないか。まるで人間による自動作曲である。音楽というよりも数学という感じがする。
十二音技法の理論
上記URLは晦渋な文体で意味ありげに見えるが、実質的記述は少ない。
確かに従来の音楽との完全な断絶が見られるが、進歩といえるのか疑問である。
モントルーのジャズ・フェスティバルでも十二音技法を使った演奏も披露されたが、伝統的音楽を引き継ぐビル・エヴァンスの人気のほうが圧倒的に高かったという逸話が残っている。
私個人は十二音音楽が心地よく感じることはない。皆さんはどうであろうか。

*****

対(コード、コードスケール)の適当な列を与えた場合、最も単純な旋律生成アルゴリズムには次の二つのものがある。

1.ガイドトーンとテンション・ノートをランダムに配置する。
2.テンション・ノートからコード・スケールを適当に回転させる。

1.2.の応用として、次のアルゴリズムも有効であることが判明している。

アルゴリズム
A.ガイドトーンとテンション・ノートからランダムに一つの音を選ぶ。
B.その音がガイドトーンならばそのまま旋律の要素にする。
C.その音がテンション・ノートならば音程を上下させコード・トーンに解決させる。(テンション・リゾルブである)
D.(A.B.C.)を繰り返し適当な長さになるまで繰り返す。

以前はA.の段階でガイドトーンの代わりにコード・トーンを使用していたが上手くいかなかった。また上のアルゴリズムではガイドトーン以外のコード・トーンも出現し、多様な旋律を生成できる。ワルツの自動作曲も可能となった。

下記URLを参照して下さい。


j-meigen2.htm

music19.html

music20.html

music21.html

music22

music23.html


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5ヶ月ぶりに自作曲を作ってみた。以下のURLをクリックすれば聴こえます。

waltz122.mid

曲名「5月の花のワルツ」
自作短歌
「イギリスのことわざにあり5月には4月の雨が花をもたらす」
自動作曲ではありません。自動作曲システムはまだまだです。
かなりカラフルな曲に仕上がったと思う。私の作品は以下のページで聴けます。MIDIファイルですので音質には限界があることはご了承下さい。
荒井公康音楽作品種
ワルツも122曲も作ったとは、自分でも驚いている。
皆さんもお楽しみ下さい。


*****
十二音技法とジャズの融合
十二音技法の作法に基づいて曲を作ってみた。十二音技法は対位法であるとの指摘もあるが、思いがけない斬新な和声を構成することも可能である。下記URLをクリックして聴いてみて頂ければ幸いです。

waltz123.mid

荒井公康音楽作品集

十二音技法に基づいた部分だけでは物足りないので、ジャズの理論に基づく和声付けを行い、響きを豊かにしてみた。不安な感じが少しあるのは拭えないが、思いがけない響きの世界の出現である。ジャズと融合させることにより、十二音技法でも和声的に豊かな作品を作ることも可能であることが分かる。当然であるが、半音進行のコード進行が多く現われる。
和声付けには、音楽関連システムを利用した。システムは以下のURLに記述してある。
j-meigen2.htm

最後に曲名と短歌を添えて置く。

曲名「君といた日々のワルツ」
短歌
「空くもり心もくもり僕はまた君といた日を思い浮かべる」

曲想と合っているであろうか。
構築した音楽関連システムを使えば、ほぼ半日で一曲作ることが可能になった。
お楽しみ下さい。

*****

古楽の楽しみ(バロック・ルネッサンスへ)
現代的な曲ばかり紹介してきましたので、今日は古楽を紹介します。Samuel Schnedt(1587-1654)作曲の「Tabulatura nova」から。「1.Passamezzo」をお送りします。下記URLをクリックすれば聴こえます。

Passamezzo_Samuel-Schnedt.mid

先日、知人のリコーダー・アンサンブルのグループを訪れ、アルト・リコーダーで参加しました。

クラシックやジャズの作品は

クラシックとジャズの部屋

に200曲以上掲載しています。

今までに、3曲紹介しましたが、音楽の世界が如何に多様か分かるのではないでしょうか。
古楽も楽しい世界です。リコーダーは誰でも吹けますし、音もあまり大きくないので、気楽に始められる楽器ですが、歴史は古く、奥の深い楽器です。リコーダーのアンサンブルを楽しんでいる人達も沢山います。
リコーダーは歳をとってからでも大丈夫です。気軽に楽しめます。
今回の曲の紹介で、古楽やリコーダーの楽しみが伝われば幸いです。

*****
カクテル・ミュージックはいかが?

思い返してみれば、私の人生は音楽と学問を二股にかけてきたようなものである。下記URLをクリックして聴いてみて下さい。
waltz124.mid

曲名「学者のワルツ」
短歌
「学問は極め難しと悟る夜何故か虚しく本を見つめる」

人生の大半を読書と音楽に捧げてきた。学問と音楽どちらかに専念すれば、それなりの専門家になっていたと思う。私の中途半端さが世俗的成功も果たせず、自由と時間だけが手に入った。
ほとんど一人で過ごしている私は別に寂しくはないが、幸か不幸かは分からない。一生サラリーマンをやっても何も後に残らず、定年を迎え、愕然とする企業戦士もいるし、何をやるべきか自分で決められ、孤独と引き換えに自由を選ぶ私のような人間もいる。
いずれにしろ、人生はそう長くないし、歳をとると疲れてくる。人生に多くのものを望むのは無理な話なのだろう。
余生を音楽に捧げるのもいいのじゃないでしょうか。

*************************************
芸者ワルツではなくて「学者のワルツ2」だよ

前回は少し懲りすぎて難解な曲になってしまいまいましたかね。
反省して、分かりやすい曲を創りました。下記URLをクリックして下さい。

waltz125.mid

曲名「学者のワルツ2」
短歌
「心地よく音楽流れるこの部屋で本を読むなり学者の如く」

こういうほうが聞きやすいのは分かっているのだが、前回のように凝ってしまうんですね。
当面、両タイプと十二音技法を追求することにします。
お楽しみ下さい。

*****
シューベルトとジャズ

今日は、シューベルトの「楽興の時」をMIDIにしてみた。下記URLをクリックすれば聴こえます。

Momento-Musical_Schubert.mid

最初はDマイナーとFメジャーを行ったり来たりするが、最後はDマイナーからDメジャーにモーダル・インターチェンジしてDメジャーで終わる。
シューベルトはジャズの先駆者の一人のようです。というより、ジャズは結構クラシックをパクッテいます。複雑にして誤魔化していますがね。
やはり、音楽の基本はクラシックにあるのでしょうか。
対位法の基礎
<< 作成日時 : 2006/07/19 23:08 >>

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ピアノを始めて20年
<< 作成日時 : 2007/03/13 00:54 >>

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今年でピアノを始めて20年になる。それ以前には20年以上のギター歴があるので、音楽歴は40年近くなる。
予想通りであるが、最近やっとピアノが自分の体や指に馴染んできた感じがある。ギターをやっていたので、和音を出せる楽器の習得には20年以上必要なことは分かっていたのである。リコーダーなど一つの音しか出せない楽器の習得は半年から一年で充分である。
普通、大人からピアノを始める場合、目標曲を設定し、数曲弾けるようになるのがせいぜいである。ピアノの師匠も、当初、それを薦めていた。しかし、私は子供と同じように、バイエル、ツェルニーを始め、簡単な曲を多く練習することで、ピアノを体に馴染ませる戦略を選んだ。この戦略は成功であった。ただし、20年という歳月を代償とした。ピアノの師匠も、私のことを子供みたいだと、面白がっている。歳を取っても弾けるようになるのですね、と驚く知人もいる。実は、ピアノを練習するのは子供のやることだとの通念も強く、ピアノの師匠を探すのにも苦労した。紹介所みたいなものもあるのであるが、もう無理ですよ、とか、子供しか紹介しないとか、真面目に取り合ってくれなかったので、当初は独学であった。ピアノの小品を初見で何とか弾けるレベルであるが、ギターの経験がなければ、この程度のレベルに達することができたかどうかは分からない。したがって、全ての人に通用する戦略であるかも分からない。
しかし、意のあるところには道が必ずあるものである。軽いジャズも楽しめるようになった。20年掛けて、やっとピアノを楽しめるようになったのは嬉しいことであるし、苦労の甲斐があったというものである。
これからも、健康に留意し、ピアノをできるだけ長く楽しみたいと思っている。もちろんリコーダーもである。残念ながらギターは弾けなくなってしまった。しかし、ギターも優れた楽器であるとの認識も、ピアノの経験で深まった。だから、ギター弾きが無理にピアノに転向する必要はないと思う。
音楽に限らないが、何事も、自分自身で実践するのが一番楽しいし、充実感にも浸れるのは幸福なことと思う。


*****
趣味に生きる日曜日
去年右手首を複雑骨折して約1年が過ぎた。やっと風呂に入っても背中を洗うことができるまでに回復したが、障害が残っている。
指や神経を傷つけなかったのは幸いであった。半年前からはリコーダーの練習でリハビリを兼ねて行なっている。最近、ピアノの練習も再開した。ハノンをやったところさすがに手首が痛んだので止めることにした。
普通ピアノを専門にやる人達は、バイエルを終えると、ツェルニー100番練習曲を途中までやり、ツェルニー30番に移り、その後ツェルニー40番、ツェルニー50番に進むらしい。副教材もいろいろあるようである。
私は正式に音楽教育を受けたことがないので、ツェルニー100番を最後までやった。約10年掛かった。それを言って笑われたことがある。確かにツェルニー100番の後半は、ツェルニー30番より難しい。
右手首を痛めているので、ハノンやツェルニー40番を練習するのは当面無理のようである。しかし練習しないわけにもいかないので、ツェルニー100番、30番の復習と同時に、ツェルニー110番、ツェルニー第1過程練習曲、ドレミ出版の初級ピアノ小曲110選を練習するように決めた。
ツェルニー110番、ツェルニー第1過程練習曲を練習して気付いたのであるが、ツェルニー30番、40番、50番より、美しい小品で満たされている。シューマンの有名な「メロディー」に匹敵する曲想が多いのは意外であった。しかし、110番、第1過程を練習する人はほとんどいないようである。
ツェルニーは多くの練習曲を書いているが、テクニックを養う練習曲と音楽性を養う練習曲を区別していたのではなかろうか。現代の音楽教育はテクニックを養うのを優先しているようである。実際ツェルニー40番あたりからは嫌になる。明らかに曲ではないからである。
テクニックもそれほど必要ないので、110番、第1過程、を右手首のリハビリを兼ねて練習し、音楽性を養うのも無意味ではないと思う。
大人になってからピアノを始めた人にも、ピアノに慣れ、普通の小品を初見で弾けるようになるためにも適したものと思う。是非お勧めしたい。
しかし、本当に右手首複雑骨折をして、ピアノを弾けなくなることがなかったのは幸運であった。私にとって音楽は唯一の楽しみであるから。


*****

確かに、私の言うことは信じられないかもしれない。なにせ、100番前半、30番、40番、50番以外は教育に使われないから、100番全部、110番、第一過程その他を弾いたことのある人はほとんどいないからである。弾いてみれば分かることであるが、これらは30番よりも難しいところがあるにも関わらず、30番よりレベルが低いものと見なされている。これは事実誤認である。30番に装飾音は出てこない。30番は簡単である。
ツェルニーの「歌心」を知るには、30番、40番、50番以外を練習したほうがよく分かるはずである。装飾音も沢山出てくるので、ジャズをやるためにも参考になる。作編曲の参考にもなる。
現代の音楽教育は演奏偏重であると思う。これが理由でツェルニーの「歌心」が無視されているようなのは残念である。「歌心」とは音楽性のことでもある。

*****

3年前のピアノ発表会(神奈川県民小ホール)の想い出***(3年前に記述)

私にとって去年に続き2度目のピアノ発表会が6月26日(土曜日)神奈川県民小ホールで行われる。ピアノの師、斉藤女史、吉田女史の主催によるものである。去年は自作曲「Cozy Afternoon」、ジャズのスタンダード・ナンバー「デイ・バイ・デイ」、バッハのインベンション2番ハ短調を弾いたが、バッハは曲にならず大恥をかいた。寝坊して、本番直前に会場に到着し、リハーサル無しであったから、暗譜していた前2曲はなんとかなったが、譜面の高さは違うは、照明は眩しいはで、楽譜を見ることができず、バッハは散々であった。48歳にして生涯初のピアノ発表会は悲喜こもごもといった結果となったが、よい思い出である。

スタインウェイに初めて触れた訳であるが、その音色は素晴らしく、録音を聴くと、演奏はお粗末でも、何とか聴けるから不思議である。ピアノ発表会に参加する目的には、スタインウェイ・ピアノでの演奏を録音できることも大きな魅力になっている。

今年は、映画「愛情物語」の副主題化「マンハッタン」、自作曲「ローマ庭園の昼下がりの雨」、スタンダード・ナンバー「ブルー・レディに赤いバラ」を弾く予定であるが、全て私の編曲が入っている。随分とロマンティックな曲ばかりであるが、あまり想像を逞しくしないで頂きたい。あくまでも、甘美なメロディーが好きなだけである。エディー・デューティンを演ずる偽ピアニストのタイロン・パワーの指の演技は参考になった。私も左手が動けば、カーメン・キャバレロ並みなのだが、32歳でピアノを始めた人間が演奏家として成功する見込みは皆無であると諦めている。しかし、洒落た編曲でカバーして聴かせてみせるつもりである。録音の出来も楽しみである。何年か続けたらCDも出せるかも。まあ、冗談ですが、知人には配布するつもりである。去年の録音に対して、「荒井さんもピアノが弾けるの?」と変な感心をしている人もいた。

今年は、私を除いて、女性と子供の出演者ばかりで奇妙なものだが、あらゆる意味で異端の私は、彼らに、そんな音楽の世界もあるのか、と思わせてみせようかと思う。去年は男性参加者もいたのであるが、今年は土曜日のため、都合がつかないとのことであった。

去年は斉藤女史によると400人の観客が入るから、大きな音を出さないと後ろまで聞こえないとおどかされたが、実際は観客よりも出演者のほうが多かったのはお笑いであった。当日までは私もビビッテいたが、今年は実情が分かっているので安心である。斉藤女史の教室のピアノは故意に重たい鍵盤になっているので彼女には分からないかも知れないが、私はもう少しピアノが上手であると思う。いつもレッスンでタッチの違和感に慣れるのに20分位掛かる。私は電子ピアノを常用しており、電子ピアノは絶対に音程が狂わないので、実際のピアノに触れると違和感を覚えることがある。私の所有しているピアノも音が狂っているので、あまり弾く気になれない。電子ピアノにも良い面があると思う。そう思う人もいないだろうか。プロのピアニストは絶対電子ピアノで練習しないそうである。私はあくまでアマチュアということである。ピアノもギター並みに簡単に調音できるような器具の開発は難しいのであろうか。元技術者としてヤマハあたりに提案してみようかしらん。

ソフィア・シニアギターアンサンブルの合奏もある予定である。私ももともとはギターを弾いていたので興味があり、楽しみにしている。

この記事を読んでくれる人とは、何かのご縁である。入場は無料であるから、ご都合がつく方はご来場下さい。


*****




*****
私の音楽関連システムの和声付け機能を使うと次のことが分かる。Lisp関数get-chordsを用いると、ドという音の伴奏となりうるコードは、

cg-user(3): (get-chords '(do))

(+Cdim7 -Ddim7 +D7sus4 +D7 +Dm7 +DM7 -E7sus4 -E7 -Em7 -EM7 E7 Edim7 Em7-5 Em7 +F7 +FM7 -G7 -GM7 Gdim7 Gm7-5 Gm7 A7 +A7 +A7sus4 +Adim7 +Am7-5 +Am7 +AM7 -B7 -B7sus4 -Bdim7 -Bm7-5 -Bm7 -BM7 B7 C C6 Cm69 C69 Cm6 C-5 Cdim Caug Caug7 Cm7-5 Cdim7 Csus4 C7sus4 CaugM7 CdimM7 Cm7 CmM7 CM7 C7 +CaugM7 +CdimM7 +CmM7 +CM7 -DaugM7 -DdimM7 -DmM7 -DM7 Daug7 Dm7-5 D7sus4 Dm7 D7 +D6 +Dm69 +D69 +Dm6 +Ddim7 -E6 -Em69 -E69 -Em6 -Edim7 Eaug Eaug7 EaugM7 F F6 Fm69 F69 Fm6 Fsus4 F7sus4 Fm7 FmM7 FM7 F7 +F-5 +Fdim +Fm7-5 +Fdim7 +FdimM7 -G-5 -Gdim -Gm7-5 -Gdim7 -GdimM7 Gsus4 G7sus4 +G +G6 +G69 +G-5 +Gaug +Gaug7 +GaugM7 +GM7 +G7 -A -A6 -A69 -A-5 -Aaug -Aaug7 -AaugM7 -AM7 -A7 Am69 Am6 Adim Am7-5 Adim7 AdimM7 Am7 AmM7 +Am69 +A69 -Bm69 -B69)
nil

次に二つの音ミとソを同時に伴奏可能なコードを列挙すると、

cg-user(4): (get-chords '(mi so))

(-Bdim7 +Adim7 A7 Am7 A7sus4 -AaugM7 +GaugM7 Gdim7 Gm6 G69 Gm69 G6 -G7 +F7 FM7 E7 EmM7 Em7 EdimM7 Edim7 Em7-5 Edim Em6 Em69 -DdimM7 -Ddim7 -Dm7-5 -Ddim +CdimM7 +Cdim7 +Cm7-5 +Cdim C7 CM7 C69 C6 C Bm7 Bm7-5 Bdim7 -BM7 -B7 +AM7 +A7 -Adim7 +Gdim7 GM7 Gm7 G7 G7sus4 Fdim7 -E7 +D7 Dm7 Dm7-5 Ddim7 D7sus4 -D7 +C7)
nil

このように、伴奏用コードの選択範囲は極めて広く、計算機による判断は、人間による判断を上回り、新たな大きな可能性を開くものである。

上記の考え方はコードの構成音またはテンションノートであれば、そのコードで和声付けできるというものに基づいている。

去年、聖歌讃美歌を、上記機能を用いて編曲したが、違和感もなく斬新な響きが得られることが分かった。

このように、作編曲に計算機を援用することは、新たな音楽の創造に、大きな可能性を開くものである。


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大田区ハイドン室内管弦楽団***(2004年7月に記述)

2004年7月3日(土)大田区民ホール・アプリコで、「ウィーン - おおた ・ 音楽の定期便 2004」という題目でコンサートが行われた。ピアノの師、斉藤女史の紹介で行くことができた。このような大規模編成でクラシックの演奏を聴くのは初めてであった。演奏曲目は、C.W.グルックの歌劇「アウリスとイフィゲニア」序曲、W.A.モーツァルトの交響曲第35番ニ長調「ハフナー」、L.v.ベートーベンのヴァイオリン協奏曲ニ長調であった。クラシックではバッハとフランス近代音楽にしか興味がない私にはもちろん聞いたこともない曲ばかりであった。実際に聴くストリングスの音色は素晴らしくいい音がした。MIDIファイルでもあの位の音質が出るように技術開発をして欲しい。せっかく行ったのであるが、情けないことに、印象に残ったフレーズは何もない。何も覚えていない。演奏前の調音のラ(A)の音だけが印象深く耳に残っている。オーケストラもギターと一緒でラの音で合わせるのだ。ベートーベンか誰かが、ギターは小さなオーケストラだと言ったそうだが、さすが、ギターは調音方法だけはオーケストラと同じで、どんなもんだい、と思った次第である。聴いていた時の関心はただ一つ、こんな長い曲をどうやって作るのだろうかという疑問であった。残念ながら、構成もなにも分からなかった。

ヴァイオリン協奏曲のソロを務めたウィーン国立音楽アカデミー教授ライナー・キュッヒルは1950年生まれで、私より5歳位年上に過ぎないが、頭が禿げていて貫禄があり、お爺さんに見えた。きっと人間に音楽を教えているせいであろう。計算機に音楽を教えている私なぞは、頭の髪はふさふさ、口髭は蓄えているはで、歳よりも若く見られることが多い。ヴァイオリンは見事だが、ジャズ・ヴァイオリニストのステファン・グラッペリに比べると演奏に色気がない。クラシックだから仕方がないかも知れない。

指揮者の米崎栄和(よねざきしげかず)も物理学修士という変わった経歴の持ち主で、私と似た経歴の持ち主である。理系には音楽好きが多い傾向があるようである。音楽は芸術の中で最も論理性の強いものである。理系と相性がよいのかも知れない。私なんぞ理屈だけで音楽をやっているくらいである。

私の住所は鶴見で、京浜東北線で隣が川崎、その隣が蒲田である。大田区民ホール・アプリコは蒲田駅東口のすぐそばであった。意外なことに蒲田に降り立ったの初めてであった。アプリコはなかなか立派な施設であった。

私がクラシック音楽を理解できるようになるには、まだまだ修行が要りそうである。いや、バッハとフランス近代以外のクラシックを好きになることはないかも知れない。

*****

十二音技法について

十二音技法についてざっと目を通してみた。

不思議な話である。十二音技法では音程だけが考慮され、和声は考慮されない。四種の音列、基本形(O)、逆行系(R)、反行形(I)、反行逆行系(IR)を作り、これらの音列を任意に配置するだけである。これらの四種の音列は計算機を使えば容易に作れるでだろう。音高ばかりでなく、音値なども同様に処理される。
これは和声と旋法(モード)が複雑に絡み合っているジャズよりも単純な話ではないか。まるで人間による自動作曲である。音楽というよりも数学という感じがする。
十二音技法の理論
上記URLは晦渋な文体で意味ありげに見えるが、実質的記述は少ない。
確かに従来の音楽との完全な断絶が見られるが、進歩といえるのか疑問である。
モントルーのジャズ・フェスティバルでも十二音技法を使った演奏も披露されたが、伝統的音楽を引き継ぐビル・エヴァンスの人気のほうが圧倒的に高かったという逸話が残っている。
私個人は十二音音楽が心地よく感じることはない。皆さんはどうであろうか。

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対(コード、コードスケール)の適当な列を与えた場合、最も単純な旋律生成アルゴリズムには次の二つのものがある。

1.ガイドトーンとテンション・ノートをランダムに配置する。
2.テンション・ノートからコード・スケールを適当に回転させる。

1.2.の応用として、次のアルゴリズムも有効であることが判明している。

アルゴリズム
A.ガイドトーンとテンション・ノートからランダムに一つの音を選ぶ。
B.その音がガイドトーンならばそのまま旋律の要素にする。
C.その音がテンション・ノートならば音程を上下させコード・トーンに解決させる。(テンション・リゾルブである)
D.(A.B.C.)を繰り返し適当な長さになるまで繰り返す。

以前はA.の段階でガイドトーンの代わりにコード・トーンを使用していたが上手くいかなかった。また上のアルゴリズムではガイドトーン以外のコード・トーンも出現し、多様な旋律を生成できる。ワルツの自動作曲も可能となった。


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5ヶ月ぶりに自作曲を作ってみた。以下のURLをクリックすれば聴こえます。

waltz122.mid

曲名「5月の花のワルツ」
自作短歌
「イギリスのことわざにあり5月には4月の雨が花をもたらす」
自動作曲ではありません。自動作曲システムはまだまだです。
かなりカラフルな曲に仕上がったと思う。私の作品は以下のページで聴けます。MIDIファイルですので音質には限界があることはご了承下さい。
荒井公康音楽作品集
ワルツも122曲も作ったとは、自分でも驚いている。
皆さんもお楽しみ下さい。


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十二音技法とジャズの融合
十二音技法の作法に基づいて曲を作ってみた。十二音技法は対位法であるとの指摘もあるが、思いがけない斬新な和声を構成することも可能である。下記URLをクリックして聴いてみて頂ければ幸いです。

waltz123.mid

十二音技法に基づいた部分だけでは物足りないので、ジャズの理論に基づく和声付けを行い、響きを豊かにしてみた。不安な感じが少しあるのは拭えないが、思いがけない響きの世界の出現である。ジャズと融合させることにより、十二音技法でも和声的に豊かな作品を作ることも可能であることが分かる。当然であるが、半音進行のコード進行が多く現われる。
和声付けには、音楽関連システムを利用した。システムは以下のURLに記述してある。
j-meigen2.htm

最後に曲名と短歌を添えて置く。

曲名「君といた日々のワルツ」
短歌
「空くもり心もくもり僕はまた君といた日を思い浮かべる」

曲想と合っているであろうか。
構築した音楽関連システムを使えば、ほぼ半日で一曲作ることが可能になった。
お楽しみ下さい。

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古楽の楽しみ(バロック・ルネッサンスへ)
現代的な曲ばかり紹介してきましたので、今日は古楽を紹介します。Samuel Schnedt(1587-1654)作曲の「Tabulatura nova」から。「1.Passamezzo」をお送りします。下記URLをクリックすれば聴こえます。

Passamezzo_Samuel-Schnedt.mid

先日、知人のリコーダー・アンサンブルのグループを訪れ、アルト・リコーダーで参加しました。

クラシックやジャズの作品は

クラシックとジャズの部屋

に200曲以上掲載しています。

今までに、3曲紹介しましたが、音楽の世界が如何に多様か分かるのではないでしょうか。
古楽も楽しい世界です。リコーダーは誰でも吹けますし、音もあまり大きくないので、気楽に始められる楽器ですが、歴史は古く、奥の深い楽器です。リコーダーのアンサンブルを楽しんでいる人達も沢山います。
リコーダーは歳をとってからでも大丈夫です。気軽に楽しめます。
今回の曲の紹介で、古楽やリコーダーの楽しみが伝われば幸いです。

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カクテル・ミュージックはいかが?

思い返してみれば、私の人生は音楽と学問を二股にかけてきたようなものである。下記URLをクリックして聴いてみて下さい。
waltz124.mid

曲名「学者のワルツ」
短歌
「学問は極め難しと悟る夜何故か虚しく本を見つめる」

人生の大半を読書と音楽に捧げてきた。学問と音楽どちらかに専念すれば、それなりの専門家になっていたと思う。私の中途半端さが世俗的成功も果たせず、自由と時間だけが手に入った。
ほとんど一人で過ごしている私は別に寂しくはないが、幸か不幸かは分からない。一生サラリーマンをやっても何も後に残らず、定年を迎え、愕然とする企業戦士もいるし、何をやるべきか自分で決められ、孤独と引き換えに自由を選ぶ私のような人間もいる。
いずれにしろ、人生はそう長くないし、歳をとると疲れてくる。人生に多くのものを望むのは無理な話なのだろう。
余生を音楽に捧げるのもいいのじゃないでしょうか。

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芸者ワルツではなくて「学者のワルツ2」だよ

前回は少し懲りすぎて難解な曲になってしまいまいましたかね。
反省して、分かりやすい曲を創りました。下記URLをクリックして下さい。

waltz125.mid

曲名「学者のワルツ2」
短歌
「心地よく音楽流れるこの部屋で本を読むなり学者の如く」

こういうほうが聞きやすいのは分かっているのだが、前回のように凝ってしまうんですね。
当面、両タイプと十二音技法を追求することにします。
お楽しみ下さい。

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シューベルトとジャズ

今日は、シューベルトの「楽興の時」をMIDIにしてみた。下記URLをクリックすれば聴こえます。

Momento-Musical_Schubert.mid

最初はDマイナーとFメジャーを行ったり来たりするが、最後はDマイナーからDメジャーにモーダル・インターチェンジしてDメジャーで終わる。
シューベルトはジャズの先駆者の一人のようです。というより、ジャズは結構クラシックをパクッテいます。複雑にして誤魔化していますがね。
やはり、音楽の基本はクラシックにあるのでしょうか。






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最近、アマゾンから三冊の音楽書籍を購入した。以下の三冊です。

1.プレイヤーのためのやさしいジャズアドリブ理論(松本久著)1575円
2.Berklee スケール、コード、アルペジオ、ケーデンスを重点的に学ぶピアノエッセンシャルズ(Ross Ramsey著)3675円
3.スタンダード・ジャズハンドブック・プロフェッショナル(伊藤伸吾著)3675円

理論書を期待していたのですが、2.はBerkleeの文字に騙された格好でバイエル以下の内容で長音階と短音階しか出てこない。クラシックの初歩をジャズの語彙で粉飾したに過ぎない内容である。3.は理論書ではなく曲集であった。救いは一番安い1.で作編曲やアドリブの役に立つし、かなりハードな内容である。1.と3.を組み合わせれば楽しめるかも知れない。

レオ・アルファッシャー著のジャズ・ハノン(1300円)、オスカーピーターソンのジャズ・ハノン(1300円)という書籍があるが、これらのほうが良いかも知れない。

これらの本も我が敬愛するツェルニー先生には敵わないと思う。リストもツェルニー先生に指導されたと聞く。

ツェルニー先生の100番、110番、30番、40番、初歩者のためのレクリエーション、リトルピアニスト、第一過程、24番、125のパッセージ、八小節の練習曲、左手のための24の練習曲、小さな手のための25の練習曲を練習するに越したことはない。量が多いと思うかも知れないが、100番全部と30番全部をやっていれば初見で弾ける内容なので、集中すれば半年から一年で済むと思う。ただし、30番と100番全部やるには10年掛かるかも知れないが。右手首複雑骨折をした人間がリハビリのために経験したことで、一般性はないだろうし、全人類にお勧めするつもりはありません。でもツェルニー先生の歌心に触れるのも無意味でないと思います。

インターネットで手軽に楽譜が購入できる時代になりましたが、内容が確認できないところがあるので、リスクも大きいようです。

コメント(23件)
内 容 ニックネーム/日時
20年のピアノ、お慶び申し上げます。小生は、娘の置いていったピアノの鍵盤が動かなくならないようにとの目的もあって、大人のためのバイエルなる教本で、一人で楽しんでおります。今、50番前後ですが、子どもの頃には分からなかった練習曲の美しさに驚いております。1日15分ほどで、前にはなかなか進めませんが・・・
Leafman
URL
2007/03/21 10:36
Leafmanさん、お久しぶりです。音楽の素養がおありなのですから、きっとピアノも楽しめることと思います。バイエルも初歩と思われていますが、いくらでも深読みできる教本で、作編曲の勉強やジャズの素材に使う人までいます。

健闘を祈ります。
荒井公康
URL
2007/03/21 10:57
本日2つ目のコメント! 実は私も昔クラシックギターをやっていました。カルカッシの25曲、セゴビア編ソルの練習曲10番辺りまでやりました。その後大人になってからバッハが弾きたくてピアノははじめました。バイエルとブルーグミュラーを独習、全音の「プレ・インベンション」で習い始めました。インベンション2番最近やり始めましたが、見た目より難曲です。8,13,15より難しい。他の記事も見てみます。
花山大吉
2007/09/08 18:55
>花山さん
私もカルカッシをやりましたよ。何でもクラシックは基本ですね。学生になってからジャズ、ボサノバのギターをやるようになりました。

ピアノはツェルニーをやるといいですよ。皆やります。ジャズは自分で練習方法を考え出す必要があります。私のならお教えしましょう。
荒井公康
URL
2007/09/22 17:56
私も、チェルニーやりましたよ。100番、30番、40番、先生が替わったため、クラーマーも、6分の1やりました。50番をやりたいと思ったのは、ベートーヴェンピアノソナタを弾くためです。それから、バッハ、モーツァルトにも役に立ちそうだからです。
1番を弾いてみました。手ごわさを感じました。ゆっくりと、楽しみながら弾いていきたいです。
FUMI
2013/07/22 17:19
はじめまして、FUMIさん。私はクラシック志向ではなく、ジャズが好きなので、クラシックの曲はあまり練習しません。その代わり、自分で練習曲を作ったり、いろいろなコードやスケールを沢山弾いて覚えたりしています。全部覚えるのは無理ですね。作編曲もするのですが、自分でも(他の人でも)弾けないような曲になってしまい、今は計算機に演奏させています。

正直に言って、クラシックの曲よりもジャズの曲(市販譜)のほうが遥かにに簡単ですよ。私にはベートーベンなんてとても無理です。なにしろ31歳でピアノを始めたのですからね。でも譜面も見ないで弾けるようなよころもあります。そういう曲はあくまで単純な曲ですけれど、結構素人受けして、教会で自作曲を弾いたことがあるのですが、ベートーベンの曲よりも評判が良く、皆が喜んでくれました。ベートーベンの曲を弾いた人もいたのですが、演奏の後も反応がなく、皆黙ってしまいました。

今後は単純で綺麗な曲を沢山つくり、発表していきたいと思っています。演奏も楽しみたいと思います。関係ないですが、楽譜どおりに弾くのは嫌いですね。余分な音を加えたり、和声進行を変えたり、和音自体も変えたりして、自分好みの響きにしてしまいます。

私はクラシックの世界では許されない人間でしょうね。そんな大物ではありませんけどね。作曲家に自動作曲システムを作っていると言ったら、危険人物呼ばわりされたことがありました。昔の話ですけどね。

宜しければ、これからも宜しくお願いします。
きみだんご
URL
2013/07/22 17:58
荒井公康様
お返事ありがとうございます。
ジャズはそんなに嫌いではありません。センチメンタルジャーニーは、存じています。そして、作曲がおできになるんですか?尊敬します。
私は、クラッシックかぶれではありません。ポール・モー
リアや、リチャード・クレイダーマン、そして、ビートルズも大ファンです。
ただ、ピアノの先生が厳しく、譜面道理に弾いていかないと怒るし、ベートーヴェンピアノソナタが、音高や大学の
課題曲でした。ですので、必然的に弾いていました。嫌いではありませんでした。そのために、チェルニーをやっていたほうがいいということです。私も、昔の人間ですので、ハノン、チェルニーしか知りませんでした。
私は、ピアノを楽しみたいのです。
FUMI
2013/07/22 20:02
FUMI様

作曲というのは案外簡単にできますよ。私のHPに作曲入門の記事を掲載してあります。参考に読んでみて下さい。

クラシックかぶれでないのは嬉しいですね。ビル・エヴァンスというジャズピアニストはご存知ですか。少なくとも、「Waltz for Debby」「Sunday at the Village Vanguard」は現在手に入りますし、本当に神がかった演奏が楽しめます。かなり高尚ですよ。最近では、日本のジャズピアニスト木住野佳子さんの「face」というアルバムが良かったです。この中の「Girl's Waltz」は素敵です。私は男ですが、この曲は夢見る少女にぴったりです。私っておかしいですかね。この人はジャズヴォーカリストの鈴木重子さんの伴奏をしています。

最近までピアノの年上で主婦のピアノの先生についていて、神奈川県民小ホールでの発表会に参加しました。3回くらいですかね。スタインウェイピアノは弾き心地が素晴らしかったですが、演奏している自分には、音がよく聞こえなかったですね。自作曲とジャズを弾きました。クラシックは簡単な曲しか知りませんからね。

その先生とは、ピアノの練習というよりも、私が音楽の理論を説明したりするので、どちらが先生か分からないですね、と言っていました。私の演奏は上手くはありませんし、私の話もよく分からないから、よく笑っていました。どちらかと言うと、ピアノの練習というよりも、話相手になってくれましたね。母を亡くした直後からでしたので、そういう事情を知っていましたから、配慮してくれたのでしょう。でも、複雑なことになってしまって、現在は習っていません。仲直りしたいですが、それは子供っぽいですよね。大人だから無理な話ですよね。

FUMIさん同様、私もピアノを楽しみたいです。

それでは、また。
荒井公康
URL
2013/07/22 21:59
荒井公康様
ジャズという世界ものぞいてみたくなりました。
ただ、ジャズとクラッシックでは、演奏方法が全然違うようですね?私に、できるかしら?
ピアノの先生に就かれていたのですね。
私は、ポップスを教えてくれる先生を探しています。と言っても、父が病にふしてますので、それも夢叶わず、という状況です。
ベートーヴェンピアノソナタに行くのが、無理にしても、
チェルニー50番練習曲だけは、仕上げたいです。もう一冊仕上げたい、楽譜が、クラーマー=ビューロー60の練習曲です。それを仕上げたら、ベートーベンか、ショパンに行きたいです。小さいころから、クラッシック畑を歩いてきたもので、なかなか、ジャズは、格式は高いです。
荒井さんは、作曲をおできになるのですから、皆に夢を与えてください。そう願っています。
FUMI
2013/07/23 06:21
FUMI様

クラシックができればジャズも必ずできますよ。クラシックがあくまで基本ですから。

お父様のことは心配ですね。去年9月13日に父を亡くしました。寂しいです。遺産を残してくれましたが不動産が多いのでこれから大変かも知れません。相続税は支払いましたが、これから弟と遺産分割協議を弁護士さんを介して行わなければなりません。

FUMIさんのやりかたはきりがないと思いますよ。技巧的な練習ばかりしているようですね。曲を多く練習したほうがよいですよ。曲でも技巧練習はできますよ。

例えば、
藤井英一の「ステップアップジャズピアノ」(楽しく身につくセオリー&レパートリー集)(ヤマハ)

ピアノソロ「ベスト・アレンジ・スタンダード・ジャズ」(トップ・ピアニスト達によるソロピアノ曲集)(Rittor Music)

映画の中のジャズコレクション(松山佑士編)(DOREMI MUSIC PUBLISHING)

などを買ってきて好きな曲や簡単に弾けそうなものを選んで弾けばいいのではないでしょうか。楽譜どおりでなくても構いませんよ。

あと理論の勉強も必要です。ジャズとクラシックの違いは技巧ではなく理論の違いにあると思います。

私の作品は
荒井公康音楽作品集
にあります。
荒井公康
URL
2013/07/23 09:32
荒井公康様
確かに、チェルニーは、技巧的なものが多いですね。もっと、肩ひじ張らずに弾けたらいいな、とは思います。
小耳にはさんだのですが、ハノンは、ジャズ、ポップス、
ロックのキーボード奏者が、基本練習として、練習に使っているのは、本当でしょうか?
ところで、ジャズの楽譜を教えて頂きまして、ありがとうございます。でも、ベートーヴェンも弾きたいです。
FUMI
2013/07/23 16:31
本当のところ、私の場合、ほとんど自己流で、ピアノの先生についていたのも7年程度でした。だから、よく判らないというのが正直なところです。

正直に言ってチェルニーの30番、40番、50番は嫌いです。音楽じゃありませんよ。崩しようがありません。他の教材は綺麗な曲が比較的多く、楽譜どおりに弾かずに、装飾音を入れたり、和音や旋律や拍子を即興的に変えて、ジャズの練習に使っています。

ハノンも音楽じゃありませんし、指の訓練にはなるでしょうが、作曲やジャズができるようにはならないでしょうね。他の人はどうか知りませんが、私は無駄と思って練習しません。ハノンをやる暇があったら、ジャズで使われる様々なコードスケールをバッキングを付けて速い速度で弾いて覚えたほうがいいと思っています。本当にいろいろなスケールがあるんですよ。それを覚えなければ、作曲もジャズもできません。それに私は演奏家志向ではありません。

FUMIさんは怒るかもしれませんが、クラシックの曲は野蛮ですよ。サティ、フォーレ、ラベル、ドビュッシー、ルロイ・アンダーソン、ガーシュインなら聞けます。

本当に、私が紹介したCDだけでも聴いてみて下さい。

それでは、また。
荒井公康
URL
2013/07/23 18:17
荒井公康様
こんなこと言うと、クラシックを崇拝している人に怒られそうですが、チェルニー30、40、50、チェルニー
自信大嫌いだと、おっしゃってる人もいます。荒井さん
だけがそう思っているわけではないので。
FUMI
2013/07/23 19:32
FUMI様

そうですか、安心しました。ジャズの素材としては、単純で綺麗な曲が好ましいのです。有名な童謡に複雑な和声進行を付けて、その和声進行に基づいた旋律を作り、編曲した作品も私のHPに掲載してあります。これもジャズの手法に基づくものです。以下に掲載してあります。

クラシックとジャズの部屋

最近はジャズの理論書を入手するのが難しくなりました。私は沢山持っています。昔は結構CD屋さんに置いてあったのですが、今は銀座のヤマハに行くしかないようですね。クラシックの楽典、和声学の教科書、対位法の教科書はほとんど何の役にも立ちません。

作編曲には計算機を援用しています。以下を参照して下さい。

j-meigen2.htm

少し難しい話になってしまいましたが、別の話でも構いませんから、またピアノや音楽の話をできれば幸いです。

それでは、今後とも宜しくお願いします。
荒井公康
URL
2013/07/23 22:27
荒井公康様
私は、チェルニーシリーズが嫌いでした。しかし、最近になって、この年で好きになれそうです。特に、50番練習曲に燃えています。私のブログ友で、ベートーベンピアノソナタを弾くために、我慢しても、50番ができる、ベートーヴェンが待っていると、おっしゃっていました。
私も、40番までは、先生に倣っていましたが、50番の
代わりにクラーマーを勧められて、それでも、10番しか
いきませんでした。この曲集は、まるで曲を弾いているようです。綺麗で、美しいです。練習曲集が終わったら、ショパンも、少々やりたいです。
ところで、ジャズにもジャズハノンという、楽譜があるんですね。ジャズ、ポップスにもハノンがあるんですね。
楽しそうです。それから、ロックもあればいいですね。
有名人でも、クラッシック一辺倒の学校だったので、中退
しました、という人結構いますね。
余談になりますが、ビートルズと、オリビア・ニュートンジョーンの大ファンです。
ジャズのこと、色々と教えてください。
よろしくお願いします。
FUMI
2013/07/24 08:48
FUMI様

チェルニーも綺麗に聞こえるように丁寧に弾けるまでには結構時間がかかりますね。私はブルグミュラーとか子供向けの教材を物凄く丁寧に弾いてみたり、凄いスピードで弾いてみたり、とか馬鹿げた練習をしています。これだけでも指がかなり良く動くようになりますよ。このほかにもギロックも面白いと思います。

ベートーベン、ショパンの曲は私には美しく聞こえませんが、FUMIさんの好みなのでしょうから、50番頑張って下さいね。クラーマーは初耳です。美しいですか。近くのオデオン堂というCD屋さんに楽譜が沢山置いてあるので探してみます。

ジャズハノンの他に

「新版 ジャズインプロビゼーションエチュード」(磯野数幸 編著)というのがあります。これはいいですよ。メロディーが作れるようになります。

私も、大貫妙子、山下達郎、森山良子、エポ、ハイファイセット、カーペンターズ、小野リサなんかも好きです。軽やかな曲とのは意外に複雑な譜面になることが多いみたいですよ。和音も複雑です。

今は少し疲れていて元気がなく、ほとんど作編曲もピアノもリコーダーもやっていません。でも、FUMIさんのお陰で少しやる気がでてきたかな。

それでは、宜しくお願いします。
荒井公康
URL
2013/07/25 09:33
荒井公康様
私のお蔭でやる気が出てきて、とても光栄です。
私は、50番チェルニーのやる気が出て参りました。
1番だけ弾いた、タマゴですが、皆さん頑張っているのだな、と励まされました。
分野は違いますが、同士としてピアノをやっていきましょう!!
FUMI
2013/07/25 10:02
荒井公康様
私も、大貫妙子、山下達郎、森山良子、エポ、ハイファイセット、カーペンターズ、小野リサ、いいですね。編曲でもできて、少し自分だけで楽しめたら・・・・、と思ってしまいました。
私は、どんな分野の音楽も好きですよ。
ところで、チェルニーですが、どのチェルニーも嫌いではなかったです。私の秦にあっていたのかもしれません。それに、恩師の指導が良くて、あまり退屈させる指導はしていなかったように思います。クラーマーというのは、クラーマー=ビューロー60の練習曲と、言います。甘いムードチックな曲集です。大体、50番と、レベルは同じぐらいだと言われています。
FUMI
2013/07/25 16:14
FUMI様

私は演歌とロックは駄目なんです。クラッシクもフランス近代と古楽(リコーダー)だけですね。パーシー・フェイスとか軽音楽も好きです。昔はジェットストリームというFM放送をよく聴いていました。今はCDのシリーズとして売っていますよ。

チェルニーは30番と40番だけ教えてもらいました。レッスンの始めに、いつも少し即興演奏を披露すると、それだけ遊べるんだから、と不思議そうな顔をしていました。その後に、先生はハノンをやりましょう、というのですが、私はいうことを聞かずに脱線していました。先生も困ったような顔をしていました。思い出しましたが、トンプソンのシリーズも練習しました。インベンションも途中までやりましたかね。時にはジャズを練習したりと、結局中途半端に終わってしまいました。とにかく先生も私の扱いには困ってしまったようで、レッスン料も最初は一時間以上で3千円しか受け取りませんでしたが、後になって私のほうから無理に4千円受け取ってくれるように頼みました。一時間経って、私が帰ると言うと、もう帰るの?まだいいじゃない、とか言い出す変な先生でした。真昼間に二人っきりでしたが、別に変なことはしていませんでしたよ。私は紳士ですからね。今でも、カッコイイとか会社の社長に見えるとか言われるんですが、女性からは「男」を感じないと昔からよく言われましたね。

オデオン堂でクラーマーを見つけましたが、かなり分厚いので、買うのは止めました。今、やりたい教材がありますので。

それでは、また。
荒井公康
URL
2013/07/25 22:35
確かに、クラーマーは、分厚く重いです。やりたい教材が
あるのなら、そちらの方がいいでしょう。
クラーマー自体が、美しく、表現力が求められるので、難しいです。
私には、真似できませんが、クラーマーと、50番が同レベルなので、両方さらっていく人もいるそうです。
どちらも、一長一短です。クラーマーは、一曲当たり、2ページの曲が多く、チェルニーは長い。
もしも、クラーマーをやられたら、感想をお聞かせください。強制はしません。
FUMIより
FUMI
2013/07/26 10:05
FUMI様

私も若くはありませんので、技巧的な練習はもうやりたくありません。今更プロの演奏家になれるはずもありませんし、なったとしても楽しいというよりも、苦しい大変な生活になってしまうのではないでしょうか。私は音楽だけの人間ではありませんしね。趣味として綺麗な曲を弾いて楽しみたいと思います。音楽で苦労したり苦しんだりというのは本末転倒の話で、楽しくなければ、私は音楽を止めます。私の経験では、演奏が難しい曲が美しいとは限らないと思っていますから、重たく聞き苦しい難曲を弾きこなして自慢する傾向があるクラシックの人たちの感覚は判りません。坪井伸之さんの演奏は確かに凄いですが、ただそれだけで、演奏する曲も音楽として到底美しいとは言えませんから、聴いていても苦痛になるだけです。私が美しいと思うクラシックの曲は本当に少ないです。単純な編曲でも、ジャズのスタンダードナンバーを弾いたり、聴いたりしたほうが、余程気持ちがいいです。綺麗なジャズのスタンダードナンバーは沢山ありますよ。メロディーとコードだけが書いてあるスタンダードナンバーの曲集が売られています。凄いのが芸術であるのではなくて、美しいのが芸術ではないでしょうか。そして、美しいものは意外とシンプルなものではないでしょうか。

クラーマーを強制しないとのこと、FUMIさんは優しい方ですね。ありがとう。

荒井公康
URL
2013/07/26 15:31
荒井公康様
私も、音楽は楽しみたいです。今度は、お好きなジャズを
教えてください。
チェルニー反対派という人も、かなりいました。私も、10代後半から、20代、アラサー、アラフォー、とクラッシックには興味がなかった、と行った方が正直なところです。何でここ1年なのか解りません。
FUMI
2013/07/27 16:41
FUMI様

ジャズをどのように教えたらよいかついては、私には分かりません。私のHPやブログを読んで頂いて、質問して頂ければなんとかなるかも知れません。

今日、アマゾンで教材を3冊注文しました。7月31日に届く予定です。手に入ったらどんな内容かお知らせしますね。

それでは、よろしくお願いいたします。
荒井公康
URL
2013/07/28 21:11
ビル・エヴァンスのDVDを観て他
<< 作成日時 : 2007/03/26 23:37 >>

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最近、ビル・エヴァンスのDVDで、「Autumn Leaves BILL EVANS TRIO LIVE'66」と「BILL EVANS TRIO LIVE IN OSLO 1966」が出回っている。後者は輸入版であるが、前者と同じ内容と、ボーナス・トラックとして1971年のニュージャジーでの演奏も収録されている。しかも輸入版で安いのでお買い得である。ベースは共にエディ・ゴメスである。1971年のドラムはマーティ・モレロである。1966年のドラムはアレックス・リエルで初めて聞く名である。

1966年と1971年のビル・エヴァンスは風貌に大きな変化が見られる。70年代の彼は、時代を反映してカジュアルな服装、長髪で若い頃のフォーマルで知的な面影が薄れている。私は一時、風貌の変化の大きさに驚いていたが、演奏する姿は、猫背、首を右に傾げる、等の癖がそのままなので、同一人物だと分かるし、演奏内容もハーモニーの色彩感が増しているのも分かる。

最近、ビル・エヴァンスのDVDが出回るようになり、CDで聴く印象と異なり、いかにもさりげなく弾いているのには驚く。

ビル・エヴァンスのDVDにはこの他に、「THE UNIVERSAL MIND OF BILL EVANS」「JAZZ 625 BILL EVANS TRIO I&II」を所有しているが、若い頃の彼は、自己の内面に沈潜する、その内省的で知的繊細さは人々を惹きつけるものがある。彼の音楽ばかりでなく、彼の若い頃の風貌も人を強く惹きつけるものがある。

ビル・エヴァンスが亡くなって27年が過ぎたが、未発表音源や最近のDVDの販売など、多くの人々にとって忘れられない存在になっているようである。彼が亡くなってからファンになった若い人達も多いようである。mixiでビル・エヴァンス関係のコミュニティも多い。

確かに、彼の音楽は素晴らしい。ただただ、そうとしか言えない。

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ビル・エヴァンスの生涯で唯一の駄作CD?(From Left to Right)

 ビル・エヴァンスの生涯で唯一の駄作と言われる「From Left to Right」が最近CDで出回るようになった。それも推薦版としてである。彼の生前には考えられなかったことである。私もようやく手に入れることができたという感覚である。

 何故駄作と言われていたか分かったような気がする。確かに一見手抜きの演奏である。硬派のジャズファンにはジャズに聞えず、超高級BGMにしか聞えないのだろう。ただ、BGMとしては、これ以上望めないほど完成度が高いものである。

 このアルバムは、私にとっては駄作には聞えない。ビル・エヴァンスのアルバムのほとんどが過激な演奏を好みがちなジャズファンに迎合するためのプロデューサーによるヤラセだった可能性も否定できないとさえ思っている。普段の彼の懸命な演奏には不自然なものを感じる。

 「Moonbeams」「Intuition」「You must believe in spring」もこのアルバム同様、ビル・エヴァンスが力を抜いて、リラックスして演奏しているのが感じられ、ジャズファンでなくとも、聞きやすく、受け入れやすいアルバムであろう。これらの4枚のアルバムをビル・エヴァンスの代表作と評価する人は皆無であろうが、私個人にとってはベスト4である。

 これらのアルバムの延長上に、フランス近代音楽を洗練させ、昇華させたような、ビル・エヴァンス晩年の美しいピアノソロがあるように思う。

 「Soiree」という曲の夢見るような演奏、「Lullaby for Helene」という曲のメランコリックでノスタルジックな演奏、「Like Someone in Love」という曲のロマンチックな演奏、「Children's Play Song」という曲のメルヘンチックな演奏は、疲れた心を癒してくれる。ビル・エヴァンスの優しい心が表れているようである。

 これ以上のヒーリングCDは稀である。音楽としても洗練の極みである。これをジャズと呼ばない人がいても不思議はないが、傾聴に値するアルバムである。

 以上、ひねくれ者のCDレビューでした。






音楽の雑談2と作品紹介
<< 作成日時 : 2007/06/22 22:29 >>

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*****古楽の楽しみ(バロック・ルネッサンスへ)*****
現代的な曲ばかり紹介してきましたので、今日は古楽を紹介します。Samuel Schnedt(1587-1654)作曲の「Tabulatura nova」から。「1.Passamezzo」をお送りします。下記URLをクリックすれば聴こえます。

Passamezzo_Samuel-Schnedt.mid

先日、知人のリコーダー・アンサンブルのグループを訪れ、アルト・リコーダーで参加しました。

クラシックやジャズの作品は

クラシックやジャズの作品

に200曲以上掲載しています。

今までに、3曲紹介しましたが、音楽の世界が如何に多様か分かるのではないでしょうか。
古楽も楽しい世界です。リコーダーは誰でも吹けますし、音もあまり大きくないので、気楽に始められる楽器ですが、歴史は古く、奥の深い楽器です。リコーダーのアンサンブルを楽しんでいる人達も沢山います。
リコーダーは歳をとってからでも大丈夫です。気軽に楽しめます。
今回の曲の紹介で、古楽やリコーダーの楽しみが伝われば幸いです。


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*****これ以上は望めない程甘いカクテル・ミュージックは如何?*****
現時点の私にはこれ以上甘い音楽は作れないというほどの甘ったるいカクテル・ミュージックを創りました。下記URLをクリックすれば聴こえます。

waltz126.mid

曲名「紫陽花のワルツ」
短歌
「梅雨に入り紫陽花の花色を変え掴めぬ君の心の如く」

MIDIですので音質は良くないですが、気は心です。こういうのはジャズと呼ばないのです。
この曲を捧げる女性がいるような歳ではなくなってしまったが、まだまだ若い人達に送ります。
お楽しみ下さい。


*****
*****これはメンデルスゾーンのRomanzaですぞ*****
本文
またまたとんでもない編曲をしてしまいました。メンデルスゾーン作曲の「Romanza」です。下記URLをクリックすれば聴こえます。

Romanza-Mendelssohn.mid

ゴージャスな仕上がりでしょう。6/8拍子は2拍子の一種ですが、ブランコで揺られるようで気持ちよいですね。竹内マリヤの好きな拍子だそうです。私は彼女よりも山下達朗よりも若いですぞ。意外でしょう。ユーミンよりも若いですぞ。
まあ、自慢にもなりませんが、私にも将来があるという意味です。かすかな望みです。
お楽しみ下さい。


*****
*****リコーダーの楽しみ*****
リコーダーの練習の基本はアルト・リコーダーの二重奏です。月に一回自宅で鈴木さんという方と練習しています。リコーダーは小学生でも吹きますが、歴史が古く、奥の深い楽器でもあります。ピアノと違ってメロディーに意識を集中できるので、ピアノとは違った楽しみがあります。
一昨日は「ルネッサンス・バロック時代の巨匠達によるデュエット集」を練習しました。パーセル、ラモー、クープラン、ヴィヴァルディ、ヘンデル、バッハ、テレマンといった大御所の知られざる小品で満たされています。楽しい一時を持てました。
私の生活で人と比較的深く関わるのは月一回のリコーダーの練習と、月2回のピアノのレッスンだけです。後はほとんど一人で過ごしています。ピアノも連弾の練習をすることになりました。
これ以外の不定期な接触以外に、人との接触はあまりないので(電話はよくしますが)、楽器演奏の練習が唯一の大きな楽しみになっています。
私は横浜市鶴見区内に住んでいます。お近くの方でリコーダーに興味のある人で、定期的に練習できる人がいればご連絡下さい。一緒に練習しませんか。
音楽は聴くのも、演奏するのも、作るのも、一番の楽しみです。ただ、ひきこもりと近所で思われているのではないかとは心配です。
下らない話になりました。すいません。


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***** I love you Porgy *****
ガーシュインのこの曲は、LP時代のビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」には収録されなかった。次のような曲です。下記URLをクリックすれば聴こえます。

I-love-you-Porgy.mid

ロマンティックな曲ですが、エヴァンスらしいスウィング感がなく没になったのでしょうか。CDの時代になり、黄金のトリオでの「I love you Porgy」が収録されました。確かにエヴァンスらしくない演奏ではあります。スィング感も薄く、スリーピーな感じです。
しかし、彼ののこういう力を抜いた演奏は好きですし、時折披露するのが楽しみでした。
51歳で亡くなった彼が、もっと長生きしていたら、どんな演奏を聴かせてくれたかを考えると残念です。


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*****秘められし想いのワルツ*****
究極のカクテル・ミュージックを作ってみました。下記URLをクリックすれば聴こえます。

waltz127.mid

曲名「秘められし想いのワルツ」
短歌
「カンバスの緑の中の紫は想いと同じ秘められし色」

かなり甘いでしょう。昨日は「昼下がりの情事」を本当に楽しみましたよ。ピアノの先生とね。いや冗談です。お叱りを受けておりました。現実と映画は違いますなぁ。
私の曲は和声が掴めないと思います。和音の上に別の和音を乗せるというU.S.C(アッパーストラクチャードコード)を使っているので、上の和音には規則がないのです。
ようやく自分のスタイルが固まった感じですが、今度は壊さねばなりません。ヒントは十二音技法にあるのではないかと思っています。


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*****お盆の準備*****
春などとっくに過ぎ、梅雨の最中ですが、メンデルスゾーンの「春の歌」をギターの二重奏にしてみました。下記URLをクリックすれば聴こえます。

Spring-Song-by-Mendelsson.mid

話は変わりますが、明日からお盆の準備を始めるつもりです。一人住まいの広い家を掃除して、いろいろ飾り付けなどをしなければなりません。
今年は、別居している父と弟家族も来る予定です。
一人暮らしは慣れましたが、話題が乏しくなりますね。もっぱら音楽三昧です。
生活はどうやって?ですか。それは秘密です。

地方のお盆は八月なので、八月には帰省する人も多いのでしょうね。


*****
*****お盆の準備2*****
今日は忙しい日でした。しかし、少しゆとりがあったので一曲創りました。
下記URLをクリックすれば聴こえます。

waltz128.mid

曲名「子供の日のワルツ」
短歌
「晴天の五月五日の子供の日お風呂の中は菖蒲の香り」

子供の頃と母のことを思いながら、お盆の準備をしました。
お供物のお供え、大掃除、昼風呂、迎え火、ゴミ捨て、など大変でした。
明日はお坊さんが来ます。16日まで亡き母は我が家にいることになります。
母のお陰でよい曲ができました。


*****
*****私の凡庸な音楽関連システムについて*****
私の音楽関連システムは非常に凡庸なものに過ぎません。市販の書籍をそのまま計算機にインプリメントしたに過ぎません。コードばかりでなくコードスケールを導入したことが、功を奏したという感じです。高名な音楽家や作曲家の学説は一切考慮したことはありません。最近十二音技法に目を通したくらいです。十二音技法に私の凡庸なシステムを援用すれば、以前示した通りです。作編曲に高度な理論が必要なのか、今のところ疑問です。
また、これ以外にも、カオス、フラクタルなどの複雑系、遺伝的アルゴリズム、チョムスキーの言語理論などを音楽に応用しようという流れも大きいのですが、話の焦点が暈け、音楽の本質が見失われてしまうように思います。
私の凡庸なシステムでは、音楽の基礎知識をほぼ網羅した段階に過ぎませんが、かなりの音楽生成能力を持ちます。音楽知識の検索機能もあります。この上に高度な音楽理論を乗せていくことが今後の課題だと思っています。


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*****亡き王女のためのパヴァーヌ*****
お盆でも、お坊さんをお迎えし、供養が終わると、父も弟も直ぐに帰ってしまった。今日は母の供養のために、M.Ravelの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を私流にアレンジした。結構時間がかかりました。下記URLをクリックすれば、聴こえます。

pavane-by-Ravel.mid

変わったハーモニー感覚をお楽しみ頂ければ幸いです。
これほど優雅で憂いを帯びた名曲は他にありません。私の編曲と原曲の違いが分かれば幸いです。この曲はジャズでもよく取上げられます。
母への鎮魂ばかりでなく、皆様への鎮魂になればと思います。
お楽しみ下さい。


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*****ルイス・ミランのパヴァーヌ II*******
暑い日々が続いていますが、皆様は如何お過ごしですか。
私は暑いのは苦手で、もう夏バテ気味です。
今日はルイス・ミラン作曲のパヴァーヌII
を送りします。下記URLをクリックすれ
ば聴こえます。

Pavana-II.mid

中世の曲ですが、和音を現代的にしました。
お楽しみ下さい。


*****
*****ラプソディー・イン・ブルー*****
猛烈に暑い日々が続きましたが、今日は
一息つける一日でしたね。私もやっと元気
が出てきました。
クーラーをつけ、水分を充分に摂り、熱中
症にはくれぐれも気をつけて下さいね。
今日はガーシュインのラプソディ・イン・ブ
ルーの抜粋をお送りします。下記URLを
クリックすれば、聴こえます。

Rhapsody-in-Blue.mid

映画の一場面で聞えてきそうな曲ですね。
それでは、皆様、暑さに負けず、ご自愛下さい。


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*****サマータイム*****
今日も暑かったですね。熱中症の数は
一日に千人を越えているそうです。

こちら横浜も暑いです。

昔はもう少し涼しかったような気がしますが。
なにしろ、クーラーは贅沢品でしたからね。
歳がばれますね。

今日はガーシュインの「サマータイム」を
リコーダー・アンサンブルのつもりでお送り
します。ジャズのスウィング感も正確に表現
して見ました。3連符の多用です。

MIDIですので、品質が悪いのはご容赦
下さい。

下記URLをクリックすれば、聞えます。

Summertime-from-Porgy-and-Bess.mid


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*****フランス風プレリュード*****
大分ピアノの練習をしたが、進歩は少しですね。本当に少しです。ジャズは楽譜通りに弾かなくてもいいですが、クラシックのピアニストは絶対無理だと悟りました。でも、ピアノの練習を止めるつもりはないのは、何なのこの気持ち。まあ、少なくとも作編曲には役立つでしょう。

フランス風プレリュードを作りました。M.ラヴェルを参考にしましたが、随所にジャズの和音が聴こえるでしょう。

下記URLをクリックすれば聴こえます。

Prelude-by-K_Arai.mid

短歌
「一夏を静かに過ごすこの身にはもはや過ぎにし恋へのプレリュード」

私って芸術家タイプでないでしょうか。誰も認めてくれませんが。高校時代は数学一直線でした。選んだ職業も技術者でした。人生を2回やっているようなものだから、まあ、いいか。

*****Sさん、今日は。

小川洋子さんの「博士の愛した数式」という小説に出てくる、exp(πi)+1=0とう式を理解するにも大学教養課程程度の知識が必要ですから、積み重ねの学問である数学を嫌う人は多いでしょうね。

不思議なことに音楽を表現できる数学は存在しません。私の音楽関連システムでは記号処理が主体ですが、記号に数値を対応させて、数値を介して、記号変換を行う程度の算数しか使っていません。

数学の表現能力は限定的です。子供の頃は、両親の影響もあり、音楽や美術では食えないから、理系に進んだほうがよいと教育されましたが、理系に進んで酷い目にあっただけでした。記憶力が良いので法学部あたりに進めば、今頃、資格を取って裕福な生活ができたかも知れませんね。

理系より酷い三流音楽家になってしまったのが真相です。まあ、音楽は楽しいのが救いですね。


*****
*****ツェルニー弾き?*****
右手首の複雑骨折をしてから1年半になる。まだ、完全に直らず、障害は多少残っている。リハビリに始めたツェルニー制覇は効果があった。

「やさしい20の練習曲」「こどものための練習曲」「5つの音による24の練習曲」「第一過程練習曲」「リトルピアニスト」「初歩者のためのレクリエーション」はバイエルが弾ければ、初見で弾ける内容である。一応全部弾いてみた。結構楽しかった。したがって、これらは一応卒業ということにした。

今後は、「100番練習曲」「30番練習曲」を練習始めの指慣らしに使い、「110番練習曲」「125のパッセージ練習曲」「小さな手のための25の練習曲」「左手のための24の練習曲」「24番練習曲」「8小節の練習曲」「毎日の練習曲」「40番練習曲」から一曲ずつ選んで、一日に15曲程度を2~3時間練習することにした。

この中で、「24番練習曲」「8小節の練習曲」「毎日の練習曲」は意外と難しい。しかし、「30番練習曲」と「40番練習曲」との間にはギャップが大きすぎると思うので、間を埋めるのには適当な教材であると思う。

おそらく、こんなにツェルニーを使う人はまずいないと思う。私も、あくまで、右手首複雑骨折のリハビリが目的であった。ツェルニーを意外に綺麗な曲を残しているのに気付いた。さすが、ベートーベンの弟子である。数曲宝石のような曲を見つけた。

ツェルニーはあくまで技巧練習に使われるようであるが、「125のパッセージ練習曲」「8小節の練習曲」にはジャズで使いたくなるようなフレーズが沢山出てくる。

リハビリも終わり、ツェルニーの練習量も減らしたので、スケールの練習や普通の曲やアドリブの練習に時間が割けるようになった。ついでにリコーダーの練習もできるようななった。

何か、音楽ばかりやっているようですが、一日4時間程度です。作編曲をする日は楽器の練習はしません。あくまで、一日4時間程度音楽に時間を割いています。

母が生きていたら、怒ったかも知れません。音楽の才能もないのに、といつも言われていましたから。でも、150曲近い作品を2~3年で作れたのは、母の計らいかも知れません。母も天国で、私の作品を聴いてくれていると信じています。


*****
*****絶対(相対)音感と作編曲能力*****
私は音楽を趣味にしているので、音楽の専門家とも付き合いがあるが、いわゆる絶対音感の持ち主には作編曲の能力があることは、ジャズなどを除き、少ないようである。むしろ、正式の音楽教育を受けていない人が作編曲能力を示す傾向が大きいという印象を持っている。どうも絶対音感と作編曲能力とは関係ないようである。

私も作編曲をするが、絶対音感よりもハーモニー感覚のほうが重要と思う。というより、まず和音の進行を決めなければ、旋律も作りにくいということである。和音と調が明確であれば、その和音で使える音というものが限られてくるので、無から旋律を創造する無限の自由という苦痛と困難を逃れることができるからである。絶対音感を頼りに作編曲しようという人は、この無限の自由を前にしてどうしていいか分からないのであろう。ふと、旋律が浮かぶことは、誰にでもあるだろうが、それだけでは、多作は不可能である。絶対音感があって、感性を磨いても、一生待っても旋律は浮かんでこない可能性は高いだろう。

私には自分には音感があるのか分からないが、一つの音が全体の布置の中ではずれているか、はずれていないか判断できれば充分だと思っている。絶対音感があり旋律の音名が浮かぶ人の中には、音楽鑑賞は耐えられないという人もいた。

私の場合、ハーモニー感覚が一番重要なのであるが、ドミソとか単純な和音だけを考えることはまずない。代理和音、4度重ねの和音、ジョージ・シアリング風和音、テンション入り和音、など、美しい和音を規則に沿って並べるだけで曲らしきものは簡単にできてしまうことを知っている。これだけでも、絶対音感と作編曲能力はあまり関係ないことが分かるのではないか。対位法も和声の法則に従っている必要がある。

絶対音感など自分の感性だけで曲を作る人もいるのは確かだが、ハーモニーなどに不満を思うことが多い。個人の感覚には限界がある。

偉そうなことを言ってきたが、ぶっちゃけた話、私の作編曲は実際の音を操作するのではなく、記号処理(操作)を行っているのである。だからこそ、計算機による支援システムが可能なのである。十二音技法などは計算機処理のほうが適している。

つまり、音楽の才能もないにも関わらず、作編曲を行なってしまう私の手口をばらしたのでした。

オシマイ。

*****
*****音楽関連システムへの機能の追加*****
私の自動作曲システムを含む音楽関連システムは下記URLに
記述されている。

自動作曲システムを含む音楽関連システム

私は車の運転が好きで、運転しながらいろいろアイデアを練るのが好きである。今日も、ふと次のようなアイデアが浮かんだ。

一つの調で使われるコードをランダムに計算機に並べさせる。その組み合わせに対して、セカンダリー・ドミナント、平行和音、トゥー・ファイブ、などを使って、人間がスムーズに繋げるというものである。それに適当に繰り返しを作って自然な曲作りに利用しようというものである。

コード進行に対して、フレーズのアイデアを生成する機能は既にできている。

いや、別に私は音楽ばかりやっているわけではありませんよ。あくまで、一日に4時間が限度です。

*****私の音楽関連システムに追加した機能を使って、64小節のコード進行を作り、作曲してみました。所要時間5時間でした。下記URLをクリックすれば聴こえます。

waltz129.mid

短歌「南風のワルツ」
雨と風台風過ぎにしこの国にもたらされるは南国の歌

私も暇ですね。本当に暇なんです。
M.ラヴェルに少しでも近づきたいです。

*****Gさんへ

誤解ですよ。ランダムに並べられたものを、自然なものに仕上げるのは、音楽の専門知識を持った人間です。これは専門分野では、マン・マシン協調システムと呼びます。これによって、人間の発想だけでは不可能な音楽の世界が開かれることもあるのです。
私の十二音技法とジャズとの融合などの試みも、人間が処理するには複雑すぎて、計算機の支援を必要とします。
まあ、音楽の才能のない人間の悪あがきと思われても仕方がありませんが、音楽情報処理という計算機科学の一分野として成立して久しい分野です。というより、計算機が発明される以前の構想段階から、既に自動作曲などの構想は練られていました。音楽ばかりではありません。自動翻訳、人工知能などの構想は計算機ができる前から構想されていたのです。
確かに、私はGさんの考えるような純粋な音楽家ではありません。しかし、計算機システムとして、音楽知識を整理しておくことは有意義なことです。
私の活動が、音楽だけを対象にしているのではないことを、ご理解願えれば幸いです。まして、Gさんと敵対関係にあるというのも誤解です。計算機科学という視点のほうが強いのかも知れません。
例えば、クラシックのM.ラヴェルの作品などは、ジャズのコード進行を大きく踏み外しています。そういう作品をアナライズした上でのアイデアであることもご理解願えれば幸いです。








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*****ピアノのレッスン*****

今日はピアノのレッスンの日だった。ジャズ志向の強い私であるが、クラシックの先生についている。(ジャズ・ピアノの先生はレッスン料が高そう。)

ジャズ志向の人間にとって楽譜をどう弾こうが構わないことなのであるが、クラシックの先生につくと、自分が如何に、楽譜どおりに弾けないかが分かって勉強になる。全然楽譜どおりに弾いていないと指摘されて、あ然とすることが多い。ピアノのテクニックを身に付けようとレッスンを始めて約5年になる。

それまでは独学で勉強していた。Dm7-G7-CM7-A7という循環コードに対してメロディを作る訓練を10年以上やったであろうか。お陰で楽譜を見ないでピアノを弾き、クラシックの人を驚かせるという神通力が身についた。ジャズ・ピアノならぬフォークソング・ピアノ版と称していたが、静かなジャズに聴こえるらしい。

ところが、正式にピアノを始め、ツェルニー弾きになったが、神通力が消えてしまった。5年間楽譜どおりに弾く訓練と引き換えに神通力も失ってしまったのである。

最近は、テクニックもある程度身についたので、反省して、スケールの練習や、自作のジャズ習得用練習曲なども練習して、楽譜を見ないで弾く時間を増やすようにした。こういう練習は作曲の勉強にもなる。

まあ、プロにはなれないでしょうが、音楽は楽しいし、趣味としては良いのではないでしょうか。

あと、リコーダーのアンサンブルも楽しんでいます。

いつも、音楽の話ばかりで、済みません。







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*****最も綺麗と思う自作曲*****
ジャズに関する本にも書いてない理論の投稿はそろそろ終わりです。まだ、細かいことがありますが、一応一段落ということにします。
ジャズの理論を網羅したシステムはほぼ完成したので、新しい音楽理論の構築や検索に、今後力点を置いていくつもりです。
今日は気分を変えて、今まで自作した中で最も綺麗と思う曲をお送りします。MIDIファイルですので、音質その他には限界がありますが、その点はご了承下さい。下記URLをクリックすれば聴こえます。

自作した中で最も綺麗と思う曲waltz101.mid

お楽しみ下さい。


*****
*****「無からの創造」はあり得ない*****
システム屋にとって重要な情報源は顧客の求めるシステムについて、何を入力して、何を出力するかを明確にした仕様書です。

私はいろいろな分野を渡り歩いて来ましたが、痛感することは、「無からの創造」はあり得ないということです。化学、セラミック、ソフト、音楽など何れの分野でも、人間には、変換、加工しかできないということです。ソフトも入力に対して出力の決まった関数のようなものです。
したがいまして、入力する内容には充分な情報量が含まれている必要があります。私の自動作曲システムも一種の音楽情報検索システムであり、検索方法に規則または制約を持たせたものです。私のシステムが音楽知識の検索システムとしても使える理由です。
人間または人工のシステムにできることは、入力情報を出力に変換することだけです。入力に十分な情報が含まれていればシステムができます。
作編曲も「無からの創造」と捉えるよりも、入力情報を楽曲という出力に変換する行為と捉え、必要な入力情報と変換過程を明らかにすることが重要と思います。
音楽の作編曲などの行為にも、全ての分野に通じる普遍的なものが含まれていると思います。
十二音技法に基づく作曲支援システムの概要
<< 作成日時 : 2009/08/31 18:53 >>

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十二音技法に基づく作曲支援システムを作ってみました。以下が試作曲です。やはり、十二音技法では不安な曲しかできないのでしょうか。ジャズに比べると単純な世界ですが。十二音技法では音程しか考慮しないのでジャズよりも極めて単純なようです。システムを比較してみて下さい。

都会の孤独

比較的短いプログラムなので、全ソースコードを以下に示します。





;;;
;;; c:\\program files\\acl62\\music43.cl
;;;
(defun make-O ()
  (let ((lst '(do +do re +re mi fa 
                 +fa so +so la +la si)))
   (do ((l lst)
      (w))
     ((null l) (reverse w))
     (let ((note
                  (nth (random (length l))
                   l)))
      (push note w)
      (setf l (remove note l))))))

(defun translate-doremi-to-number (doremi)
  (case doremi
    (do 1.0) (+do 1.5) (re 2.0) 
        (+re 2.5) (mi 3.0) (fa 3.5)
        (+fa 4.0) (so 4.5) (+so 5.0)
        (la 5.5) (+la 6.0) (si 6.5)))

(defun confine-a-number-2 (n)
  (cond ((>= n 7.0) (- n 6.0))
     ((<= n 0.5) (+ n 6.0))
     (t n)))

(defun translate-number-to-doremi (n)
  (let ((num (confine-a-number-2 
                 (confine-a-number-2 n))))
   (case num
     (1.0 'do) (1.5 '+do) (2.0 're)
          (2.5 '+re) (3.0 'mi) (3.5 'fa)
          (4.0 '+fa) (4.5 'so) (5.0 '+so)
          (5.5 'la) (6.0 '+la) (6.5 'si))))

(defun up-a-note (doremi n)
  (let* ((num (translate-doremi-to-number
                      doremi))
      (nn (+ num n)))
    (translate-number-to-doremi nn)))

(defun down-a-note (doremi n)
  (let* ((num (translate-doremi-to-number
                       doremi))
      (nn (- num n)))
   (translate-number-to-doremi nn)))

(defun translate-doremi-to-number-from-start
 (start doremi)
 (case start
   (do (case doremi
       (do 1.0)(+do 1.5)(re 2.0)
              (+re 2.5)(mi 3.0)(fa 3.5)
              (+fa 4.0)(so 4.5)(+so 5.0)
              (la 5.5)(+la 6.0)(si 6.5)))
   (+do (case doremi
       (+do 1.0)(re 1.5)(+re 2.0)
              (mi 2.5)(fa 3.0)(+fa 3.5)
              (so 4.0)(+so 4.5)(la 5.0)
              (+la 5.5)(si 6.0)(do 6.5)))
   (re (case doremi
       (re 1.0)(+re 1.5)(mi 2.0)
              (fa 2.5)(+fa 3.0)(so 3.5)
              (+so 4.0)(la 4.5)(+la 5.0)
              (si 5.5)(do 6.0)(+do 6.5)))
   (+re (case doremi
       (+re 1.0)(mi 1.5)(fa 2.0)
              (+fa 2.5)(so 3.0)(+so 3.5)
              (la 4.0)(+la 4.5)(si 5.0)
              (do 5.5)(+do 6.0)(re 6.5)))
   (mi (case doremi
       (mi 1.0)(fa 1.5)(+fa 2.0)
              (so 2.5)(+so 3.0)(la 3.5)
              (+la 4.0)(si 4.5)(do 5.0)
              (+do 5.5)(re 6.0)(+re 6.5)))
   (fa (case doremi
       (fa 1.0)(+fa 1.5)(so 2.0)
              (+so 2.5)(la 3.0)(+la 3.5)
              (si 4.0)(do 4.5)(+do 5.0)
              (re 5.5)(+re 6.0)(mi 6.5)))
   (+fa (case doremi
       (+fa 1.0)(so 1.5)(+so 2.0)
              (la 2.5)(+la 3.0)(si 3.5)
              (do 4.0)(+do 4.5)(re 5.0)
              (+re 5.5)(mi 6.0)(fa 6.5)))
   (so (case doremi
       (so 1.0)(+so 1.5)(la 2.0)
              (+la 2.5)(si 3.0)(do 3.5)
              (+do 4.0)(re 4.5)(+re 5.0)
              (mi 5.5)(fa 6.0)(+fa 6.5)))
   (+so (case doremi
       (+so 1.0)(la 1.5)(+la 2.0)
              (si 2.5)(do 3.0)(+do 3.5)
              (re 4.0)(+re 4.5)(mi 5.0)
              (fa 5.5)(+fa 6.0)(so 6.5)))
   (la (case doremi
       (la 1.0)(+la 1.5)(si 2.0)
              (do 2.5)(+do 3.0)(re 3.5)
              (+re 4.0)(mi 4.5)(fa 5.0)
              (+fa 5.5)(so 6.0)(+so 6.5)))
   (+la (case doremi
       (+la 1.0)(si 1.5)(do 2.0)
              (+do 2.5)(re 3.0)(+re 3.5)
              (mi 4.0)(fa 4.5)(+fa 5.0)
              (so 5.5)(+so 6.0)(la 6.5)))
   (si (case doremi
       (si 1.0)(do 1.5)(+do 2.0)
              (re 2.5)(+re 3.0)(mi 3.5)
              (fa 4.0)(+fa 4.5)(so 5.0)
              (+so 5.5)(la 6.0)(+la 6.5)))))

(defun translate-flat-to-sharp-on-a-note (note)
  (case note
    (do 'do)
    (+do '+do)
    (-re '+do)
    (re 're)
    (+re '+re)
    (-mi '+re)
    (mi 'mi)
    (fa 'fa)
    (+fa '+fa)
    (so 'so)
    (+so '+so)
    (-la '+so)
    (la 'la)
    (+la '+la)
    (-si '+la)
    (si 'si)))

(defun distance-from-n1-to-n2 (n1 n2)
  (let ((nn1 
            (translate-flat-to-sharp-on-a-note
                   n1))
     (nn2
            (translate-flat-to-sharp-on-a-note
                   n2)))
    (let ((num 
              (- (translate-doremi-to-number-from-start
                         nn1
                         nn2)
                 1.0)))
      (list (list nn1 nn2) 
                  (list 'down (- 6.0 num))
                  (list 'up num)))))

(defun make-distance-from-list (lst)
  (do ((ll lst (cdr ll))
     (w))
    ((null (cdr ll)) (reverse w))
    (push (distance-from-n1-to-n2 
                    (first ll)
                    (second ll))
               w)))

(defun get-up-degrees (lst)
  (mapcar #'second (mapcar #'second lst)))

(defun make-I-aux-2 (lst)
  (do ((ll (second lst) (cdr ll))
     (w1 (car lst))
     (w2))
    ((null ll) (reverse w2))
   (setf w1 (up-a-note 
                  (translate-flat-to-sharp-on-a-note w1)
                  (car ll)))
    (push w1 w2)))

(defun make-I-aux-3 (lst)
  (cons (car lst) (make-I-aux-2 lst)))

(defun make-I (lst)
  (let* ((l1 (make-distance-from-list lst))
      (l2 (get-up-degrees l1))
      (l3 (make-I-aux-2 (list (car lst) l2))))
    (cons (car lst) l3)))

(defun make-R (lst) (reverse lst))

(defun make-IR (lst) (reverse (make-I lst)))

;;;
;;; 4種類の音列の生成(十二音技法の基礎)
;;;
(defun make-4-kinds-of-notes-series ()
  (let* ((l1 (make-O))
      (l2 (make-R l1))
      (l3 (make-I l1))
      (l4 (make-IR l1)))
    (format t "~%基本形 O (Original) :~a." l1)
    (format t "~%逆行形 R (Retrograde) :~a." l2)
    (format t "~%反行形 I (Inversion) :~a." l3)
    (format t "~%反行逆行形 IR 
                     (Inversion+Retrogade):~a." l4)))

;;;
;;; c:\\program files\\acl62\\music48.cl
;;;
(defun get-4-kinds-of-note-series ()
  (let* ((l1 (make-O))
      (l2 (make-R l1))
      (l3 (make-I l1))
      (l4 (make-IR l1)))
    (list `(O ,l1) `(R ,l2) `(I ,l3) `(IR ,l4))))

(defun get-note-series (n)
  (let* ((l (get-4-kinds-of-note-series))
      (l1 (list (first l))))
   (do ((nn (1- n) (1- nn))
      (w))
     ((<= nn 0) (append l1 (reverse w)))
    (let ((kind (nth (random 4) '(O R I IR))))
      (push (assoc kind l) w)))))

(defun get-and-squash-note-series (n)
  (let ((l (get-note-series n)))
   (list (mapcar #'first l) 
            (mapcar #'second l))))

(defun get-and-squash-note-series-2 (n)
  (let ((l (get-note-series n)))
   (list (mapcar #'first l)
            (squash (mapcar #'second l)))))

(defun get-2-part-from-list (lst)
  (do ((l lst (cddr l))
     (w))
    ((null l) (reverse w))
   (push (list (first l) (second l)) w)))

(defun get-3-part-from-list (lst)
  (do ((l lst (cdddr l))
     (w))
    ((null l) (reverse w))
   (push (list (first l) (second l) 
                  (third l))
             w)))

(defun get-4-part-from-list (lst)
  (do ((l lst (cddddr l))
     (w))
    ((null l) (reverse w))
    (push (list (first l) (second l) 
                    (third l) (fourth l))
               w)))

(defun get-6-part-from-list (lst)
  (do ((l lst (cddr (cddddr l)))
     (w))
    ((null l) (reverse w))
   (push (list (first l) (second l)
                  (third l) (fourth l)
                  (fifth l) (sixth l))
             w)))

(defun get-part-from-list-at-random (lst)
  (let ((n (random 4)))
   (case n
    (0 (get-2-part-from-list lst))
    (1 (get-3-part-from-list lst))
    (2 (get-4-part-from-list lst))
    (3 lst))))

(defun auto-comp-twelve (n)
  (let* ((l1 (get-note-series n))
      (l2 (mapcar #'first l1))
      (l3 (mapcar #'second l1)))
   (do ((ll1 l2 (cdr ll1))
      (ll2 l3 (cdr ll2))
      (w))
     ((null ll1) (reverse w))
    (let ((l4 (car ll1))
       (l5 (get-part-from-list-at-random
                          (car ll2))))
       (format t "~% ~a : ~a." l4 l5)
       (push (list l4 l5) w)))))


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