完全菜食は、リウマチ患者の心疾患リスクを低下させる
最新疫学研究情報No.49
スウェーデンのカロリンスカ研究所のジョハン・フロステガード教授らによって「完全菜食(*グルテンを除く)は、リウマチ患者の心疾患リスクを低下させる」との報告がなされました。これまでの研究で慢性関節リウマチによる炎症は、動脈硬化を引き起し心疾患リスクを高めることが指摘されてきました。
研究者は、慢性関節リウマチ患者66人を対象に「食事と心疾患の関係」を調査しました。対象者の摂取する食事を「完全菜食(38人)」と「普通の食事(28人)」の2グループに分け、一日の摂取カロリーをほぼ同じ割合にして1年間の比較研究を行いました。その結果、普通の食事のグループと比べ、完全菜食のグループは総コレステロール値・悪玉(LDL)コレステロール値・肥満度(BMI値)の低下が確認され、心疾患のリスクを下げることが明らかになりました。
研究者は、「完全菜食が、リウマチ患者の心疾患を防ぐという大きな証拠を得ることができた。しかし、こうした食事は重要な栄養素(B12など)の不足を招く危険性もある(※1)」と述べています。
※1極端な菜食主義に偏らなければ、B12不足を引き起こすことはありません。
出典
- 『Arthritis Research & Therapy 誌 3月18日号』