甘い飲み物の摂取は、痛風のリスクを高める
最新疫学研究情報No.47
米国とカナダの研究者らによって、「砂糖や果糖の含まれる飲み物の摂取量が多いと、痛風の罹患リスクが高まる」という報告がなされました。この研究の背景には、米国で痛風患者が過去10年間で2倍になり、患者の増加にともないソフトドリンクの消費も増大しているという現状があります。
研究者は、「ドリンク類の摂取量」と「痛風の発症リスク」の関係を調べるために、痛風歴のない46393人の男性(40~75歳)を対象に12年間の追跡調査をしました。被験者の摂取した「砂糖入り清涼飲料」「フルーツジュース」「低カロリーダイエット飲料」のそれぞれの量を調査して、データを比較分析しました(*期間中に755人の被験者が痛風と診断されました)。
調査の結果、「砂糖入り清涼飲料」や「フルーツジュース」の摂取量が多いほど、痛風の発症リスクが高まることが明らかになりました。一方、「低カロリーダイエット飲料」については、痛風との関連性は見られませんでした。この研究を率いたブリティッシュコロンビア大学のHyon K Choi 准教授は、「医師は痛風患者に対し、従来の食事制限に加えて砂糖や果糖を含む飲料の摂取を減らすようにアドバイスすべきである」と述べています。
出典
- 『British Medical Journal Online版 2008年 1月31日号』