運動は、更年期の精神的不安を軽減させる

最新疫学研究情報No.44

米国のフィラデルフィアのテンプル大学の研究チームによって、「運動は、更年期のストレス・うつ・不安を軽減させる」との報告がなされました。

研究チームは、運動が更年期の症状(*ほてり・ストレス・うつ・不安)を減少させるかどうかを調べるために、都会に住む401人の女性(平均年齢42歳)を対象に8年間の追跡調査をしました。ウォーキングを1日15~90分(最高5回)行っていた被験者を、1週間の運動の消費カロリーによって、「1450kcal以上」「1450~644kcal」「644kcal未満」の3グループに分けて比較分析しました。

研究の結果、運動とストレスの関連性が確認されました。閉経後の女性では、運動の消費カロリーの最も多いグループは、最も少ないグループと比べて、更年期のストレス・うつ・不安の症状が改善されることが明らかになりました。一方、運動とほてりとの関連性は見られませんでした。

研究チームのDeborah B. Nelson 教授は、「都会で暮らす女性にとって、運動はストレスの低下を促し、更年期のうつや不安を和らげることに役立つ」と結論づけています。

出典

  • 『Medicine & Science in Sports & Exercise 2008年1月号』
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