妖魔界
40 フェルの両親、エッセルとルティーの馴れ初め
エッセルは、孤児院育ちです。孤児院でエッセルは虐待されて育ちます。そこでエッセルは、貴族から屈辱を受けます。貴族に恨みを持って育ちます。
ジオルク盗賊団の長になったエッセルは、ある町で、貴族の女性がお供をまいて、一人で歩いているのを見つけます。エッセルは貴族全体を恨んでいるんですが、そこは若い男です。彼はその女性ルティーを…。汚れ傷ついたその姿にエッセルは満足して去ります。
でも後から物凄く後悔します。なんせ自分を侮蔑した貴族の中にあの女性はいないのに。ジオルクにもうんとお尻を叩かれました。
数年後。エッセルはあの町に行きました。盗賊団が一休みする為に。昔の心の傷が疼きました。でも、もうあの女性に会う事はないと思いました。
一人の子狐が駆けて来ました。エッセルはその子を抱き上げました。ふわふわの毛並みは丁寧に手入れされ、粗末だけど、可愛らしい靴を穿いていました。母親が追いつきました。息子と同じように粗末な服に身を包んだ…。
「!!!」
あの女性でした。
ルティーは、エッセルの子供を産み、家を追い出されてしまいました。いくら世間知らずの貴族のお嬢様でも、自分が何をされたか知っています。それでもルティーは授かった命に罪はないと生んだのです。
ジオルクは呆然としました。エッセルが言った言葉に。
数年かけてエッセルとルティーは、小さな村を見つけました。孤児院で畑仕事をしていたエッセルは村人になると決めました。
そしてフェルの物語は始まります。
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