壊れたラルスが生きている世界
はじまり
兎の少年ラルスの物語では、ラルスは辺境の小国を襲い、兵士に返り討ちにあって死んでしまいます。これは、そこへ行くのを少し遅らせたお陰で、ほんの少し長生き出来たパラレルワールドのお話です。
「待ってよ。僕、本当にそんなに強いかなあ。」
旅人や小さな町ではなくて、お城の訓練された兵士と戦ってみたいと思ったラルス。でも。「色々遊んではきたけど、僕、訓練も何もしてないし…。今まで死ななかったからって、これからも絶対に死なないわけじゃない…。もう少し、ちゃんと鍛えてから行こうかな。」
壊れてからは気の向くままに生きてきたのに、少しだけ慎重になれたのは、死んだ父を少し思い出したから。死んだラルスは思い出しても気にしなかったが、こっちのラルスは気にした。それが彼の寿命を少し延ばす結果になったのだった。
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