キャラにした兄弟シリーズ

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1 M/m

 1 suの漫画を見て、作ったストーリー



「お兄ちゃん、遅くなっちゃってごめんなさいっ。」
 兄は無言で弟を睨みつけた。両親が死に二人きりで生きていかねばならぬと言うのに、遊びたい盛りの弟は、遊びに夢中になり、すぐに仕事をサボっていた。いつもは叱るだけで済ませるのだが、今度は許さないと告げてあった。
 弟はきつく言われていた事を思い出して、気が重くなる。
「お兄ちゃん……。お仕置きなんて嘘だよね……?」
 声が震えた。期待を抱き兄の顔を凝視する。しかし、兄は彼の腕を引いて側に立たせると、ズボンと下着を一気に下ろした。膝の上に横たえられた弟は、とうとう諦めた。パーン、パン、パーン……。慣れていない兄の叩き方はばらばらで痛かったり、痛くなかったリしたが、弟は泣き出した。
 お尻が真っ赤になるまで叩かれた後、兄がやっと許してくれ、弟は家畜の世話を始めた。兄は黙々と自分の仕事を片付けていく。
「お兄ちゃん、今度からちゃんとするね。」
 弟の言葉に兄はやっと笑顔を見せた。

 

2 家出した弟

 兄に冷たくされても構わずに甘える弟。でも、仕事や弟の世話だけで一日が過ぎてしまい、自分の時間が持てないのをいらついている兄は、役に立たない弟に酷い言葉を投げつけます。傷ついた彼は家を飛び出して、森をさ迷います。
 日が昇ってきて夜になる頃、疲れた彼は眠ってしまいました。目が覚めると、兄に鞭で打たれた傷に手当てがしてあり、一人の旅人が目の前に座っていました。不思議に思いつつも、両親が死んでからは誰にも優しくされた事のない彼は言いました。
「僕を食べるの?」
 旅人は吃驚しました。勿論そんなつもりなら、手当てなんてしません。ただ単なる好意でした。
「見た所、奴隷の印もないようだが……、親はいるのか?」
「いるけど……死んじゃった。」
「どうやって暮らしてる?」
「お兄ちゃんと一緒に動物の世話をするの。ご飯はお兄ちゃんが作ってくれる。」
「その傷について、訊いていいか?」
「僕が悪い子だからぶたれるの。お兄ちゃんがお仕置きだって。……お兄ちゃん……。」
 弟は兄から投げつけられた言葉を思い出して泣き出してしまいました。自分は出来る限り頑張っているつもりなのに、いつも怒られてばかり。今日も一杯怒られてぶたれて…。
 可哀想になった旅人は兄に忠告してやろうと、弟を慰めて、連れて行きました。
 村に着くと、幾人かの男達と一人の青年が辺りを探し回っていました。旅人はホッとしました。少年の兄はやりすぎているかもしれないけれど、弟を嫌っている訳ではないと分かったからです。弟の方もそれに気付いたようで、お礼もそこそこに飛び出していきました。
 弟は嫌と言うほどお尻をぶたれましたが、兄も謝ってくれました。これからはやり方を改めると…。
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