レレスト高校

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  7 理事長は悪魔  

 5時間目は理事長のことが気になって、授業にあまり集中出来なかったが、幸い、当てられることはなかったので、お尻を更に叩かれることはなかった。休み時間、わたしは物思いにふける。
 『理事長は本当に悪魔? ……いや、いや、いつからここは悪魔が実在するファンタジーな世界になったのさ。』
 わたしは首を振って否定する。
 『お尻叩きが当たり前の学校ってだけでも充分ファンタジーだけど、でも、まだここは現実で……。』
「どうしたのさ?」
 ザンが不思議そうな顔で訊いてきた。
「……寮に戻ってからで。」
「ふーん。」
 寮に戻り、制服から私服に着替えた後。「で?」
 わたしは理事長が悪魔かもしれないという話をした。さすがのザンも馬鹿にして笑うのではないかと思ったが、彼女は少し顔をしかめただけだった。
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