魔法界 はみ出し者の村

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4 ソレザとお尻叩き

 ぱんっぱんっぱんっと1秒に2回の早いペースで叩かれるスパ動画を見ると、ゆっくりのよりもテンションが上がってくるが、キーの反応が何も無いと、上がったテンションは落ちる。痛がって足を動かすと、太ももを叩かれたりする演出が入ると、見てる分には、暴れた方が痛そうでいいのにぃと思ったりする。
 実際に叩かれている時は、最初の方は、痛いなぁとか、痛がったりした方がソレザは嬉しいのかなぁとか頭で考えたりしているだけで、体は痛みに反応して少し動くくらいだ。だが、段々と痛みに耐えられなくなり、泣いて暴れ出してしまう。
 ソレザは、暴れても手でお尻を庇っても何も言わないし、太ももや手など叩かない。ただ、強く同じ所を連打してきたりはするので、気にしてないわけではないらしい。口で叱ったり、別の場所を叩くくらいなら、お尻を叩けばいいと思うのだろう。1万回も叩くと言い出す男は、普通と違うようだ。
 お仕置きの時と、特に意味もなく叩く時の違いは、前者は、何も言ってなくても、とても強い力で連打される事が数回あるが、後者は、反抗的な態度や口に出すなどような事をしない限りは、それがない。
 数に関しては、どちらも似たようなものだ。お仕置きの方が多く叩かれる方が心情的にはいいが……。意味がない時は数を決めないで叩かれるので多くなりがちだ。ただ、ソレザはすぐ数を増やしたがるので、反抗的だから200と言って叩き出したのに、追加罰を貰って最終的には500回になったりと、結果的には意味がない時と同じくらいになる事も良く有る。
 大人しく叩かれていないのが悪いと言われそうだ。ただ、お尻叩き好きと言っても、わたしはお仕置きとして叩かれたいので、意味もない時は、どうしても反抗的な態度などを取ってしまうのだ。


 累計千回を達してから、数か月が過ぎていた。今では累計千回の日が当たり前にあるようになった。ソレザは次に1度に千回が当たり前を目指している。そのものは少し前に受けた。気分的には死にそうになったが、喉元過ぎれば熱さを忘れるで、わたしのお尻叩き好きは、何も変わっていなかった。
「初めて聞いた時は、累計千回でもいけるかどうかって思ったのに……。ソレザは真面目だね……。こつこつと目標をこなしていって……。」
「叩くの楽しいから、真面目かって言われると微妙だな。ひろみだって、楽しい事は、いつまでも続けられるだろ。」
「まあ、そうだけど。」
 スパ動画を眺めて、自分もこうされたいという願いは、期待以上に叶った。正直減らして貰いたい気持ちもないではないが、ソレザにお尻を差し出している以上、満足しているのだろう。
 そんな今のわたしにとっての楽しみは魔法だ。ソレザが丁寧に魔法を教えてくれているので、まともに使える魔法が大分増えた。まだ箒で空を飛ぶのは以前と変わっていないが、教えて貰えるのを楽しみにしている。


 わたしは、お尻叩き好きな村長に目をつけられて、何かとお尻を叩かれるようになっていた。それだけではなく、どういうシチュが好きかとか、道具は有りか無しか、理由なき尻叩きを受けているがどうか訊かれたりなどといった、同好の士ならではの会話もする。ソレザが加わったりもするが、彼は実践がお好みなので、大抵は村長妻と一緒に、マニアに戸惑う一般人の顔をしている。それか、二人で雑談をしながら、お茶を飲んでいたりするのだ。
 村長に叩かれた後は、ベンチが空いていれば300叩きのち家で200。空いていなければ、家で500叩きだ。
 
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