小説版 師匠と弟子2部

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  2 可愛くて巨乳の弟子  

 10年程が過ぎた。クロートゥルは再び、大魔法使いとして名が知られるようになっていた。勇者はまだ子供だが、魔王の方はそれなりに強くなり、魔物の被害なども耳にするようになってきていた。クロートゥルへの依頼も、やっかいな魔物の退治などが増えてきた。
 そして……。クロートゥルを追い出した、かつての故郷からも依頼が届くようになった。故郷からの依頼は、何を置いても優先して片付けた。それで罪滅ぼしになるのかは分からなかったが、気持ちは大分楽になった。
 それはともかく……。
「神からの使命が来ない……。うーん。だったら、嫁さんが弟子でも探すか……。」
 『今から嫁を貰っても、師匠には見せられないけどさ……。』
 暫く俯いていたが、頭をふって気持ちを切り替える。クロートゥルは顔を上げると、魔力感知をする。
「えっと……。大魔法使いになれるだけの才能の持ち主は……。5人か。2人が子供。残り3人は……。爺さんと青年と若い娘……。若い娘にアタックして無理だったら、青年か、二人の子供が育つのを待とう。」
 クロートゥルはふうっと息を吐く。「このねーちゃん、可愛い上に胸がでかい。側に置いときたいが、襲わないで済ませる自信がない……。弟子にしない方がいいんじゃ……。でも、男とか嫌だなぁ。」
 まだ弟子になってくれるかも分からないのに、クロートゥルは呻いた。
 暫く悩んでから、彼女が弟子になってくれる保証がないと気付いたクロートゥルは、自分の煩悩に笑いながら、彼女のことをこっそり調べてみることにした。エイラルソスが、自分を調べていたと知った時、少し気味悪く感じたことを思い出す。
 『でも、弟子に相応しいか知りたいしな……。師匠もそんな気持ちだったのかな。』
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