南の島へ!小笠原訪問記(05/02/21-28)

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 東京都の南の果て、小笠原諸島の父島と母島に行ってきました。船の上を含めて7泊8日の旅を写真日記にまとめてみましたので、もしよろしければご覧ください。

 小笠原ということで、本当ならマリンブルーの海と紺碧の空、緑のジャングル、鯨やイルカ、メグロやヒメツバキ、グリーンぺぺやオカヤドカリ・・・
・・・などの自然をお見せできると良いのですが、自分はどちらかというと人工物のほうに興味があるため、人工物が中心の写真日記となっております。どうかご了承のほど!

 いよいよ待ちに待った小笠原へ出発!といっても、今回乗る船は
「おがさわら丸」ではなくこの「共勝丸」。時刻表にも載ってない
ちょっとした「裏航路」です。
 東京の月島埠頭から月3往復くらい、おが丸の倍くらい(天気が
悪い時にはもっと長く)の時間をかけて父島・母島へ向かいます。
東京〜父島18,000円、父島〜母島が2,000円なので
おが丸よりも安め。しかも父島に到着するまでの食事付き!
 正式名称は「第二十八共勝丸」です。
 埠頭では荷物の積み込み作業の真最中。食料品、建築資材、車など
色々な物が搭載されていきます。
 ちなみに、おがさわら丸にも父島向けの荷物(食料品、宅配便など)
は搭載されるので、共勝丸には日持ちのするものや燃料等の危険物、
その他時間がかかっても良いものなどが載せられるようです。また
小笠原で出る廃棄物を東京に運んでくるのも共勝丸の大きな仕事です。
 廃棄物を運ぶ船であることのしるし。
 昼前に荷物の積み込みを終えて、いよいよ船が動き出しました。
波静かな東京湾をゆーっくりと進んでいきます。
 デッキから上を見上げた図。信号旗はこれから台場10号地埠頭へ
向かうことを表しています。雲も出ていますが天気は悪くなさそうです。
 台場へ再び接岸。船に備え付けのクレーンを使って、ガソリンや
軽油などの危険物が手際よく積み込まれていきます。
一番手前に車が映っている部分が荷物を収容する場所。積み終わったら
「ガラガラ〜」と大きな音を立てて鉄板が横滑りして蓋がされます。
 共勝丸の定員は9名(定員一杯になることは無いそうですが)。
法律によると旅客定員13名未満の船は「貨物船」という扱いになる
そうです。

 部屋は4人部屋が2つと個室が1つ。テレビや冷蔵庫、そして
一人一つのベッドもあって船上生活は快適そのもの、ただし船酔いさえ
しなければの話ですが・・・

 今回の航海では乗客は自分を含めて二人、ということで4人部屋を
二人で使わせて頂きました。

 船は台場を出発して東京湾をさらに南下。そろそろ夕暮れも近く
なってきました。湾内は波も穏やかです。
 この日は館山港にも寄港して、空ケースを4つほど搭載しました。
館山港では海一面に広がる鳥の群れも共勝丸をお見送り。いよいよ
内地とはしばらくお別れです。
 初日の夕食はまぐろの刺身、おでん、さんまの焼き物。
ご飯はお代わり自由、ということで調子に乗ってたくさん食べてたら
しばらくしてから気持ちが悪くなってきて・・・というわけで
このあたりから船酔いとの長い戦いが始まっていきました(^^;;
 食事の後はもう立ち上がることもできず、すぐにベッドに横になって
そのままおやすみモード。
 朝になりました。もう東京湾を遠く離れて八丈島のあたりを航行中。
海は写真の通りけっこうシケてます。船長さんに言わせれば「大した
ことないよ」ということですが、波の高いところを通過するたびに船が
大きく揺れてもうゲロゲロ。そんなこんなで頑張って撮った一枚でした。
 朝食は目玉焼き、シシャモ、納豆など。美味しそうなんだけどなにしろ
船酔いが・・・

 テーブルには滑り止めの青いシートが敷かれています。この上に食器を
載せないと、船が揺れるたびにお皿があっちこっちに滑っていくのだ

 昼食はカレーと野菜たっぷりサラダ。本当はカレー大好きなんですが
この時ばかりはそれどころではなく、なかなかスプーンが進みません
でした。しかも結局最後はトイレに駆け込んでしまって・・・コック長さん
申し訳ありませんでした。
 船員さんに一声かければ、操舵室にも自由に入らせてもらうことが
できます。今回の航海では何度となく操舵室にお邪魔して、窓からの景色を
眺めたり現在位置を確認したりしていました。運がよければ鯨なども
見えますよ〜!
 この衛星電話も操舵室の一角にあります。ただしクレジットカード専用。
 これは船の現在位置をGPSで知らせてくれる機械たちです。「今は
鳥島に近付いているなあ」とか一目でわかる優れモノ。

 いつもは伊豆諸島の島々の近くを航行するそうですが、今回の航海では
波の関係でかなり東寄りのコースを取ったため残念ながら途中の島々を
見ることはできませんでした。(ちなみに自分が乗った便の次の便では
低気圧を避けるために、八丈島の南にある鳥島(無人島)の島影で一晩
停泊したそうです)

 何だかんだ言ってこの日はほとんどベッドに横になって過ごしてました。
立ち上がるとすぐに酔っちゃうので・・・。でも夕方になるとやっと
波が収まってきてちょっと気分も良くなりました。
 そんな中、遠くに船を発見!360度見渡す限り海という状況で船に
出会うとなんだか嬉しくなります。
 夕食はさんまの煮物となめろう、麻婆豆腐。やっと心から食事が楽しめ
そうです。

 食事は客室向かいの食堂で、船員さんが食べ終わった後にいただきます。
船員さんがまだ食堂にいらっしゃることも多く、色々なお話を聞かせて
頂いたり。船員さんは石巻出身ということで会話は東北弁が飛び交いますが、
自分たちと話す時には気を遣って標準語で話してくださいました。

 食堂にはお客さん用の雑記帳や、共勝丸が紹介された雑誌やHPの
コピーなどが置かれていました。去年のBEPAL5,6月号もちゃんと
置かれています。

 二日目も静かに暮れてゆきます。航海は順調、明日の昼頃には父島に
到着できそうです。
 よくある感じのショット。横向いてたら衝突するよ!

(ちなみに普段の航海では、入出航の時以外は舵につきっきりということは
まずないみたいです。)

 ブリッジから窓の外を見据える津田船長の姿は非常に様になっています。
共勝丸には船長さんを含めて7名の船員さんが乗り込んでいます。

 奥に映っておられるのがもう一人の乗客の木藤さん。東海道五十三次を
東京から歩くという大計画を実行中で、今回はそのトレーニングのために、
親族の方がおられる母島にしばらく滞在されるとの事です。木藤さんの
息子さんは今話題の欽ちゃん球団(ゴールデンゴールズ)で練習に励んで
おられるのだとか。テレビの中だけの話かと思っていましたが、案外身近な
所でそういった話題が出てきてちょっとびっくりしました(^^)
 木藤さんは以前にも共勝丸に乗られたことがあるということで、船酔いなんて
何のそのといったご様子。結局この航海で船酔いしたのは自分だけでした・・・

 夜が明けて3日目の朝食。パンだってちゃんと出てきますよー。ジャムの
種類も充実しています。
 朝食の後、機関室を見学させていただきました。ギィーンと大きな音を
たてている機械たち。
 ようやく島影が見えてきました。父島より50kmほど北側にある聟島列島。
ここまで来ると目指す父島もあと少しです。

 2月はクジラが小笠原にやってくるシーズン、ということで船からも
クジラが潮を吹いたり体を浮かべたりしているのを見ることができました。
(ちょっと遠くてカメラには到底納められませんでした・・・)

 3日目の昼食。共勝丸で頂く最後の食事もボリュームたっぷり。3日間
美味しい食事をありがとうございました。
 いよいよ父島が近くなってきました。
 スピードを下げて、浅瀬を避けながらゆっくりと港に近付いていきます。
 集落もかなり大きく見えてきました。
 埠頭にゆーっくりと近付いていって・・・
 午後1時35分、月島から49時間半の長旅を経て父島に降り立ちました。
自分が今小笠原の地に立っているという実感がまだよく湧いてきません。
そして全身にはまだ揺れの感覚が残っている感じ・・・

 でも間違いなく、ここは小笠原!

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