一周年記念で、夜遊廃園様へ。これの文字入れVer.を送らせて頂きました。
ここで出している手帳は、実はお互いのものです。敢えて自分のではなく、相手のポケット
から引っ張り出している設定です。

雪緒様から、SS頂いてしまいました(嬉)。
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「な、何だっ、てめぇら!?」

 逃げて来た男の問いかけに、立ち塞がった2人が互いに顔を見合わせる。
 姿形はまるでヤクザのような細身の男が、軽く肩を竦めて相手の懐から何か
を取り出してみせた。

「このお方をどなたと心得る! 港署は捜査課の夜の帝王、ダンディ鷹山さま
だぞ。図が高い、控えおろう!!」

 信じられないことに、取り出されたものは警察手帳だ。印籠よろしく取り出
した手帳を掲げた細身の男に、紹介された男が苦笑して、やはり相手の懐から
手帳を取り出す。

「こちらは、港署は捜査課一のダンサー、セクシー大下。以後、見知りおけ
・・・っても、いかにも物覚え悪そうな顔してるからな、無理か」

 軽口を叩きながらも、滲み出る気迫はそこらのチンピラの比ではなかった。
 その2人の口元が、軽い笑いへと形を変える。

「ま、大人しく観念しろって」
「どうせ、逃げられやしない」

 横道に逃げようと思えば逃げられたのかもしれない。だが、完全に2人の気
迫に飲まれた男は、そのまま地面にへたり込んでしまった。

                             了
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