Xライダー(完結)

 

 「ふふふ、どうかね我が分身達の愛撫は?天国と地獄を同時に味わいながら、くた

ばるがいい!」

 股間を埋め尽くしても、尚沸き出してくる小蜘蛛達は、遂に行き場を失いスーツの

破れ目に侵入し、Xライダーの全身へと広がる。内股、脇腹、ヘソ回り等、敏感な箇

所を這い回る小蜘蛛達。

 「ひぃっ!・・くっぅぅぅぅ〜!・・あっあぁぁ!!」

 胸に到達した小蜘蛛に、堅くしこった乳首に鋭い牙を突き立てられ、Xライダーは

体をピクつかせ熱い喘ぎを放った。

 本来ならば指一本で軽く捻り潰せるであろう、矮小な小虫にすら抵抗の手段を持た

ぬXライダー。全身に広がった小蜘蛛たちは、硬派を貫き女を知らぬまま改造人間と

なった敬介を、更なる快楽地獄へと突き落とす。

 少しでも気を抜けばたちまち絶頂を迎えそうになり、Xライダーは歯を食いしばり

必死に耐えるしかない。

「そろそろ無駄な抵抗は止めたらどうかね?本能の赴くまま、快楽に身を委ねるのだ。

そうすれば、お前はこの苦しみから逃れることが出来るのだぞ……永遠にな。くはは

ははっ!」

「お・・・俺は、最後まで諦めないぞ!この世界をお前達の好きになどさせるものか!」

 一度は死を覚悟したXライダーであったが、自分が死ねばこの世界は悪の組織GO

Dに対抗する手段を、永遠に失うことになる。それが判っていて、『死』という安息

へ逃げることが出来る敬介ではなかった。

 生命力の大半を失った今でも、父と自分自信の仇であるGODへの憎悪と、何より

も平和を愛する正義の心は失っていないのだった。

「ふんっ、ならばその苦しみを、長引かせてやるまでよ」

 口から新たに紅い糸を吐き出すクモナポレオン。吐き出された糸を手に取ると、剥

き出しになっているXライダーの勃起の根元を、きつく結わえ始める。

「くぅっ!」

 完全勃起し、ガチガチに堅くなった肉棒を締め上げられ、Xライダーは苦痛の呻き

を上げた。

「これで貴様はイキたくてもイクことはできん。このようにな!」

 クモナポレオンは自分の口から伸び、Xライダーの肉棒全体に幾重にも絡みついて

いる、他の白い糸の束に指をかけると、まるで弦楽器の弦を爪弾くように弾いた。

 ビィィィ〜ン!と音を立て振動する糸。甘美な旋律は糸を伝い、そのままダイレク

トにライダーの股間を直撃する。

「うっ!うわぁぁぁぁぁ〜!!」

 小蜘蛛達の執拗な愛撫によって、限界近くまで登り詰めていたXライダーは、決意

も空しく絶頂を迎える。

 だが、肉棒に食い込む程に、きつく結ばれた紅い糸によって、射精はせき止められ

てしまう。行き場を失った迸りは、正義の戦士に堪え難い苦痛を与えつつ、睾丸へと

逆流していく。

 そして、振動の衝撃に驚いた小蜘蛛の群れが、動きを更に活性化させ、Xライダー

の苦しみに追い討ちをかけるのだった。

 極限まで鋭敏になった性器に、びっしりと張り付いた数百匹の毒虫たちの、八本の

脚と2本の牙が容赦なく襲い掛かる。

「ぐあぁぁぁぁぁぁ〜!!!」

 至高の快楽と極限の苦痛を同時に味わい、絶叫するXライダー。四肢を痙攣させ、

体を仰け反らせながら、激しく悶える。

「ふはははっ、どうあがいた所で貴様は『死』という運命からは逃れられんのだ。素

直に忠告を聞けば良いものを……。まあ良いわ、貴様の始末は我が分身たちに任せ、

俺様はこれで失礼させてもらうぞ」

 クモナポレオンは自分の口から伸びた糸の束を千切り取り、Xライダーに背を向ける。

「ど、どこへ行くつもりだ、クモナポレオンッ!?」 

 小蜘蛛たちに全身を蹂躙され、未だ地獄の苦しみを受け続けているXライダーは、

朦朧とした意識の中にあったが、怪人の取った意外な行動に驚きを隠せない。

 僅かに残された気力と体力を振り絞り、頭を上げ、クモナポレオンに向かって叫ぶ。

「ふっ、知れたこと。RS装置の設計図を奪いに行くのよ。貴様の最後を見届けられ

ないのは心残りだが、俺様もそれほど暇ではないのでな。貴様の最後の搾りカスのよ

うなエネルギーは、可愛い小蜘蛛たちのエサにしてやるさ。ウハハハハッ!」

「なっ、何ぃぃっ!そんなことはさせないぞっ!」

 そのまま立ち去ろうとするクモナポレオンに対し、力の限り絶叫するXライダー。

だが、クモナポレオンは振り向きもせず、そのままゆっくりとXライダーから離れていく。

「もう負け犬の相手は飽きたのだよ、Xライダー。それに、いったい今の貴様に何が

出来ると言うのだ。苦しみと陵辱に耐える意外にはあるまい?最後のエネルギーが尽

きるまで、精々耐え続けるがいい。

 そうそう、その紅い糸には特殊な細工が施してあってな、月の光を浴びると消滅す

るのだ。この意味が判るかね?クククッ、このまま放置しても衰弱死するであろう貴

様は、日が沈み、月が出るまでの間、もがき苦しみ続けるのだ!」

「なっ!?くぅっ、クッソ〜!」

 クモナポレオンの施した辛辣な細工に、怒りを露にするXライダーであったが、既

に体力は限界まで達しており、声を張り上げるのもやっとである。

 立ち去ろうとするクモナポレオンを睨みつける為、持ち上げていた頭も、そのまま

力無く地面へと堕ちていく。

「ううっ・・・」

 天空を見上げるXライダーから漏れる絶望の呻き……。

 仮面の下の敬介の眼に写ったのは、真上から燦々と照りつける太陽であった。

 (日が沈み、月が出るまで、あと6時間以上もある・・・このまま捨て置かれ、6

時間以上に渡って、この地獄の拷問を受け続けなくてはならないのか。そして、その

先に待ち受けてているのは、確実な死・・・・)

 激しい絶望と恐怖に言葉を失うXライダー。徐々に遠のいていく、クモナポレオン

の足音を聞きながら、為す術も無い。

「くぅっ、ま・・・待て、クモナポレオン・・・貴様っ、あっ、くぅっ、ぐわぁぁぁぁ!」

 怒りの雄叫びを上げるXライダーだったが、小蜘蛛たちの動きが再び活性化し、呪

いの言葉も喘ぎに変わってしまう。

 一匹の小蜘蛛が蟻の戸渡りを伝たい、肛門に到達すると、牙と前足を使って、肉の

蕾みを激しく突つき回す。生まれて初めて受ける裏門への甘美な刺激に、Xライダー

は腰を痙攣させ「ハァハァ」と荒い息をつく。

 また、肉棒の頂点に張り付いた小蜘蛛が、八本の脚を器用に使って尿道口をこじ開

けると、体を強引に尿道内に侵入させる。

「ああっ!?ひっ、ひぃぃぃぃ〜!!」

 痛みと快感が入り交じった強烈な刺激に、再び絶頂を迎えるが、当然紅い糸が射精

を許さない。Xライダーは口から泡を吹き、激しく悶えることしかできないのであった。

 

「ふふふ・・・長い一日になりそうだな、Xライダーよ・・・」

 Xライダーの快楽の喘ぎと苦痛の呻きを背後に聞き、ゆっくりと歩みを進めるクモ

ナポレオンは、振り向きもせずに一人つぶやいた。