ユニレンジャーV3(3B)

 

怪光線の直撃を受け気を失い、無惨に撃墜されたユニイエローは

海面めがけて真っ逆さまに落下していった。

サブーン。

水しぶきを上げて、海面に叩きつけられるユニイエロー。

生身の人間なら、即死は免れないところだ。

だが、彼のユニが衝撃から身体を守った。

海面に激突したショックで意識も戻る。

しかし、安心してはいられなかった。

上空には、インベダ星人の戦闘艇が一機、ユニイエローを追撃してきたからである。

「くそー、いったんは退却だな」

海面から飛び立つユニイエロー。

だが、それが裏目に出た。

空に飛び上がった事で、戦闘艇に発見されてしまう事になったのだ。

インベダ星人の戦闘艇は、スピードを上げて追ってくる。

怪光線にいたぶられ、海面に叩きつけられたユニイエローには、

戦闘艇と戦う力はなかった。

いや、戦闘艇から逃れる力も十分とは言えない。

戦闘艇は少しずつユニイエローとの距離を縮めてくる。

 

その時、逃げるユニイエローの前方に陸地が見えた。

海岸のすぐ近くには林も見える。

「ヨシ。あそこに逃げ込もう」

ユニイエローは最後の力を振り絞り、飛行速度を上げた。

わずかに戦闘艇を引き離したが、戦闘艇は怪光線を発射してきた。

怪光線を避ける為には、直進するのは危険すぎる。

ユニイエローは高度を変え、左右に方向を変えながら、

怪光線の攻撃をかわして林を目指した。

「もう少しだ」

海岸線が間近に見えた。

しかし、安心するには早すぎた。

怪光線がユニイエローの背後から襲いかかったのだ。

「うわぁっ!!」

またも怪光線の洗礼を受けたユニイエローだが、

不幸中の幸いだったのは、背後から攻撃を受けたことだ。

怪光線のエネルギーが、ユニイエローを前に押し出すように働き、

ユニイエローはその力を借りる形で、林の中に逃げ延びる事に成功した。

しかも、木の枝がクッションの役目をして、林の中に吹き飛ばされたユニイエローが

地面に激突するような事もなかった。

ユニイエローにとっては、かなりの幸運である。

 

たが、ユニイエローとて無傷ではない。

すでにエネルギーの大半は使い果たした状況だ。

目を空に向けると、インベダ星人の戦闘艇が着陸態勢に入っている。

さっきの海岸に着陸して、ユニイエローをさらに追撃するつもりなのだろう。

もし、インベダ星人に見つかったら・・。

今のユニイエローには戦う力は残ってはいない。

「グググ。見ろ、木の枝が折れてるぞ。

 奴め、この近くに落下したはずだ」

インベダ星人の声が近くに迫ってきた。