「何をするつもりだ、メデューサ。

 シオンは死んだ。全ては終わったんだ」

RYOはメデューサに歩み寄った。

「何をするかって?。

 決まっているではないか。ミサイルを発射するのだよ。

 来るべき永遠の平和の為にな」

「人を殺しても、真の平和は来ない。

 それはメデューサ、お前が一番よく分かっているはずだ。

 娘さんの死がお前に平和をもたらしたのか。

 お前がやろうとしている事は、娘さんを人質に取ったゲリラや、

 構わずに銃撃した政府軍と同じ事だ。

 彼らもまた、平和や正義を信じて戦ったのだろう。

 だが、罪もない第三者を犠牲にして成り立つ平和など、

 所詮、いつかは崩れ去るものだ」

「何を言うか。

 お前達自身、戦争という歴史的教訓の上に成り立った平和の上に

 安住しているではないか。

 そもそも、人の命が尊いなどというのは、お前が先進国で育ったお坊ちゃんだからだ。

 私の生まれた国では、人の命など消耗品に過ぎんのだよ」

「しかし・・」

RYOはなおも言葉を続けようとしたが、メデューサは虎仮面に話を振った。