野球戦士・真樹(4)
真樹は降りしきる雨の中、マウンドの上で大の字になっていた。
泥まみれにされたユニフォームのズボンは脱がされ、
無防備な下半身を晒している。
勃起した包茎のチンポだけが、存在感を示していた。
「フフフ。威勢の良かったのは最初だけ。
野球戦士も情けないものだねぇ」
櫻井がスニーカーで、勃起した真樹のチンポを踏みつける。
「あぁっ」
真樹の端正な顔が屈辱にゆがむ。
「ははは。感じてるのかい、真樹君」
櫻井は、真樹のチンポを踏みつける足に、さらに力を加えた。
真樹のチンポが泥にまみれていく。
真樹は無抵抗のまま、チンポを足蹴にされる屈辱に耐えている。
いや、その屈辱に酔っていた。
「おらっ、野球戦士!
今、自分の大事なとこがどうなってんのか、よう見てみい!」
戦闘員が泥に汚れた真樹の神を鷲掴みにすると、真樹の上半身を起こした。
目の前で、チンポが踏みにじられている。
ふと横を見ると、自分の穿いていたズボンが、水たまりの中で雨に打たれていた。
それは、1時間前までは純白だった事が想像できないほど泥にまみれ、
すでに雑巾の値打ちすら失っていた。
「素直に僕の申し出を受け入れていれば良いものを・・」
「全くっすね。
身の程知らずやから、こんな目に遭わされるんす」
「ほんまになぁ。こんな姿、こいつの後輩にも見せてやりたいで。
どない思うやろなぁ」
戦闘員も、なすすべなくチンポを踏みにじられる真樹に罵声を浴びせる。
後輩に・・見られる・・惨めな姿を・・。
真樹は心の中でつぶやいた。
「どうっす。こいつのチン毛、剃っちまいましょうや」
「おぉっ。それ、えぇやん」
「パイパンエースのパイパン戦士の誕生やな」
戦闘員の一人が言い出した事に、他の戦闘員も乗ってくる。
チン毛を・・剃られる・・。
真樹はその言葉を、遠くの方で聞いたような気がした。
しかし・・。
チン毛を剃られる。
「や、やめろ!」
「えっ?」
突然の真樹の言葉に、真樹を取り囲んでいた面々に緊張が走った。
櫻井も、真樹のチンポから足を離す。
散々にいたぶられ、抵抗する気力すら失っていたとばかり思っていた矢先に、
真樹が大声を張り上げたのである。
戦闘再開かと思ったのだ。
「やめてくれ」
だが、真樹は叫ぶだけで、身体を動かそうとはしない。
「や、やめてくれ。何でも言う事をきくから」
今度は真樹の言葉に、周囲が拍子抜けした。
「う、嘘じゃないだろうね?」
櫻井も半信半疑だ。
「本当だ。だから、もうやめてくれ」
今はやめてくれ。
最後は心の叫びだった。
真樹は下半身丸出しのまま、マウンドで櫻井の前に土下座した。
真樹がエースとして幾多の強打者をねじ伏せたマウンド。
そこで、野球戦士でもある真樹が、悪の前にひれ伏し、惨めな命乞いをしているのだ。
だが、相手が屈服したと分かるや、戦闘員達は容赦がない。
「オラオラ、ちゃんと今までの無礼をお詫びせんかい!!」
戦闘員が、むき出しにされたままの真樹の尻を蹴り上げる。
「あぁっ」
尻を蹴られ、無様にも泥の中に顔を突っ込んでしまう真樹。
顔を上げ、泥を拭う間もなく、別の戦闘員が真樹の後頭部を踏みつけた。
「頭が高い、控えおろう」
水戸黄門の真似をした、くだらないギャグに笑い転げる戦闘員。
「おい。もう、その辺で良いだろう」
櫻井が戦闘員を制止した。
真樹が屈服したとなれば、品性のない戦闘員などと行動を共にするのは
櫻井のプライドが許さないのだ。
「顔を上げさせろ。これでは話もできない」
櫻井に命じられ、真樹の顔を泥の中に踏みつけていた戦闘員が足を上げる。
泥まみれにされた真樹の無惨な顔が泥の中から現れる。
「それで顔を拭いてやれ。
真樹君も泥だらけでは、しゃべれないだろう」
櫻井が持ってこさせたのは、泥水に浸かっていた真樹のズボンだ。
今では、雑巾としても使えそうにない代物である。
それでも、真樹は顔を拭う。
真樹を取り囲んだ戦闘員から、また嘲笑が起きた。