野球戦士・真樹(14)

 

マウンドの上で、タグを付けられた包茎チンポを曝して立ちつくす真樹。

スタンドでは、真樹の有罪・無罪を決める投票が始められていた。

 

これから俺はどうなるんだ。

このまま、なすすべなく有罪の評決を受け、今以上のいたぶりを受ける事になるのか。

俺は・・それで良いのか??

 

そんな真樹の想いにかかわらず、スタンドではそれぞれの高校の生徒会役員が、

観衆一人一人にマイクを向けている。

「有罪」

「有罪」

「有罪」

観客の声があがる度に、スコアボードの電光掲示板には、

真樹を有罪とする数が刻まれていった。

 

ダメだ。

このままでは、この町は悪に乗っ取られてしまう。

俺は戦わなければならない。

 

「無罪」

観衆がどよめいた。

「えっ?何て言いました?」

生徒会の役員が聞き直している。

だがマイクを向けられた女子高生は、気丈に答えた。

「真樹君は無罪です。

 だって、真樹君は正義の為に戦ってるヒーローでしょ。

 それが、処刑されて良いはずないじゃないですか」

 

そうだ。

俺は正義のヒーローなんだ。

それが、こんなところでやられて良いはずがない。

 

それを機に、無罪を答える者が次々に現れた。

ついに、有罪の得票数を上回っていく。

 

いいぞ。

俺にもう一度、チャンスをくれ。

俺に戦わせてくれ!

 

真樹の想いがスタンドを動かしつつあるかに見えた。

だが、束の間の喜びは一人の老人によって破られてしまう。

「有罪!!

 真樹が裁かれているのは、今日の試合についてだ。

 過去は関係ない!!

 相手投手に死球を投じ、窮地に立てば敬遠で逃げるなど、

 真の英雄のする事ではないわ!!」

いかにも頑固親父らしい純日本語の言葉に、形勢は再び有罪に傾いた。

あっという間に有罪が無罪を逆転する。

そして、その流れが止まる事はなかった。

 

真樹の有罪が決まる。

「それでは、これより松浦真樹の処刑を開始します」

明峰の生徒会長がメタルフレームの眼鏡を気にしながら、

もう一度マイクを握る。

 

何をされるんだ、俺は?!

 

「それでは、まず真樹の剃毛を始めます。

 係員は真樹のズボンを脱がしてください」

 

な、なに!!

神聖なマウンドでチン毛を剃られるのか!!

 

狼狽する真樹に、ショッカーの戦闘員が群がってきた。

「な、何だ。こいつら、ショッカーじゃないか!」

必死に叫ぶ真樹だが、もはや観衆はそんな事を意に介していない。

「や、やめろ。放せ!!」

真樹の抵抗も、後ろ手に縛られたままでは力が出せない。

あっという間に押さえつけられ、ベルトが外される。

「やめろ、やめろと言っているんだ」

なおも抵抗を続ける真樹に、ベルトを奪った戦闘員が、

それを鞭のように振り下ろす。

ピシッ!!

「うわっ」

背中を打ち据えられる真樹。

「大人しくしないと、今度はここだ!!」

ピシッ!!

今度はチンポを狙われた。

「うわぁぁぁ」

丸出しのチンポを自分のベルトで鞭打たれる。

さすがの真樹も、これには怯んだ。

戦闘員はその機を逃さず、真樹をマウンド上に押さえ込んだ。

マウンドの上で仰向けに押さえつけられた真樹から、

ズボンが剥ぎ取られる。

「カメラさん、もっと寄って。

 この格好をもっと撮してやってよ。

 野球戦士・真樹がマウンドでストリップをするんだからさ」

戦闘員に促され、カメラマンが真樹をアップでとらえる。

苦痛と屈辱に満ちた真樹の顔が、カメラを通してバックスクリーンに映し出された。