(9c)
セブン:・・・・・?!・・・・・・・・
ど、どういう・・・・・・・
ヒッポリト星人:だから言ったでしょう?
これから始まるのだとね
セブン:い、いったい・・・・・何が起こって・・・・・
液体に変えられたセブンの意識は完全なまま残っていた。
体を溶かされている、もしくは分解されていると考えていたセブンには、
完全に液体に変えられた段階で死んだのも同じだと思っていた。
そう、無言になったところで、自分の意識はなくなるものだと考えていたのだ。
ヒッポリト星人:あなたを使った実験はこれからですよ、セブン
セブン:・・・実験?!
ヒッポリト星人:あなた達は何度言えばわかるんですか?
モルモットだと言ったでしょう?
呆れた顔をしながらセブンだったものが入ってるカプセルに近づき、
ガラスのビンに入れられた液体を注ぎいれた。
液体に変わったセブンはヒッポリト星人の前では、薬品と同様なものであった。
セブン:・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・・
な、何を・・・した・・・・・?
ヒッポリト星人:あなた達を興奮させる薬を注ぎました。
どうです?液体の体でも気持ちいいですか?
セブン:・・・・くっ・・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・
薬に反応し、うっすら紅い液体が光を帯びている。
ヒッポリト星人:なるほど、そんな体でも興奮すると変化があるんですね、
これは予想外でした。
くくくくく・・・・・
セブン:・・・・・(なんて、惨めな・・・・・・)・・・・・・・
ヒッポリト星人:さぁ、次の段階に移りますよ
ヒッポリト星人は再び機械を操作し、カプセルに細工を施した。
液体が溜まるカプセルの底の中心に小さい穴が開き、実験処理されたモルモットは
ずるずると音を立てて回収され始めた。
あの立派な体を維持していた時には足さえも入らない、そんな小さな穴に体を流し込まれる屈辱に、
今となっては流れない涙を心の中で流していた。
シュゥゥゥゥゥゥゥ カチッ
悲しみにくれている間に体は全て回収されつくし、カプセルの底の穴は塞がっていた。
カプセルの底から回収されたモルモットは管を通り次の容器に移された。
セブン:・・・?!・・・・・
管の中を通っているセブンが見た、次なる容器は体をスキャンされた後に作られた
セブンのブロンズ像だった。額のビームランプ部分に開いた穴に管がつながっていた。
ガスが晴れ、現れた自分を模したブロンズ像に、まさか本物が、
それも液体として流し込まれるとは思いもしなかった。
カチッ
容器に注がれ終わり、管が外された。
カプセルの時とは違い、ブロンズ像の中は暗く何も見えなかった。
体を再構成され、超能力も使えないセブンには暗いところに放り込まれた今となっては、
成されるがままだった。過去の戦いでヒッポリト星人に敗北し、
ブロンズ像にされた時とは違って体の感覚はあるが、しかし全くもって動けない・・・
いや、動かないのではなく動くという感覚がないのだ。流し込まれたセブンにとっては
体がブロンズにされたのとの違いもわからなかった。
ジョボジョボジョボジョボ
セブン:・・・くっ・・・・・はぁ・・・・・な、何を・・・・・・・
ヒッポリト星人:これで最後の薬です
セブン:・・・・?!な、何を・・・・・し・・・・た・・・・・
ヒッポリト星人:あなたが興奮状態にあるとエネルギーを性エネルギーとして変換する、
そういう作用がありますよ
セブン:・・・・なっ・・・・それじゃあ・・・・
ヒッポリト星人:気がつきましたか?あなたは常にエネルギーを
私に供給することになりますね
セブン:きょ・・・供給・・・・?
どういう・・・・・こ・・・・・・・・
ヒッポリト星人:ほら、早速効果が現れましたね
声が途絶えたセブンは、加えられた薬の作用で興奮していた体から
エネルギーの転換が始まったのだ。光の国の戦士に利用できない性エネルギーに転換される、
それはつまり体から命の源である光エネルギーを抜き取られているのと同じものだった。
エネルギーの転換を確認したヒッポリト星人は、最後の器であるブロンズ像の
開かれた股間部にチューブがつながったゴム製のビキニを装着した。
装着するや否や、チューブの中をエネルギーが通り装置に集められだした。
セブン:・・・・(お、終われる・・・・これで・・・・)
どんな敵にも怯まず、屈せずに地球を守ってきた。
ガッツ星人に負け、捕らえられた時も屈することはなかった。
しかし、今回は違った。
体すらも維持できず、敵からされる拷問ともとれる実験に抵抗することも出来ず、なされるがまま。
痛めつけられるのならまだしも、性に関する攻撃を与え続けられ、
ついにはエネルギーを搾り取られた。
ここで自分の命が終われることを絶望ではなく、光の国の戦士としてはあるまじきことだが、
その死すらも喜んでしまったのだ。
しかし、この目の前の執行者はセブンが考えるほど優しくはなかった。
エネルギーの搾取が始まりヒッポリト星人が装置の計器を確認した頃に、天井から光が注ぎだした。
注がれた光はブロンズ像のプロテクターに当たりプロテクターが輝きだした。
セブン:・・・・・うぅ・・・・・・
ど、どうして・・・・・
ヒッポリト星人:あなたが死なないように太陽光線と同じ組成の光を
プロテクターに当ててあげましたよ
セブン:・・・・・・・・・
ヒッポリト星人:だらだらエネルギーが抜かれるだけだとつまらないでしょうから、
細工をしてあげましたよ
セブン:・・・・この上・・・・な、何を・・・・・・・
ヒッポリト星人:太陽光で復活したあと、死なない程度の栄養と共に
時間が経つと分解される興奮剤を加えました
セブン:・・・・そ、それでは・・・・
ヒッポリト星人:そう、加えられた興奮剤で興奮する、エネルギーを抜き出される、
太陽光で回復する。
永遠に終わらないループです
何を施したのかを冷たく言い放ち、実験部屋から出て行くヒッポリト星人。
残されたブロンズ像からは喘ぎ苦しむセブンの声、
そして抜き出されたエネルギーが出てくるのみ。
そして声が消えると光が注がれ、再び声が・・・・・
未来永劫続く地獄にセブンは苦しみ続けるしかなかった、
開放される時間など来ることはないのだ。