(8a)
ゾフィー:ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・
あ、熱いっ!
し、死んでしまう・・・・
ぐわぁぁぁぁ・・・・・
ヒッポリト星人:楽しそうですね、ゾフィー、苦しいですか?
ゾフィー:ど、どういう・・・・ことだ・・・
くっ・・・・ぐぅ・・・・・・
ヒッポリト星人:あなたの魂をリンクさせたのです。
あの偽者が炭になろうともあなたの体は無事です。
体はね・・・・
くくく・・・・・
自分の身に起きていることがどういうことなのか理解した頃には
偽者は完全に黒こげになり燃え尽きていた。
仁王立ちの姿勢から崩れ落ち床に粉々になった体が散らばっていた。
操作盤を操作し、床が割れ、偽者の体は床下に落ちていった。
ヒッポリト星人:どうだね?モルモットという意味、立場が理解できたかい?ゾフィーよ
ゾフィー:・・はぁ・・・・はぁはぁ・・・・・・
ヒッポリト星人:これで終わったと思ってるなら間違いだ、次の実験に移ろうか・・・・
ゾフィー:つ、次?!・・・・くっ・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・・
息も絶え絶えなモルモットにお構いなく、再び悪魔の操作盤は軽やかに動かされ始めた。
偽者が炭にされた、中央部分に煙の充満したカプセルが現れ、
中の煙が晴れるとあの偽者が立っていた。
カプセルの中で疲弊しているゾフィーとは違い、目の光も、カラータイマーも何もかもが
新しいままだった。
こうなると、どちらが本物であるかはいよいよわからないレベルだった。
ゾフィー:・・な、何を・・・・・・
ヒッポリト星人:熱かったんだろう?冷やしてやるよ・・・・
くくくくく・・・・・
悪魔の操作盤が軽やかに音を立てると、マネキンの立つカプセルの天井から
ゆっくり、ゆっくりと白い煙が降りてきた。
そのガスの正体は問いただすまでもなくどういう効果があるのかはわかった。
ゾフィー:・・・さ、寒い・・・・・こ、凍え・・そうだ・・・・・・
ヒッポリト星人:涼しいだろう?
喜びたまえ
偽者はそのガスを浴び、体の表面に霜を付着させるが寒さがわからないかの様に
仁王立ちを崩さなかった。
しかし、霜こそついてないが、モルモットはガタガタと振るえ、
カプセルの床に自分の体を抱きしめ身を小さくしようとしていた。
ヒッポリト星人:無駄ですよ、ゾフィー。
あなたの体は冷やされていないのだから・・・・・
ゾフィー:・・・う、うるさい・・・・・・・くっ・・・・・
ガスは容赦なく降り注ぎ、偽者を足の先まで白く包んだ。
そして、それだけに飽き足らず体に氷柱を作るまでにカプセルの中の温度は低下した。
光の国の戦士と言えども体の芯まで凍りついているほどの時間が経過した。
ヒッポリト星人:知っていますか?
過去にウルトラマンレオが体を冷凍されバラバラにされたことがあるんです・・・・・
ゾフィー:・・・・・ま、まさ・・か・・・・・・・・
ヒッポリト星人:体験したいでしょう?
くくくくく・・・・
再び、機械の悪魔が微笑むとカプセルの中の冷凍されたマネキンに向け
ノコギリが先についたアームが伸び、偽者の体を刻み始めた。
レーザーや剣ではなく、レオが過去にブラック指令とブニョから施されたのと同じように
徐々に体を刻まれていった。
ゾフィー:ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・
や、やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ・・・・・
ヒッポリト星人:愉快、愉快・・・・
刻む速度はゆっくりではあったが、偽者の体をバラバラにし、
床の下に消し去るのにはさほど時間は必要なかった。
炭にされた一つ目の体と同じで冷凍され、バラバラになった二つ目の体も
床の下にゴミの様に処理された。
ヒッポリト星人:そうそう、あなたに聞いておかねばならないことがあったんです
ゾフィー:・・・・はぁ・・・はぁ・・・・・・俺は・・・何も教えない・・・・
ヒッポリト星人:大丈夫です、あなたの口から聞こうとは思っていないですから・・・・
ゾフィー:ど、どういう・・・・?!・・・
な、何だ・・・・これは・・・・・
意味深なヒッポリト星人の台詞が終わるとゾフィーを閉じ込めるカプセルに異変が生じた。
中にゾフィーを封印したままカプセルがサイズを小さくし始めた。
しかし、ゾフィーを圧迫死させる目的かと思いきや、予想外な動きを見せた。
カプセルの壁を押し返そうと触れた手をカプセルの素材が包み込み始めた。
手の輪郭に合わせて体にフィットしたガラスケースが出来ていく瞬間の様だった。
予想外な動きを示したのは壁だけではなかった。
カプセルの天井が下りてきて、機械の装着されている部分がゾフィーの頭部に触れると
構成を組み替えヘッドギアの様に変形した。瞬く間に変形を終え、
迫り来る壁を押し戻そうとした姿勢のままガラス人形にされてしまった。
ゾフィー:こ、これは・・・・どういうことだ・・・・・
ヒッポリト星人:あなたの思考回路を掌握し、知りたい情報を全て回収します。
ゾフィー:なっ・・・・・・・・
ヒッポリト星人:そして、私からのプレゼントです。
このヘッドギアを通した体感するダメージなどを何倍にも増幅させます。
ゾフィー:・・・ぐっ・・・・・
ヒッポリト星人:さぁ、次の実験をしましょうか、ゾフィー
ガラス人形に微笑みかけると、手際よく三体目の偽者を登場させた。
そして、毒々しい溶解液を浴びせかけた。触れた部分から白い煙が発生し、
皮膚を強烈に犯していった。
ゾフィー:ぐわぁぁぁぁぁぁぁ・・・・
か、体が・・・・と、溶ける・・・・・・・・
ヒッポリト星人:おやおや、愉快ですねぇ
溶けゆく偽者の苦しみを増幅され、もだえる隙間もないゾフィーを見つめ、
思考回路の掌握を始めた。
ゾフィー:・・・・あぁ・・・・・・・・っすけて・・・・た・・て・・・・・・・・・
ヒッポリト星人:ヘッドギア、喜んでくれたんですねぇ、ゾフィー
カプセルの中で皮膚を犯されつくした偽者は床が割れ、再び床下に消えていった。
悪魔の操作盤を叩くと部屋のドアが開き、兄弟達を捕らえたヒッポリト星人の部下が
数人入ってきた。
ヒッポリト星人:好きなだけ実験をするがいい、モルモット君に感謝してな
部下:ありがとうございます
ゾフィー:も、もう・・・・ころ・・てくれ・・・・・・・
ヒッポリト星人:君も一生、ここで実験に従事してもらうよ、
では、次の仕事があるのでね・・・・・
懇願するゾフィーを後にヒッポリト星人は部屋を出て行った。
後を任された部下達は様々な実験をしていった。
ブロンズ像になるのにかかる時間。冷凍した体を打ち砕くのに必要な力。
エネルギーを抜き取りきるのにかかる時間。
モルモットとなったゾフィーに遠慮などなく次々に実験という名の拷問を行っていった。体をブロンズにされる感覚も、
瞬間冷凍された体を打ち砕かれる感覚も、カラータイマーからエネルギーを抜き取られる感覚も全てが増幅されゾフィーを襲った。
苦しみがゾフィーを襲うたびに思考回路を支配され、光の国の機密情報を回収されていった。