(7c)
地球を守護していたメビウスがやられ、偽のウルトラサインでおびき出されたAが罠にかけられた。
そして、過去の敗北と同様に惨めなブロンズ像に姿を変えられてしまった。
その毒牙はウルトラ兄弟全員に向けられ、偽のウルトラサインで集められた兄弟達は
まんまとカプセルに閉じ込められヒッポリト星人の本拠地へと転送されてしまった。
セブンが転送されたのは、部屋中機械だらけの部屋だった。
まるで、宇宙船の様な雰囲気の部屋であった。
相変わらずカプセルは壊れる気配がない。
脱出は出来ない状態が続いていた。
ヒッポリト星人:無駄だよ、セブン。
そのカプセルは過去の君達でも破壊出来なかったんだ。
今はさらに強化されているんだ。
セブン:くっ・・・殺すなら、いっそ、殺すがいい!
どうしてこんなまどろっこしいことをするんだ!
ヒッポリト星人:君達は、どうしてそう生きるか死ぬかなんだい?
セブン:どういう意味だ?解放でもするっていうのか?
ヒッポリト星人:いえいえ、言ったはずですよ、あなた達はモルモットだと
セブン:くっ・・・・・
ヒッポリト星人は捕らえた光の国の紅き戦士をモルモットだと称し、
怪しげな機械の側に歩み寄った。
地球でいうところのパソコンのようなそれを慣れた手つきで操作した。
ウィィィィィン ウィィィィィィン
激しい音を立てて壁から出るレーザーでカプセルの中のモルモットの体をスキャンし始めた。
そのレーザーは言葉の通り、体の隅々まで余すところなく調べつくしていた。
セブン:うっ・・・な、なんだ・・・・何をしている?
ヒッポリト星人:あなたの体をスキャンしたんですよ
セブン:一体、何のために?
ヒッポリト星人:・・・・ふぅ、このためですよ
ヒッポリト星人がセブンに指し示した場所にはカプセルが現れ、
中はあの忌々しいヒッポリトタールとガスで充満していた。
セブン:ま、まさか・・・兄弟の誰かが・・・
ヒッポリト星人:いえいえ・・・いや、まぁ兄弟の誰かと言えば誰かですがね・・・
くくくく・・・・
ヒッポリト星人の不適な笑みのフェードアウトに合わせる様にガスが晴れた。
その中にいたのは見間違うことのない、ウルトラセブンそのものだった。
汚く深緑色に染まったその体は、膝を地面につき、股間部を晒すように足を開いている。
両腕は地面についた両足を掴むように後ろにそらせ、
天に胸を張った状態で顔も天を仰いでいる。
しかし、ウルトラ戦士、そうAやメビウス、レオに80などが施された
ブロンズコーティングと異なる部分があるのだ。
それは、セブンの肩から胸板にかけてあるプロテクターはブロンズになっていないのだ。
それに、額にあるビームランプに穴が開いているのだ。おそらくは人形なんであろうが、
自分自身のブロンズ像を見ているにも関わらず、本物であると錯覚してしまうほどに
精巧な作りであった。
セブン:・・・いったい、何の悪ふざけだ・・・?
ヒッポリト星人:おやおや、ふざけてなんかいませんよ?
いずれ、必要になるものですから
セブン:ど、どういうことだ!偽者でも光の国に送り込もうっていうのか!
ヒッポリト星人:そんなつまらないことはしませんよ、
あなた達がいるんですから人質はたくさんいます
セブン:なら、それは一体・・・・・・
ヒッポリト星人:すぐにわかりますよ