人質(12)

 

「バカなっ! レオパルドンは俺以外には操縦できないはずだ!!」

スパイダーマンは、自分にしか操縦することが出来ないはずのレオパルドンが

街を襲う光景を唖然としてただ見つめていた。

 

(スパイダー星人の血を引くのは俺だけだ。

 俺以外がレオパルドンを操縦するなど不可能なはず・・・

 だが、奴はスパイダーブレスレットも使いこなしている。

 一体どうなっているんだ?)

ヒーローの心に疑問が次々に湧き起こった。

 

「これも全て君のおかげだよ、スパイダーマン」

勝ち誇るモンスター教授。

「どういう事だ!?」 

驚愕と困惑の表情を浮かべるスパイダーマン。

それに答えるように、モンスター教授が言葉を続けた。

それは、スパイダーマンにとって、屈辱に塗れた驚くべき内容だった。

 

「君の精液からスパイダーエキスを抽出したのだ」

「なんだとっ!!」

思わず驚きの声を上げてしまうスパイダーマン。

 

拓也の脳裏に、ガリアと巡り会った時の光景が蘇った。

暗い洞窟の中、瀕死の重傷を負った拓也にスパイダーブレスレットを嵌めるガリア。

この時ブレスレットから注入されたスパイダーエキスによって、

山城拓也はスパイダー星人の血を引くスパイダーマンとなり、

ガリアの遺した全てを受け継いだのだった。

今なお拓也のパワーの源となっているスパイダーエキスが、

精液の中に高濃度で含まれ、射精と共に体外へと放たれることを知らされ愕然とする。

 

「スパイダーエキスさえあれば、レオパルドンを操ることも、

 スパイダーブレスレットを自在に使うことも出来るのだ!」

モンスター教授の勝ち誇ったような言葉が続いた。

憤怒と驚愕に、スパイダーマンは全身から力が抜けていくのを感じた。

(くそ・・ 俺は・・・

 奴らにスパイダーエキスを提供してしまったのか・・)

快感を堪えられずに射精してしまった事が、

ヒーローの心を重く押し潰さんばかりにのしかかっていた。

 

「スパイダーネット!」

モンスター教授の腕から射ち出された白く粘つくクモの糸が

スパイダーマンの逞しい肉体に絡み付き、

ヒーローは大の字の姿で壁に固定されてしまった。

全身に力を込めて四肢を動かそうとするが、伸縮性の高いネットに動きを吸収され、

全く歯が立たない。

(くそっ 体の自由がきかないっ)

それどころか、身を動かすたびにネットは身体に密着し、一層きつく絡みついていく。

身体に絡む純白のネットは、

コスチュームの下のはち切れんばかりに盛り上がる肉体にきつく食い込み、

上腕二頭筋、大胸筋、腹直筋といった筋肉それぞれの隆起を強調し、

股間の膨らみをも淫らに際立たせていた。

 

「どうかね? 自分のネットに捕らえられた気分は?」

勝利に酔うモンスター教授の言葉が、

屈辱に沈むスパイダーマンの理性を貫き、蹂躙した。

 

「さっさと殺せ! もう・・俺の全てを手に入れたはずだ」

全てを奪われ、絶望の縁に追いやられたスパイダーマンは、

自暴自棄な言葉を口にしてしまうのだった。

「フッフッフ

 君には、奴隷として、

 まだ鉄十字団に奉仕してもらわなくてはならんのだ!」

嘲笑的な笑みを浮かべるモンスター教授。

(くっ これ以上何を・・・)

スパイダーネットで雁字搦めに囚われた逞しい肉体を揺り動かすスパイダーマン。

 

モニターの映像が切り替わり、

再びスパイダーマンが苦痛に喘ぎ敗北する姿が大写しになった。

ネットによって自由を束縛されたスパイダーマンの脳裏に、

自らの屈辱的な姿に興奮し手淫してしまった悪夢のような情景が蘇った。

しかし、それを否定する気持ちとは裏腹に、映し出されたその映像に欲情し、

再度勃起し始めてしまうスパイダーマンだった。

(ま、まただ・・・

 くそっ 俺はどうしてしまったんだ・・・)

 

「ワッハッハッ 自分が苦痛に喘ぐ姿を余程気に入ったようだな?」

屈辱的な言葉で、ヒーローの精神を陵辱しながら、

スパイダーネットを更に重ねて射出するモンスター教授。

赤と青のコスチュームに包まれた肉体は、一段と強く白い蜘蛛の糸で締め上げられる。

「くっ あぁっ あぁぁぁ〜〜〜!」

モニターに映った自らが苦悶の表情を浮かべながら喘ぐ姿を目の当たりにし、

更に、自らの武器で捕らえられてしまった屈辱的な状況に、

股間から突き上げる興奮の刺激が追い打ちをかけて快感をもたらしていた。

 

「ぉあ・あっ う・・あぁぁ・・・」

快感とも苦痛ともつかない喘ぎ声を上げるスパイダーマン。

「どうだ? 苦しいか? いや、気持ちいいだろう?

 我々は君を、苦痛や屈辱を快感として感じる様に調教したのだよ。

 自分の武器であるスパイダーネットに囚われるという屈辱は

 さぞや快感だろう?」

モンスター教授の言葉がスパイダーマンを打ちのめす。

(な、なにをっ!)

反抗の言葉を口に出そうとするが、モンスター教授の言う通り、

体に食い込むスパイダーネットは、苦痛であると同時に興奮を誘っていた。

自分がもがき苦しむ姿を欲情の対象とするイメージを植え付けられ、

実際に肉体的な苦痛に襲われた今、条件反射がそうさせているのだった。

正義のヒーロー、スパイダーマンは、モンスター教授の仕掛けた罠に落ち、

苦痛すら快楽に感じるように調教されてしまったのだ。

 

自信に満ちた態度で語るモンスター教授。

「残念なことに、君の精液から抽出したスパイダーエキスでは

 一時的な効果しか得られないのだよ。

 これからレオパルドンで地球を征服するまでの間、

 君には精液を提供し続けてもらわなくてはならんのだ!」

「何だとっ!」

(レオパルドンを操縦するために、俺をもっと射精させるというのか・・・)

本来はスパイダーマン以外に操縦することが出来ないはずのレオパルドンを

操るのに必要なスパイダーエキス、その原料となる精液を、

人質を取られ自慰行為を強要されたとはいえ、快感と引き替えに提供してしまったのだ。

そして、またもや自らの精液を狙われていることに唖然とするスパイダーマン。

 

「ワハハハッ 君は快感と引き替えに、我々にスパイダーエキスを差し出すのだ!

 手始めに、東京全域を破壊し尽くす量をいただくとしよう」

モンスター教授が言い放った。

(くっ くそぉっ 

 こ、これ以上、奴らにレオパルドンを使わせる訳にはいかない・・・)

鉄十字団の目的を知らされ、抵抗を試みるスパイダーマン。

だが、そんな決意とは裏腹に、もがけばもがくほどネットが筋肉に食い込み、

植え付けられた欲望が快感を揺さぶるのだった。

いきり立つ肉棒はみるみる限界まで昇り詰め、

スパイダーマンの青い股間には先走りの染みが広がっていた。

先程の催眠状態での暗示による自慰行為が、

潜在意識下でスパイダーマンの体に反応を起こしているのだった。

 

(あっ あぁ・・・ だっ だめだ・・・お、抑え・られない・・)

既に極限まで膨張し、コスチュームを破りそうな程に隆起した肉棒は、

抑圧された欲望の解放を求め、青い股間でひたすら継続して突き上げていた。

回復した体力が精力として股間に漲っていく。

青いコスチュームの膨らみに、じっとりとした先走りの染みが更に広がった。

 

「ハッハッハ もう限界かね?」

「なにを・・ お前の・・思い通りに・など・・・

 あ・あぁ・・・」

沸々と湧き上がる快感と必死で戦うスパイダーマンだったが、

自らの武器であるネットに捕らえられて身動きが出来ない屈辱と、

全身にきつく絡みつく苦痛が呼び起こした性的興奮と欲望によって

快楽の渦に飲み込まれてしまった。

抵抗しようとするヒーローの理性とは裏腹に、

雄の本能が、鉄十字団に植え付けられた暗示に反応して猛り狂っていた。

鍛え上げられた逞しい肉体でもがく度に、

苦痛を快感として貪る肉棒からは、堪えきれずに先走りを漏らし続けた。

 

「よかろう、欲望に身を任せ、自ら精を放つがよい!」

そう言い放ったモンスター教授は、スパイダーマンを拘束するネットを切り裂き始めた。

拘束を解かれたスパイダーマンは、

目の前に立ちはだかるモンスター教授に立ち向かおうとするが、

体の芯から込み上げる欲望の疼きには抵抗することができなかった。

 

敵の首領に掴みかかろうと差し出された両手は、そのまま股間へと向かい、

自ら興奮に脈打つ肉棒を掴むと、揉み、扱き、愛撫していた。

(くぁぁっ かっ からだが、また・・勝手に・・・)

「どうした? スパイダーマン!

 目の前にいるこの儂が憎くないのかな?

 倒すのなら、今をおいて他にないのだぞ!」

欲望の虜となったスパイダーマンを嘲り、屈辱的な言葉で弄ぶモンスター教授。

父親の仇であるモンスター教授を目の前にしながらも、

条件反射の呪縛に囚われるスパイダーマンは、

ただ屈辱の彼方に追いやられ、ひたすらに欲望を貪り、

自ら勃起した股間を弄ぶ事しか出来なかった。

(くそっ 俺は、俺は・・・)

ヒーローの理性が敵との戦いを命じるものの、肉体は欲望によって支配されていた。

鉄十字団の首領の目の前にしながらも、

鍛えられた逞しい肉体を淫靡な欲望に悶えさせることしか出来ない屈辱に、

どうすることも出来なかった。

青く濡れそぼった股間で先走りを滴らせながら蠢く巨大な肉棒を

撫で扱き上げるスパイダーマン。

 

「ワッハッハ 敵の首領であるこの儂を前にして、

 自ら進んで手淫するとは、大したヒーローだな? スパイダーマン」

モンスター教授の嘲りを耳にしても、スパイダーマンにはどうすることも出来なかった。

ヒーローの理性は既に肉体の制御を失っていた。

 

(くそぉ・・・ どうして・・

 ぅ・・ぁ・・・ 気持ち・イイ・・・)

片手で先走りを滴らせながらヒクつく肉棒を扱き、

もう一方の手では大きく張り出した大胸筋に付き出した乳首を弄ぶ。

全身の筋肉が鎧の様に隆起する肉体を震わせながら快感を貪るスパイダーマン。

襲い来る快感の抑制は、

完全に鉄十字団の罠に落ちた今のスパイダーマンには不可能だった。

綺麗に割れた腹直筋が収縮し、それに合わせるかの様に

薄いコスチューム越しにクッキリと浮かんだ勃起した肉棒がビクビクと蠢いた。

(あ、あぁっ イク・・・・)

「あぁっ!! くっ! はぁぁっ おあぁあっ!!」

ドボォッ ドビュウッ ドッビュウウッ

潜在意識に刷り込まれた欲望の虜となり、自らの屈辱的な状況に欲情し再び精を放った。

回復した体力だったが、その体力すら再び射精のために費やされてしまったのだ。

ドロリとした精液がスパイダーマンの青い太股を伝って流れ落ちた。

 

「スパイダーマン、

 君の超人的な体力回復能力なら、地球征服まで精が枯れることはない。

 たっぷり搾り取らせてもらおう。

 君も存分に快感を味わいたまえ!」

モンスター教授が、哀れな欲望の奴隷と化したヒーローに更なる射精を命じるのだった。

その言葉に従うかのように、

疲労と快感に意識が曇ったスパイダーマンは逞しい肉体で自慰をし続けた。

 

スパイダーマンがドクドクと白濁した精液を吹き上げる度に、

街一つが破壊されるのに必要なエキスが放出されてしまうのだ。

(くそぉっ 奴らに・・・

 これ以上・・スパイダーエキスを・・・やる訳には・・・・)

僅かに残ったヒーローの理性が欲望を堪えようとする。

だが、逞しい肉体の中央でいきり立つ肉棒は、

射精すればする程いっそう勢いを増し、刺激を求め、解放を求めて猛り狂った。

快感を求める欲求に突き動かされ、理性とは裏腹に、

股間を弄び、竿を扱き続けるスパイダーマンだった。

 

「ワハハハハッ スパイダーマン、君はもう肉欲の虜なのだ。

 快楽に溺れ射精すればする程、レオパルドンが都市を破壊することができる。

 奴隷として、鉄十字団のためにスパイダーエキスをたっぷり含んだ精液を

 射精し続けるがいい!」

スパイダーマンの痴態を嘲笑うようなモンスター教授の声が響く。

 

快感に溺れる自らが放出する白濁液に含まれるスパイダーエキスによって、

レオパルドンが都市を破壊することは、スパイダーマンは十分に理解していた。

だが、それらを全て承知しつつも、快楽の虜となり、

欲望に導かれるまま己の肉棒を扱き、射精し続けてしまうスパイダーマンだった。

(だっ だめだ・・・

 も、もう・・ おっ 俺には・・ と・・止められない・・・

 うあ・ああ・・ イ、イイ・・・)

「おああぁぁぁ・・あぁぁぁあああぁっ あぁぁっっぁぁああぁぁっ!!!」

自らの欲望にのみ従うスパイダーマンは、快楽に塗れた喘ぎ声を上げ続けた。

その度ごとに、聳り立った肉棒からドクドクと白く濁る精液を迸らせた。

 

「フハハハハハハッ」

正義のヒーロー、スパイダーマンのパワーの全てを手に入れ、調教し、

鉄十字団の奴隷にまで堕とし、

射精によってスパイダーエキスを放出させる作戦が成功を収め、

勝利を確信したモンスター教授の高らかな笑い声が基地中に響き渡った。

 

 

 

(了)

 

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(後記)

 

「人質」のテーマは「じわじわとパワーを奪われて敗北」でした。

人質を助けるために、ヒーローが自ら武器を差し出すってのも大好き!

こーゆーヤラレのシチュエーションが一番萌えますね〜(笑)。

強かったヒーローが徐々に弱くなっていく過程って、ゾクゾクするんですよねぇ。

 

この「人質」は、YSPに最初に投稿した「屈辱」とだいたい同じ時期に書いてました。

ってことは、もう1年以上前。。。 筆が遅いよ>自分

でも、いったん『出来上がった』と思っても、

しばらく時間が経ってから読み直すと修正したくなるんですよねぇ。

 

実は、同じ時期に書き始めたストーリーがもう一個あるんですけど、

まだ出来上がってません(苦笑)。

いつかYSPに投稿したいです。

 

あ、「じわじわとパワーを奪われる」には元ネタがあります。

スカイライダーの第47話です。ビデオ出てます。

お薦めです!

 

2004年8月19日 たかひろ