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神話の時代から続く戦い、アテナの元に集いハーデスと戦った聖闘士。
多くの犠牲を払いながらも星矢達5人の聖闘士の力で長き戦いはアテナ軍の勝利に終わった。
地球に平和が訪れ、アテナをはじめとする星矢達、聖闘士にも平穏が訪れた・・・
はずだった。
アテナの命令で聖闘士は世界各地、担当の地域の平和を守ることを仰せつかり、
再会を誓い世界に散っていった。
この時、アテナでさえも聖闘士に魔の手が迫っていようとは思っていなかった。
いや、生まれ持っての感で気がついていたかもしれないが、
ハーデスを倒した彼らならば勝てない相手はいない、
そう油断をしていたのかもしれなかった。
太平洋上に突如として現れた謎の島。島のほとんどが遺跡で占められており、
謎の島というよりは謎の遺跡と表現するほうが正しいのかもしれない。
世界に残された幾つかの神話の本に度々出てくる暗黒の遺跡ルルイエ、
それこそが今、太平洋上に現れた遺跡そのものだった。
アテナ:一輝よ、守護地域はスチール聖闘士でカバーさせます。
あの遺跡・・どうも嫌な予感がしますので、調べてきてもらえますか・・?
一輝:ちょうどよかった・・・
刺激のない平和維持よりも怪しい遺跡探索の方がよかったのでね
アテナ:油断してはいけませんよ・・・あれは
一輝:ルルイエってんだろう?
わかっている、俺は負けないさ・・じゃあな
アテナ:・・・一輝・・・・・・・・・
アテナの心配をよそに、日本を飛び立ち、単身ルルイエに降り立つ一輝。
飛行機が空中を旋回し離れた直後、ルルイエを漆黒の雲が包み込み始めた。
ルルイエに立つ一輝には、周辺全体の天気が悪くなったのだろう、くらいにしか思わなかったが、
飛行機で一輝を送り届けたアテナの御つきの者は驚きを隠せなかった。
その漆黒の雲はルルイエだけを取り囲みドーム状に包んでいるのである。
今や、ルルイエのある島の形すらわからなくなっているために、再着陸は不可能となっていた。
操縦者は緊急事態を伝えるために日本に急いだ・・・
しかし、ルルイエに降り立った時から一輝の運命は決まっていたのかもしれない。