Day Control


13話


 ジャックを助けるためモルモットにまで身を落とし、ようやく最愛の弟と再会できたセブン。

 しかし、冷酷にも廃人にする!という処刑を宣告され、着々と体が壊され始めたのだ。

 ナックルの命令でジャックの手がセブンの体に伸び、ジャックが密かにセブンを守ろうとしたその時!


ジャック「塗り終わり・・?!・・ぐっ・・な、何をっ・・・」

ナックル星人「一番塗らないといけない場所・・・塗りませんでしたね?」

ジャック「・・・・・げほっ・・げほっ・・・・」

ナックル星人「自分で出来ないのならわたしが処刑します・・・見ていなさい・・・」

ジャック「げほげほ・・・な、何を・・・するんです・・・」


ナックル星人「あなたが招いた事態・・・しっかりと見ていなさい!」

 ナックルがボタンを押すとセブンを拘束している処刑台が起動し、

股間に巨大な液体金属が覆いかぶさり、そしてモルモットスーツに2本の電気プラグが装着された。

 ジャックの想像した最悪の光景が今、始まろうとしていたのだ。

ジャック「や、やめてくれぇぇぇっ・・げぇぇっ・・げほっ・・・」

セブン「・・?!・・がっ・・ぐわぁぁぁぁぁ・・・ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ・・」

ナックル星人「さぁ・・・セブン・・・あなたの最期です・・・・」

ジャック「んんっ・・・セブン・・・がふっ・・・兄さん・・・・」

 両手足が密着しており、イモムシの様にしか動けないジャックだったが、

目の前で死に掛けているセブンに寄らずにはいられず、這って処刑台に近寄るのだった。

 その間も股間の液体金属が強力なバイブになり股間に振動を与え、

そして電極から伝わるパルスで全身に微電流が注がれ体中で快楽の波が起こり、

かろうじて残っていたセブンの意識を破壊しつつあった。

セブン「ジ・・ジャック・・おわっ・・・んんっ・・・

     す・・すま・・んぐわぁぁぁぁぁぁぁぁっ・・・はぁ・・はぁ・・・

     すまな・・・い・・・」

ジャック「げほっ・・げほげほ・・・セブン・・兄さん・・・ごめんなさい・・ぼ、ぼくのせいで・・・」

セブン「ぐわぁぁぁぁぁぁぁっ・・そ、そんなこと・・?!・・

     ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ・・・・・・・・・・・・・・・・」

ジャック「セ・・・セブン・・・兄さん・・?」

ナックル星人「ボリューム最大はさすがに耐えられなかったみたいですね」

ジャック「・・・・・・・・」

ナックル星人「セブン処刑完了です・・・

        このあとは、その精のタンクとなった体を有効利用させてもらいます」

ジャック「そ、そんな・・・・」

ナックル星人「さぁ、セブンとの約束を果たすときですね・・・」

ジャック「約束?」


ナックル星人「あなたを光の国に引き渡します」

ジャック「・・?!・・・」

ナックル星人「セブンは自らの命と引き換えにジャックの解放を要求して捕らえられたのですよ」

ジャック「そ、そんな・・・・」


ナックル星人「ただ・・・残念なお知らせがあります・・・」

ジャック「残念な・・・お知らせ?」


ナックル星人「先ほどの処刑シーン・・・光の国を含む全宇宙に放映しておきました」

ジャック「・・・?!・・な、なん・・だって・・・・」


ナックル星人「セブンを処刑したことで光の国はあなたを投獄することを決めたそうですよ」

ジャック「・・・・そ、そんな・・・・・・」


 うなだれ、動かなくなったセブンを見つめるジャックを見つめるナックル星人。

 平静を装ってはいるものの、内心、計画が完璧に遂行された喜びで飛び上がるほどだった。

 自分が投獄覚悟で光の国に戻れば・・・セブンを助けられるかもしれない・・・。

 一瞬、そう考えたジャックを止めたものがあった。

 それは、拷問で植えつけられた「見捨てられた」というイメージ。

 たとえ、自分が光の国に戻ったとしても話を聞いてはもらえないかもしれない。

また別な宇宙人に売られるのがオチかもしれない。

 そう考えるとセブンを助け出すための手段として正しいとは思えなかった。

 ならば・・・・

ナックル星人「さぁ・・・どうしますか?」

ジャック「も、もし・・・・セブンを助けてくれと言ったら・・・・」


ナックル星人「そうですねぇ・・・・せっかく手に入れたモルモットが・・・」

ジャック「な、なります・・・なりますから・・・・・セブンだけは・・・」

ナックル星人「モルモットがどういう扱いを受けるのか知らないわけではないでしょう?」

ジャック「奴隷のわたしには・・・もうこれしか助ける術が・・・・ない・・・」

ナックル星人「わかりました、それではあなたをモルモットにする代わりに

        セブンを光の国に転送しましょう」

ジャック「・・・?!・・・あ、ありがとう・・・ございます・・・ナックル様」

 ジャックの申し出を快諾したナックルは動かぬセブンの体に手を翳し怪しい光で包み込むと、

瞬時に空間転送を行った。

 ついさっきまでそこにいた抜け殻の様になった兄の体はもうなかった。

 そして・・・

ポンっ!ベチョォォォォォォォォォ・・・ヌラァァァァァァァァァァ・・・ピチッ!

 黒い球体をジャックに投げつけると、体にぶつかるや否や、

中の液体が漏れ出しジャックの体を包み込んだのだ。

 拘束具やビキニは素通りし顔以外を全て黒い忌まわしいスーツに封印された。

ジャック「こ、これは・・・」

ナックル星人「よく、似合いますよ・・・・モルモットスーツです。」

ジャック「(兄さんが着させられていたものと同じ・・・・)」

ナックル星人「さぁ・・・来なさい・・・あなたの最期の場所に行きますよ」

ジャック「は、はい・・・ナックル様・・・・・」

 ナックルの後を着いて歩くジャックの姿は奴隷になったときよりも絶望感に満ち溢れ、

全身が黒い今、ただの死刑囚にしか見えないほどだった。

 とぼとぼと自由の利かない体でついて歩き、到着したのは一番最初に自分が拘束されていた建物だった。

ナックル星人「着きましたよ・・・さぁ、入りなさい」

ジャック「わ、わかりました・・・ナックル様」

ナックル星人「さぁ・・・・これがあなたの墓標とも言うべき装置ですよ」

ジャック「こ、これは・・・・・」

 主人に引かれ、入った部屋にあったものは禍々しい機械の塊だった。

 獲物を待つように口をあけるその装置には人が収まるスペースが見て取れた。

 これに入ったら・・・終わり・・・・それは誰の目にも明らかだった。

もちろん、ジャックの目にも・・・。

ナックル星人「さぁ・・・これに入りなさい!」

ジャック「わ、わかりました・・・」

ナックル星人「どうした?早くしろ!」

 躊躇するジャックの背中を足蹴りし、装置まで強制的に歩を進めさせる。

 ドタドタと機械の前に来てしまったジャック。

 おそるおそる足を装置に入れていくのだった。

ヌルゥゥゥ・・・・ネバァァァ・・・・

 X字に窪んだ人型に入るため、両足をそれぞれの場所に入れながら体を窪みに入れていく。

 足を入れるとそこに溜まっていたスライム状の物体はジャックの足を飲み込み粘着してしまったのだ。

 続いて両手を万歳でもするように広げて窪みにセットしていく。

 そこでも・・・。

ネチョ・・・ヌルゥゥゥゥヌチャ・・・ネバァァァァ

 手の先が足と同じように粘着され外せなくなってしまったのだ。

 両手両足が拘束されると、そこからはただ調理されるのを待つばかりであった。

 首輪と装置が連動し首を補足。

 銀色のビキニも装置に一体化し体はすでに全く動かせない状態だった。

 そこへ、今度は口元に装置がスライドし、ジャックの口を覆ってしまった。

 ジャック「な、何を・・?!・・んんっ・・・んぐぐぅ・・・・」

ナックル星人「もう、喋る必要もないからなぁ・・・くくく・・・」

 口を覆った装置は無理やりジャックの口を開かせホースを口腔内に侵入させた。

 言葉を封じられたジャックをさらなる悲劇が襲った。

 上半身を装置が蓋で封印すると、そこからカラータイマーに拷問部屋で装着された生き物の様な

エネルギー搾取装置がセットされたのだ。

 さらに、顔を残したほかの部分に全て、蓋がされついにジャックは墓標と呼ばれた

装置の中に封印されてしまった。

ナックル星人「君との最期の別れに1ついいことを教えてあげよう・・・」

ジャック「・・・?!・・・・」

ナックル星人「君が見た兄弟の映像、セブンが裏切ったという情報・・・・

        あれは全て嘘だ」

ジャック「・・・?!・・・んぐぅぅぅ・・・(う、嘘・・・・・だましたのかぁぁぁぁぁっ)」

ナックル星人「あと1つ・・・どうやら手元が狂ったみたいで、

        セブンを違う星に転送してしまったようだ」

ジャック「・・・・・・・・・・」

ナックル星人「どうやらガッツ星人の処刑室に転送してしまったようだ、

        すまないねぇ・・・ふはははははは」

ジャック「・・?!・・んぐぅぅぅぅっ!んっ・・・んがぁぁぁぁっ・・・

      (くそっ・・な、なんてことを・・・離せぇぇぇぇ!)」

ナックル星人「じゃ、さようならだ・・・

        そこで一生、エネルギーを吐き出すためだけに生きてくれ」

 ナックル星人が意地悪そうに手を振るとその仕草さえも見せてはもらえないらしく、

装置が最期の封印を始めた。

 ジャックの瞳にピッタリとフィットする洗脳用スクリーンと耳を塞ぐスピーカーがセットされ

ついに顔の部分にも蓋がされてしまった。

 隙間なく全てが閉じた時、ホースがうなりをあげ、装置内部に特殊なゲル状物質が封入され始めた。

 さらに、口に無理やり侵入したホースからもジャックの体内に不死になるための、

そしてエネルギー増産のための液体が注がれ始めた。

ジャック「(くそっ・・・・くそっ・・・・い、一体どうしたら・・・?!・・・・・・・)」

 自分が騙されていたこと、兄弟達を疑ってしまったことを悔いセブンの身を案じていたその時、

体に異変が生じた。

 封入されたゲル状物質から体に微弱な電流が注がれ、瞬く間に興奮状態へと

移行させられてしまったのである。

 さらに、口から注がれる液体の効果もあってか、開始数秒でエネルギーを搾取される

寸前にまで到達してしまったのである。

 視覚からはガッツ星人にいたぶられるセブンが、聴覚からは光の国でのジャックへの批判が・・・・

精神を攻撃し始めた。

ジャック「(も、もう・・・エネルギーを渡す・・わけ・・には・・い、いかな・・?!・・

      んぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・)」


 必死の抵抗も虚しくジャックの体はエネルギー製造装置へのステップを駆け上がり始めたのだった。

 注がれた邪悪な栄養を超人のエネルギーへと作り変えナックル星人に差し出す・・・

それが今のジャックの生存理由だった。

 肉体にかかる負担を考慮してか徐々に搾取時間を長くしていき、

休息時間を短くしてくのだった。

 ジャックの耳には「1日の始まり」が必ず告げられ、「1日の終わり」と共に沈黙させられる。

 そう・・・また、時間の長さを掌握されてしまったのであった。