555悲話(1)

 

《はじめに》

このお話は、藤宮さんが書かれた“555のショウを捕まえて、
怪人や戦闘員の嬲りものにして、最後は強制射精させる”お話の続きになっています。
では、どうぞ。

薄暗い地下牢で、ショウは後ろ手に鎖で繋がれた身体を横たえていた。

下半身は丸出しのままだ。

藤宮さんの罠にはまり、このアジトに連行されてから、もうどれ程の時間が過ぎたろう。

捕まった時に受けた傷は、たいしたものではない。

だが、様々な怪人や、挙げ句はザコの戦闘員にまで嬲りものにされたショウの心は

深く傷ついていた。

ガチャッ。ギー。地下牢に通じる扉の開く音が聞こえた。

「おい、食事だ。明日も忙しくなるぞ。せいぜい体力を付けておくことだな」

入ってきた戦闘員は、そう言うと、鉄格子越しに一切れのパンを地下牢の中に投げ込んだ。

パンが薄汚れた地下牢の床に転がる。

「あっ、そうか。手が使えなかったんだな。悪いが俺は鎖の鍵までは持っていないんでな。

 床に顔を擦り付けて食うんだな。ははははは」

「くっそー」

戦闘員が出ていった後も、ショウは床に落ちたパンなど、食べる気にもなれない。

明日からも続くであろう屈辱を思うと、このまま死んでしまいたい気持ちにもなる。

「ショウ」

ふと、父の顔が目に浮かんだ。

「と、父さん。ごめん。こんなことになってしまって」

「仕方がない。誰にだって苦しい時はある。

 だが、諦めてはいけない。555は5人揃ってこその555だ。

 みんなは必ず助けに来る。仲間を信じて屈辱に耐えるんだ。

 それまでは、どんな事をしても生きろ。

 早まった行動は、つまりは仲間を信じていないと言う事だ。

 いいな。分かったな」

「う、うん。分かったよ、父さん」

ショウは我に返った。

目の前の床に落ちたパンに向かって、芋虫のように身体を進めると、

口を床に着けるようにして、パンを食べ始めた。

 

「ははは。“分かったよ。父さん”か。うるわしき親子愛だ。

 空調に混ぜた幻覚ガスの効果は抜群だな」

地下牢に設置した隠しカメラからの映像に、慎也は満足した笑みを浮かべる。

さっき、ショウが見た父の姿は、慎也が作り出した幻覚だったのだ。

「これでショウはどんな屈辱にも、ひたすら耐え抜く気持ちになったはずだ。

 さてさて、明日からどうやって、いたぶってやるか」

 

「こら、ヒーローがいつまでも寝てるんじゃない!。さっさと起きろ」

翌朝、ショウは戦闘員の怒鳴り声で目を覚ました。

牢の内と外に一人ずつ、戦闘員が立っている。

「おやっ?。昨日の食事がきれいになくなっているじゃないか。

 正義の味方も、腹が減っては恥も外聞もなくなるんだな。

 今朝のメニューも昨日と同じだが、どうする?。食うか?」

戦闘員はそう言うと、ショウの目の前にパンを差し出した。

「あぁ」

ショウが答えると、戦闘員は手にしたパンを床に放り出した。

「どうする?。これでも食うか?」

「うっ。あっ、あぁ」

「そうか。だいぶ、素直になったようだな。

 褒美に、今朝はたっぷりとバターを塗ってやろう」

戦闘員は、今度は床に落ちたパンを足で踏みつける。

「さぁ、味付けはすんだぞ。遠慮なく食え」

「うっ、くそー」

ショウの顔が怒りに震える。

「んっ?。今、何と言った?。食いたくなかったら、無理にとは言わないぞ」

戦闘員は、パンを牢の外に蹴り出した。

「さぁ、どうするんだ?。食うのか食わないのか?」

“誰がそんな物を食うか!”

ショウは心の中で叫んだ。

だが・・。

“どんな事をしても生きろ。

 早まった行動は、つまりは仲間を信じていないと言う事だ”   

ショウの心に、昨日の父の言葉が甦る。

「く、食う。食うよ」

「えっ?。何と言った?。ちょっと、さっきから言葉遣いが気にくわないんだよな」

「食います。食べさせて下さい」

ショウは唇を噛みながら、屈辱の言葉を吐き出した。

「ははは。最初からそう言う素直な態度なら、苛められなくても済むんだぞ」

今度は牢の外にいた別の戦闘員が、パンを牢の中に蹴り戻す。

「さぁ、今日の朝食だ。遠慮なく食えよな」

昨日と違って、戦闘員は出ていこうとしない。

今日は戦闘員の見ている目の前で、屈辱の食事を強いられるショウ。

「これでもヒーローかよ。まるで犬じゃないか」

「まったくだ。所詮、555など、5人揃って一人前。

 1人だけでは、何の役にも立たんわ」

「ははは。555も今は111(ワンワンワン)だからな。

 チンチン丸出しの犬のお巡りさんだぜ」

床に顔を押しつけるようにして、パンを食べるショウの背中に、

戦闘員の嘲笑が浴びせられる。

「ヨシ。きれいに食べ終わったな。

 それじゃ、これからお前を慎也様のところに連行する。

 さぁ、さっさとこれを着るんだ」

そう言うと、戦闘員は昨日、ショウから奪い取ったジャンパーと短パンを返してよこした。

両手の鎖も外される。

緑のブリーフはないものの、今はフリチン状態から解放されるだけでも良い。

しかも、今は牢の外と内の戦闘員が2人だけ。

“こいつら、俺が言いなりになったと思って油断しているな。

 やっぱり、父さんの言うとおりだ。屈辱に耐えればチャンスが巡って来るんだ”

「着替えは終わったようだな。ノーパンも涼しくて良いだろう」

牢の中の戦闘員が、ショウの股間に手を伸ばしたその時、

「ふざけるな!!」

ショウの拳が戦闘員を目がけて炸裂した。

が、しかし・・。

バシッ。

拳が戦闘員の顔面に届く前に、戦闘員がショウの手首を掴んだ。

「何のマネだ、これは」

戦闘員はショウの手をねじ伏せ、足をかけてショウを倒した。

仰向けに倒れるショウの上に、戦闘員が馬乗りになる。

“どうしてなんだ。たとえ変身できなくとも、

 こんな戦闘員なら、5人や10人、相手にしても勝てたはずなのに”

「ふふふ。正義の味方は、清く正しく美しいものなんだ。

 悪の怪人にしごかれて、勃起させられたヒーローに、正義の力はないんだよ」

ショウの心を見透かしたように、戦闘員が言った。

「さぁ、どうしてくれよう。抵抗すれば、殺しても良いと言われているんだが」

「お、お許し下さい。どうか命ばかりは・・」

「おやっ?。さっきは元気だった坊やが、今度はお許し下さいか」

「は、はい。何とぞ、命ばかりはお助け下さい」

“仲間を信じて、どんな事をしても生きろ”

ショウは再び父の言葉を思い出し、戦闘員に命乞いするのだった。

 

「ふふふ。パンに仕込んでおいた体力減退剤の効果も上々のようだ」

地下牢から送られる映像を見ながら、慎也は満面の笑みを浮かべていた。