交換日記(セイちゃん編)
「あれ?藤堂さん日記なんてつけてるんですか?」
ある昼下がり、平助と同室である原田を見舞い(花飾り参照)に来た総司とセイは机の上においてある帳面を見て言った。
「うん、昨年からつけ始めたんだけどね?中々面白いんだ」
「へぇ〜」
「やっぱり付け忘れちゃう事もあるんだけど、昔のところを読み返すとこんなことあったけな〜って思い出して結構笑えるんだよ」
「神谷と総司もやってみたら?」
「えぇ〜、私なんて三日坊主どころか一日だって持ちませんよ」
平助の勧めに総司はいかにも面どくさ〜という顔をした。
「あ、私はちょっとやってみたいです」
「人の記憶はどんどん薄れていっちゃうけど書いておけば残りますもんね」
「やっぱり楽しかった事とか大事にしたいし・・」
セイはちょっと照れたように言った。
「ほんと?」
「じゃあせっかくだからさ、交換日記しようよ?」
「交換日記?」
「交代で日記をつけて相手に渡すの」
「口で言えない事とか日記なら伝えられるし、悩みとかも一緒に考えて行けると思うんだ」
「良いですね!さすが藤堂先生」
平助の提案にセイは感心したように賛成した。
「ちょっと待った!」
二人の間に妙な空気を感じた総司が慌てて会話を遮った。
「私もやります!!」
「え?でもさっき面倒だって言ってたじゃん」
「毎日じゃなければ大丈夫ですよ」
「それに他の幹部の人たちも誘えば滅多に回ってきませんし・・」
「え〜、それじゃつまらないじゃ・・・」
「良いんです!!」
反対しようとした平助に総司は笑顔で威嚇した。
(なんか今、総司の周りに吹雪の山が見えたよ・・・)
(知らないおじさんが寝るな〜って叫んでたような・・・これって幻覚?)
「んま〜、いいかもね・・・」
平助は総司と目が合うのを避けながらとりあえず賛成した。
(今、目が合ったら身体が凍っちゃうような気がする)
「神谷さんは?」
「私もいいですよ」
「人数多い方が楽しいかもしれませんね」
「じゃあ決定ということで・・・」
「じゃあ俺、日記帳用意するよ・・」
「有難うございます」
「じゃあ神谷さん、私達は他のみなさんに声をかけてきましょう」
「はい!!」
総司はセイに先に退室させながら平助を振り返った。
「藤堂さん」
「なに?」
「今度私抜きで神谷さんと仲良くしようとしたら許しませんよ?」
この後平助は固まっているところを新八に発見され、平隊士達の手によってお風呂に運ばれたという。
翌日。
幹部とセイは一つの部屋に集まっていた。
「日記も用意出来ましたし、交換日記を始めましょうかね?」
「神谷さん最初に書いて下さいよ」
「ええ!そんな幹部の方を差し置いて私が最初に?」
「幹部なんて関係ないですよ」
「みんなの親睦を深めるために始めるんですから」
(神谷さんと深すぎる親睦は私が許しませんけどね?)
総司の言葉に斉藤も頷いた。
「沖田さんの言う通りだ、清三郎書いてみなさい」
(神谷と親睦を深める・・・////)
「兄上がそう言うなら・・・」
色んな人間の思惑に気づくことなく、セイは真新しい日記帳を総司から受け取った。
「なんか最初ってドキドキしますね」
セイは緊張をしながらも嬉しそうに表紙を捲った。
●月△日(晴れ) 神谷清三郎
今日、沖田先生と原田、藤堂両先生のお見舞いに行きました。
原田先生はあの時、酔払ってるのかなって?思ったけどちょっと具合が悪かったみたいで気づくのが遅くなって申し訳なかったなと思ってます。
あの後来たお医者様が、青い顔して局長と副長と総長を別の部屋に呼んでたけど大丈夫かな?
そういえば、あの時原田先生が”てんぷる”って言ってたけど何のことだろう?
すごい気になる。
今度誰かに聞いてみようと思います。
藤堂先生はなんか足に凍傷が出来てたって、お風呂に連れて行った二番隊の人が言ってました。
昨日はあんなに元気だったのに・・
どうして雪山なんて行ったんだろう?
ていうか今、夏なのに何で凍傷?
不思議だなぁ・・・
世の中いつどんな病気や怪我にあうかわからないのでみなさんのために
いつでも対処が出来るように医学の勉強は怠らないようにしたいと思います。
「立派ですよ、神谷さん!」
「ちょっと沖田先生!ここで読まないで下さいよ」
「しかし神谷さん、テンプルって知らないんですか?」
「先生は知ってるんですか?」
「もちろんです!」
「じゃあ教えて下さい」
「ふふ、いいですよ」
「テンプルって言うのはね・・」
「お寺の事ですよ!!」
(んなわけあるかい!斉藤さん心の突っ込み)
「お寺ですかぁ」
「お寺です・・」
「さすが沖田先生!!尊敬の眼差し」
「きっとあの時原田さん、仏様が手を振ってるのが見えちゃったんですね」
「なぜでしょう?」
「さあ、そこまでは?ニヤリ」
(原田さん哀れすぎる・・・)
テンプル・・・こめかみ、側頭部
管理人が持ってる英和医学辞書より・・・
言い訳
風呂入ってるときに思いついたアホ話です。
更新はいつするかわかりませんが連載していきたいです。
こんな100%アホ話がお気に召した方。
感想お聞かせ下さい。(^^♪
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