連載小説
[TOP][目次]
4,「因縁」
爆発と共に鳴り響く叫び声、この世の物とは思えないその叫びと同時にブレードでその巨体なボディに幾度もの斬撃を繰り出す。

鳴り響く音、それと同時に肩に積んでいるミサイルを撃つ。12連装ミサイルによる0距離攻撃。爆炎で当たりが見えなくなり、フェンリルは一旦距離を置き体制を立て直す。

「・・・まさかあれで倒れた・・とはいかないですよね・・クス・・」

フェンリルの猛攻にも耐える巨大兵器

「ふふ・・まさかあれをくらって少し欠けたくらいとは・・・いや・・装甲を再生させているという可能性もありますね・・・やれやれ・・」

そう言いつつバイオ液に浸かった少女に目をやる。
フェンリルは煙から這い出てくる敵をジーっと観察する。気になる点は
巨大兵器は咆哮はするものの反撃してくる気配がない、武装がないのか?
開発途中なのか?それとも液体の少女に何らかの関係があるのか?

とにもかくにも今の装備じゃあ対処不可と判断したフェンリルは一度アイン中佐に通信を繋ぐ。

アイン「どうしたの大尉?」

「どうやら結構面倒な事になってるようです。例の彼女は見つけましたが・・・・・『邪魔な要素』のせいで奪取が困難です。私の装備では傷1つ付きませんでした。」

アイン「こちらからもその『巨大兵器』は視認できるわ・・・。解ったわ、大尉は一時撤退。その場からの離脱を、援護するからその間に領域から撤退を」



フェンリル「了解しました」


この間わずか20秒フェンリルはありったけのミサイルをぶち込みOBでその場から離脱する。
されど巨大兵器には豆鉄砲くらいのダメージしか与えられない。

次の刹那

ピイシュイン!カォ!

フェンリルの横を通り過ぎる蒼い閃光、それはあの巨大兵器の装甲を貫き貫通させた。

『狙撃用長距離KARASAWA』KARASAWAシリーズの火力と射程を強化したアイン中佐専用兵装。リロードに著しく難があるがスナイピングに関してアインの右に出る者はいない。

アイン「次弾装填まで20秒・・・・ヘッドショット・・・エイム・・・」

巨大兵器はさっきよりも大きく叫びアインの位置にめがけミサイルらしき物を発射する。

フェンリル「読みが外れましたか・・中佐、攻撃が来ます、離脱してください」

そう言ってる間にもミサイルはアインの位置目掛けまっすぐに飛ぶ。

アイン「・・・これでチェクメイトよ・・」


アインはKARASAのトリガーを引く・・

刹那の爆発。

フェンリルからは状況が把握できない。


煙から蒼く見える光り、KARASAWAの閃光であった。

その光は巨大兵器のミサイルを全て破壊し、真っ直ぐに巨大兵器の頭に風穴を作っていた。


・・・・・・

フェンリル「中佐・・いやはや御無事でなによりですよ・・・やはり貴方はそうでなくては」

アイン「作戦、続行します。ターゲットの奪取を最優先、のちにこの場からの撤退・・・以上」


フェンリル「クス・・・・Yes, Sir! 」



このムラクモミレニアム 薬品準備施設兼実験所の出来事により物語は始まりを迎えるのである。

バイオ液に浸かっていた少女はMOMEの調査により特殊な能力を秘めた者
だという事が解った。いや、「秘めさせられた」と言った方がいいかもしれない。何故ならその少女はMOME幹部の1人なのだから。


つづく


12/05/18 00:43更新 / PF大佐
前へ 次へ

■作者メッセージ
ひさびさだおw

TOP | 目次

まろやか投稿小説 Ver1.50