連載小説
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中編
アタシの装備はスナイパーライフルとパイルバンカーだけ。
機体整備の細かいところは雅がやってくれるし、皆と比べて早く終わっちまう。
今まで一匹狼でやってきたから、この機体で良かったけども・・・
チームの事を考えると、機体を乗り換えるべきなのかもね。
そんなことを思案しながらアタシは、廊下を歩いていた。
ゆっくりと休憩でもしようかな、何て休憩室に足を向けようと思った時に目の前の丁字路をそそくさと横切るサンの姿が見えた。
何かを抱えて居る様に見えたが、余り注意が向かなかったので何を持っているのか分からなかった。
確か、アイツは弾薬庫の弾薬の数があっているかどうか、確認していたはずなのだがこんなに早く終わるはずが無い。
アタシも前に頼まれたことがあるが、チェックするのが面倒になってサボったことがある。
サボると言っても途中までやって、やった様に誤魔化しただけだけどな。
それはともかく、サンがサボるなんて珍しいもんだと思いつつも、からかってやろうかという悪戯な考えが思い浮かんだ。
アタシは心の中で悪魔の笑みを浮かべながら、サンの向かって居た方に足を向けた。
確かあっちの方向はアイツら兄弟の部屋だったか・・・

「ちょっと、何やってんの?」

「へ?あ、いや・・・。」

ちょうど、サンは部屋の中に入る頃だろうと思ったが、やはりその通りだった。
でも、ちょっと予想とは違ってサンが入ったのは、自室の奥の部屋だった。
あの部屋は確か使われてない部屋だったはずだ。
アタシはやっぱり、サボりかと確信しながら言葉を言った。
サンは慌てて部屋から出てそのまま固まってしまった様に言葉を言って、扉を閉めた。

「サボりってのは感心しないねぇ。」

「う・・・サボってる・・ん・・。」

アタシはニヤニヤしながらサンに対して悪戯な言葉を言った。
サンはその言葉に対して反論しようとしたが途中で口をつぐんだ。
サンは嘘を突こうとするとすぐ行動に出るから面白いが、これはまだ何かありそうな気がする。
アタシはサンの行動に思わず首を傾げてしまった。

「何、隠してるの?」

「な、なんでもないよ!」

アタシはサンに対して尋ねるが、今回はニヤニヤと微笑まなかった。
何となく、本当にサボりに来たわけじゃなさそうな匂いがする。
それならこんな何もない部屋に入る理由が何かあるのか・・・
推理するが特になにも思いつかなかった。
サンは推理しているアタシに対して言葉を言ったが、やっぱり何か怪しい。

「おい、サン、杏子。」

「あっ・・・?」

「あ、兄さん。」

アタシは無理とにでもサンに秘密を吐かせようかと思ったが、その時に後ろから声を掛けられた。
その声は、サンの兄貴のムーンの声だった。
アタシはいきなりの事に思わず呆けた様な声を出してしまった。
対するサンは何だかホッとし様な感じであった。
不味い、このままでは秘密を聞けないかもしれない。
アタシはそう思った。

「2人とも、暇なら手を貸してほしいんだが・・・。」

「ちっ、仕方ねぇな。」

「えーっと、僕はちょっとやることが・・・」

ムーンはアタシたちに対して頼みごとがあるようだった。
アタシは多少、乗り気じゃないながらも言葉を返した。
でも、サンの方はやることがある様で、おずおずとしながら言葉を言った。

「じゃあ、杏子、頼むぞ?サンは早めに済ませて俺の機体まで来てくれないか?」

「はいはい。」

「うん、分かったよ!」

ムーンはアタシに対して、言葉を言った後にサンに指示を出した。
アタシは、やる気な下げに言葉を返すしかなかった。
サンは満面の笑みで兄に対して言葉を返していた。

「サンの奴、何か隠し事がありそうだぜ。」

「ああ、どうせ大したことじゃないさ。」

結局、サンは放ったまま、アタシはムーンについて行くしかなかった。
アタシはムーンについて行く最中、言葉を言った。
ムーンも何か感じて居たのか、軽く一笑する様に言葉を言った。

「その内、何を隠していたのか分かる。」

「そんなもんかな?」

ムーンは歩きながら言葉を続ける。
アタシはその言葉に対して訝しげに思いながらも言葉を返すしかなかった。
兄弟だからこそ、分かることがあるのだろうか・・・
まあ、見逃してあげようか、いつか、分かる時が来ると言うのを信じて・・・
12/07/05 08:39更新 / シャドウ
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■作者メッセージ
このぐらいの年頃の男とはそういうものだろう・・・

これもある意味、青春なのか!?

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まろやか投稿小説 Ver1.50