連載小説
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1、「アイン」
追撃を逃れたアインの乗ったAC、アインはACを近くの建物の中に入るとそこで停止させる。空気が抜けるような音とともにコクピットのハッチが開くとそこから癖ッ毛のあるショートカットの女性が姿を表す・・・。
「・・・ふう」
ため息をつくとともに青い髪をかきあげる。
「後少しだった・・」
アインは再びため息をつく
「でも場所は把握したわ・・・、今度こそ」
そう言うとアインは手に持った通信機で誰かに連絡をとり始める。
「すみません大佐・・・失敗しました。ですが【アレ】場所は間違いなくあそこにあります」
 アインの静かな声が建物内に響く
「・・なに、気にする事はない、お前はよくやった。作戦はそのまま継続の形で続ける、現状はその場で待機。こちらからの指示を待て」
その「大佐」と呼ばれた男はアインにそう言うと
「ああ・・・なんなら町でもでて暇を潰すのも良いな・・お前にはその機会があったほうがいい」
 「【ポーカーフェイス大佐】。それはどういう事・・・・」
「じゃあな・・通信終わり」

半ば強制的に通信を切られ困り顔になるアイン。

「・・・・・・はあ・・・」
3度目のため息を深くつきながら、機体を布で覆い隠しその場に置いてあった車で先ほどまで自分が居たあの「町」まで「戻って行った」



 2日後
喫茶店でコーヒーをすするアナザーは新聞・TVに載る情報などを集め襲撃された建物についてしらべた。
「なになに・・「化学薬品ならびに試験用薬品実験施設ムラクモミレニアム」。という事は何かの試験用薬品を奪う為に?」
一般的に考えればそこにたどり着く。
「でも襲撃の時に被害を出さないって事は【ウイルス・バイオ兵器】の類じゃあないよなー。」
殺人が目的なら最初の襲撃からすでに何百人もの被害が起きる、それが無い。
アナザーはそこにたどり着く。だが目的がわからない以上それ以上には進まなかった。

「クソ!行き止まりかよ。どうせなら襲撃したあのACのパイロットが居てくれればなー」

新聞を折りたたみコーヒーを一気飲みするとおもむろに立ちあがり
「帰るか」
そういって喫茶店をでようとした。
「あれ?財布がない」
アナザーはポケットを探すが無い。
店員もジーと見ている。このままでは無銭飲食になる!なんとかせねば。


「あの・・すいません。お財布落ちてましたよ?」

物静かな女性の声が耳元に届いた

「椅子の下に落ちてました・・今度から気をつけたほうがいいですよ・・」

笑顔とはいえないがうっすらと微笑みかけるその女性は一般の女性と比べ物にならないくらいの美人だった。
「あ・・ありがとうございます!」
その女性は青い髪の毛をかきあげ自分の席へと戻っていった。
アナザーは戻った財布からお金を支払うと喫茶店を後にした。



アインの通信機がピーと音を鳴らす
「ムラクモミレニアムが【アレ】を別の施設へ移すという情報が入った。持ち出す前アレを奪取してくれ、装備と増援はフェンリル大尉とお前の専用装備をそちらに送る。以上」
ポーカーフェイス大佐からの通信。作戦が始まったという事だ。
「了解・・・」

通信を切るとさっきの表情から仕事の顔へと変貌していた。

11/06/29 21:47更新 / PF大佐
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■作者メッセージ
どうでしょうか?YYさんはフェンリル大尉とかしらないかもしれないですが、実在にお会いした人物です。

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まろやか投稿小説 Ver1.50