連載小説
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ソーンガーデン襲撃 OK
 警報が唸り出す。
それに合わせてMT達が起動する。
「第一戦闘配備、第一戦闘配備!!」
専属部隊専用の鋭く流線型の特徴的なACが地下エレベーターで輸送される。
 地下エレベーターは何も上下だけの動きではない。
 
 間もなく包囲が完了した所で、住民区の循環水路装置が爆発し、其処からACが飛び出した。
刹那、全方位から激しい弾幕がACへ放たれる。
ACもやられるだけではなく、反撃する。
グレネードカノン砲を腕に取り付けた深緑の人型MTが化学エネルギー弾を連続発射するが、ACの動きに標準が躍らせれて、思う様に飛ばない。
 次の瞬間、グレネードカノン砲にレーザーライフルの直撃を受けて爆発に巻き込まれてしまう。
 両背部に装備された大型コンテナが開き、大量のミサイルが噴き出す。
一時的にミサイル迎撃に専念する彼らの真下にあるゲートをレーザーライフルで破壊してオーバードブーストで中へ飛び込む。
『ちっ、中央区から脱出しただと!?』
 辺り一帯は苛烈な弾幕により芝生が抉られ、水路も壊れて水が漏れだしていた。

 酷く狭い通路を飛び出したACは、そのまま崖を飛び降り、ミサイルを発射する。
MT開発工場が幾つも爆発し、従業員は爆風で吹き飛ばされるか、ブースターの風圧と熱でグチャグチャにされるかの、どちらかであった。
 オーバードブーストを停止し、右へ64度旋回しながら肩部ハンガーのハンドガンと交換し、ハンドガンをノーロックモードで標準を左から右へっくり動かしながら乱射する。
戦闘車両は、それだけで爆ぜ、歩兵も同様に吹き飛ぶ。
 崖を降りて、自分を追ってきたMTと、それを先行するACを確認。
中量二脚の青い専属ACと、四脚の狙撃系統固めの武装をした四脚ACだ。
四脚が先に発砲。
着弾点は大いにずれたが、右後方の数メートル先にある看板が射抜かれた。
距離は2000か3000。
恐ろしい精度なのは間違いない。
当たらなかったのは此方がブースターを吹かして移動していたからだろう。
 ハンドガンを再びレーザーライフルに変更し、左腕のエネルギーシールドを展開させる。
 専属ACが左側のハンガーと背部接続機構、腕のハードポイントを占領する巨大なレールガンにエネルギーを送り込む。
右背部に取り付けられた外部ジェネレーターが唸り上げ、パイプで繋がれたレールガン本体が放電し始める。
 舌打ちしつつ、レーザーライフルの表示を確かめる。
残熱ゲージは半分強。
バレル耐久推定数値も3割しかない。
装甲耐久値は問題ない。
 天井の幾つかのスイッチを切り替えて、ペダルの踏み方を変える。
 レールガンが放たれる。
それを感じ、感に身を任せてペダルを蹴り込む。
操縦桿を左に倒して、それでも右手のレーザーライフルに掠る。
 レーザーライフルの故障を示すサインとアラート。
構わず、ライフルにエネルギーを充填させて強力な一撃を四脚ACに叩き込む。
コアの左側が焼け消え、腕が爆発する四脚AC。
それを確認しつつ、操縦桿の幾つかのボタンを操作してレーザーライフルを破棄する。
倉庫から突き出した電波塔を圧し折りながら小爆発するレーザーライフル。
 専属ACが砲弾を再装填し、狙いをつける。
充填装置が一つ破棄され、新しい装置が接続、直後に重点が始まる。
鋭い砲身を向けて発射、攻撃目標より左に少し逸れた。
 襲撃した方は、レールガンの重みで機動性がない事を悟り、オーバードブースト使用の余裕を作る為に、動きを変える。
 逃がさぬとばかりに辛うじて稼働状態を保っていた四脚ACが使える右背部のスナイパーキャノンを起動させる。
FCSがない状態なので、ノーロックモードに切り替え、画質の極端に下がった映像に表示された標準マーカーで狙いをつける。
「…ぐふっ」
吐血してしまい、ヘルメットガードの内側に血がついて視界が遮られる。
ガードを持ち上げ、操縦桿のトリガーボタンに指を掛ける。
「…――」
掠れた言葉ならぬ声を漏らし、入力する。

 ―――スダァン!!

コアを後ろから撃ち抜かれたACがよろめきながら何かをパージした。
そして、棄てられた何かが、その直後に爆発した。
 彼の意識は其処で消えた。
13/03/07 12:48更新 /
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■作者メッセージ
今回は凄く短く感じるかもしれません。

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まろやか投稿小説 Ver1.50