新たなる場所へ
すーすー、縁側で2人の寝息が聞こえる。
1人は黒いローブを着た青年で、もう1人は鬼の少女であった。
ムーンは縁側の縁に垂直に寝ており、萃香は青年の膝の部分を枕にするような感じで寝ているのであった。
どうやら昨日、月を眺めている間に寝てしまったのかも知れない。
丁度、日の出から1〜2時間当たりだろうか、太陽は低く、昨日に青年が起きた時の位置とは違うようである。
「おはよ〜ございます!」
「んん・・・?」
「にゅ〜?」
カシャリカシャリとシャッター音が鳴っているのだが、2人はそれに気づくことはなかった。
写真を撮っているのは射命丸で何か企んでいるような笑みを浮かべていた。
そして写真は十分なくらい取れたのか2人に対して呼びかけるように大声で朝の挨拶を言うのであった。
2人は少し呻くようにして目を開けて上半身を起こすのであったが、その光景を射命丸はカメラに納めるのであった。
フィルムを現像したとき、2人のマヌケな姿が映っていることだろう。
「なにやってんだ?」
「まあ、記事のネタですね。それはともかく、今から紅魔館(こうまかん)に行ってくださいね?」
「コウマカン?」
「神社の北西の湖にある建物ですよ。」
「俺の居候先か?」
「まあ、そういうことになりますね〜。」
萃香の方はまだ寝たり無いのか、あくびをした後に少し身体をずらすように移動して床に頭をつけるように二度寝するのであった。
ムーンはあくびをしながら頭を掻いて、射命丸の言葉を真似て言葉を言うのであった。
射命丸は平然とした感じで相手に対して説明をするのであった。
ムーンはフウと息をついて気だるそうに言葉を言って、縁側から立ち上がり相手に質問するのであったが、射命丸は真面目な顔でムーンに対して言葉を返すのであった、
「ああ、そうそう、これとこれをどうぞ!」
「手帳とペンか?」
射命丸は気がついたように言葉を言って、何処からともなくサッと高そうなボールペンと手帳を手に取って、ムーンに差しだすのであった。
ムーンは首を傾げながらも、相手の差しだした新聞記者の装備品と呼べるようなものを受け取って、パラパラと手帳をめくって確認するのであった。
どのページも白紙で何の変哲もない手帳だ、ムーンはプレゼントにしては良い物だと呑気に考えて居た。
「何か書いてみてください。」
「こうか?」
「するとこうなるわけです!」
「ほう、良くできた手帳だな・・・」
ムーンが手帳をしまおうかと思った矢先に射命丸は手帳に何か書くことを勧めるのであった。
ムーンは首を傾げながらも手帳の最初のページに適当に波を書いたのであったが、特に手帳には何も起こらずに更に首を傾げるだけであった。
だが、射命丸は得意げな感じで青年に対してもう一つの、青年の持っている同じような手帳の1ページ目を開いて見せるのであった。
そこには青年が書いたのと同じものが同じ筆跡で書かれていた。
ムーンは感心して感嘆の言葉を述べるのであった。
そんな魔法もあるのか、しげしげと射命丸の得意そうな表情を見て居るのであった。
後ろからは萃香の寝息がスースーとまだ聞こえていた。
「んで、どうやって紅魔館まで行けば良い?」
「飛べれば良いんですけどね、紅魔館は島にありますから。」
「文は飛べるのか?」
「こう見えても幻想郷一、俊足ですよ?」
「幻想郷一、か・・・」
ムーンは取材のことに関しては多少、乗り気はないが居候に関しては死活問題であるので真剣なようである。
射命丸は食いついて乗り気のあるムーンにニヤニヤと微笑みながら答えるのであった。
ムーンは困ったように顎に手を当ててどうするか考えるも、とりあえずは射命丸を頼る気なのか、射命丸に質問するのであった。
射命丸の方は自信ありげにムーンに対して胸を張るように自慢し、その様子を見てムーンは静かに言葉を呟くだけであった。
幻想郷のレベルというのは果たしてどれくらいの物なのか、昨日の魔理沙の箒でさえも結構、早かった気がするのだが・・・
「途中でも良いから、俺を運んでくれないか?」
「流石に人を運ぶのは私には難しいですね〜」
「移動してくれるだけで良い。」
「湖の畔までなら移動してあげますけど・・・」
「それで十分だ・・・」
ムーンは丁寧に射命丸に対して、自分を運んでくれるように依頼するも射命丸の方は頬を掻きながら苦笑してムーンに言葉を言うのであった。
昨日の魔理沙と同じ手で運んで貰おうと考えて居るのだろうが、射命丸にも都合があるので無理強いは出来ない。
都合の良い場所までで我慢しておこう、ムーンはそう考えるのであった。
「じゃあ、行きますね?」
「・・・いや、少し待ってくれ。」
「何するんですか?」
「我を守護する闇よ、我が身体を影に変えよ」
「なるほど、分かりました、では出発!」
ああ、そういえばご飯もまだ食べてない。
お腹が鳴りそうなのに気づきながらも、今にも出発しそうな様子の射命丸を見るとご飯を食べるまで待ってとはとても言えないだろう。
昨日、魔理沙とやったのと同じように影に対して近づいていってしゃがみ、朝日で細長くなっている影に手を伸ばして静かに呪文を唱えるのであった。
すると前と同じようにムーンの姿は影と同化するのであった。
射命丸は昨日の魔理沙と同じように簡単の声を上げるも、興奮はせずに自らの果たすことだけを考えて居たのであった。
面白いネタが手に入るかも知れないのに、時間を無駄にしていてはいけない。
射命丸は地面を蹴って空に飛ぶのであった。朝日がまだ眩しい。
まだ、スースーと寝息が聞こえてくる。
[紅魔館]
幻想郷の「妖怪の山」の麓、「霧の湖」の畔に建つ洋館。
その名の通り、館は紅い色調である。
館には吸血鬼が住み着いているようだが・・・
うーうー☆
1人は黒いローブを着た青年で、もう1人は鬼の少女であった。
ムーンは縁側の縁に垂直に寝ており、萃香は青年の膝の部分を枕にするような感じで寝ているのであった。
どうやら昨日、月を眺めている間に寝てしまったのかも知れない。
丁度、日の出から1〜2時間当たりだろうか、太陽は低く、昨日に青年が起きた時の位置とは違うようである。
「おはよ〜ございます!」
「んん・・・?」
「にゅ〜?」
カシャリカシャリとシャッター音が鳴っているのだが、2人はそれに気づくことはなかった。
写真を撮っているのは射命丸で何か企んでいるような笑みを浮かべていた。
そして写真は十分なくらい取れたのか2人に対して呼びかけるように大声で朝の挨拶を言うのであった。
2人は少し呻くようにして目を開けて上半身を起こすのであったが、その光景を射命丸はカメラに納めるのであった。
フィルムを現像したとき、2人のマヌケな姿が映っていることだろう。
「なにやってんだ?」
「まあ、記事のネタですね。それはともかく、今から紅魔館(こうまかん)に行ってくださいね?」
「コウマカン?」
「神社の北西の湖にある建物ですよ。」
「俺の居候先か?」
「まあ、そういうことになりますね〜。」
萃香の方はまだ寝たり無いのか、あくびをした後に少し身体をずらすように移動して床に頭をつけるように二度寝するのであった。
ムーンはあくびをしながら頭を掻いて、射命丸の言葉を真似て言葉を言うのであった。
射命丸は平然とした感じで相手に対して説明をするのであった。
ムーンはフウと息をついて気だるそうに言葉を言って、縁側から立ち上がり相手に質問するのであったが、射命丸は真面目な顔でムーンに対して言葉を返すのであった、
「ああ、そうそう、これとこれをどうぞ!」
「手帳とペンか?」
射命丸は気がついたように言葉を言って、何処からともなくサッと高そうなボールペンと手帳を手に取って、ムーンに差しだすのであった。
ムーンは首を傾げながらも、相手の差しだした新聞記者の装備品と呼べるようなものを受け取って、パラパラと手帳をめくって確認するのであった。
どのページも白紙で何の変哲もない手帳だ、ムーンはプレゼントにしては良い物だと呑気に考えて居た。
「何か書いてみてください。」
「こうか?」
「するとこうなるわけです!」
「ほう、良くできた手帳だな・・・」
ムーンが手帳をしまおうかと思った矢先に射命丸は手帳に何か書くことを勧めるのであった。
ムーンは首を傾げながらも手帳の最初のページに適当に波を書いたのであったが、特に手帳には何も起こらずに更に首を傾げるだけであった。
だが、射命丸は得意げな感じで青年に対してもう一つの、青年の持っている同じような手帳の1ページ目を開いて見せるのであった。
そこには青年が書いたのと同じものが同じ筆跡で書かれていた。
ムーンは感心して感嘆の言葉を述べるのであった。
そんな魔法もあるのか、しげしげと射命丸の得意そうな表情を見て居るのであった。
後ろからは萃香の寝息がスースーとまだ聞こえていた。
「んで、どうやって紅魔館まで行けば良い?」
「飛べれば良いんですけどね、紅魔館は島にありますから。」
「文は飛べるのか?」
「こう見えても幻想郷一、俊足ですよ?」
「幻想郷一、か・・・」
ムーンは取材のことに関しては多少、乗り気はないが居候に関しては死活問題であるので真剣なようである。
射命丸は食いついて乗り気のあるムーンにニヤニヤと微笑みながら答えるのであった。
ムーンは困ったように顎に手を当ててどうするか考えるも、とりあえずは射命丸を頼る気なのか、射命丸に質問するのであった。
射命丸の方は自信ありげにムーンに対して胸を張るように自慢し、その様子を見てムーンは静かに言葉を呟くだけであった。
幻想郷のレベルというのは果たしてどれくらいの物なのか、昨日の魔理沙の箒でさえも結構、早かった気がするのだが・・・
「途中でも良いから、俺を運んでくれないか?」
「流石に人を運ぶのは私には難しいですね〜」
「移動してくれるだけで良い。」
「湖の畔までなら移動してあげますけど・・・」
「それで十分だ・・・」
ムーンは丁寧に射命丸に対して、自分を運んでくれるように依頼するも射命丸の方は頬を掻きながら苦笑してムーンに言葉を言うのであった。
昨日の魔理沙と同じ手で運んで貰おうと考えて居るのだろうが、射命丸にも都合があるので無理強いは出来ない。
都合の良い場所までで我慢しておこう、ムーンはそう考えるのであった。
「じゃあ、行きますね?」
「・・・いや、少し待ってくれ。」
「何するんですか?」
「我を守護する闇よ、我が身体を影に変えよ」
「なるほど、分かりました、では出発!」
ああ、そういえばご飯もまだ食べてない。
お腹が鳴りそうなのに気づきながらも、今にも出発しそうな様子の射命丸を見るとご飯を食べるまで待ってとはとても言えないだろう。
昨日、魔理沙とやったのと同じように影に対して近づいていってしゃがみ、朝日で細長くなっている影に手を伸ばして静かに呪文を唱えるのであった。
すると前と同じようにムーンの姿は影と同化するのであった。
射命丸は昨日の魔理沙と同じように簡単の声を上げるも、興奮はせずに自らの果たすことだけを考えて居たのであった。
面白いネタが手に入るかも知れないのに、時間を無駄にしていてはいけない。
射命丸は地面を蹴って空に飛ぶのであった。朝日がまだ眩しい。
まだ、スースーと寝息が聞こえてくる。
[紅魔館]
幻想郷の「妖怪の山」の麓、「霧の湖」の畔に建つ洋館。
その名の通り、館は紅い色調である。
館には吸血鬼が住み着いているようだが・・・
うーうー☆
11/10/27 00:08更新 / シャドウ