連載小説
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1日の終わり
魔法の森で起こっている事件については何も気づかずにムーンは1人、風呂上がりなのか、濡れて寝癖が無くなっている髪を乾かすかのように朝にいた縁側で夜風に吹かれているのであった。
幻想郷の空気は何となくだが馴染めそうな感じがする。
ムーンはフウと軽く息をついて空を見上げるのであった、月は小望月くらいで、まだ満ちるまでに何日かかかるだろう。
風が冷たく感じるのは風呂に入ったので其の水分が気化して熱を奪っているためだろうと姿に見合わない化学的な考えをしながらも、そのまま月を眺めていた。
射命丸は自分の取材のためだけで此処に来たようで食事が終わった後に帰ってしまったらしい。
神社にいるのは自分と霊夢と萃香だけのようだ。
「・・・なにやってるんだぁ?」
「萃香か、月を見ているだけだ・・・」
「楽しいかぁ?」
「・・・いや。」
「じゃあ、何で見てるんだぁ?」
「・・・暇だからだ。」
月をぼんやりと眺めていればテトテトと縁側を歩く軽めの音が聞こえる。
ムーンはスッとそちらの方に視線をやると、夕方に喧嘩した鬼の少女がこちらに歩いてくるのが、視線に入った。
萃香はムーンに興味深げに首を傾げながらやはり酔ったような声で質問するが、ムーンは平然と萃香の言葉に答えるだけであった。
続けての萃香の言葉にムーンは少し黙りこくってしまうが、少し時間をおいた後に言葉を静かに言うのであった。
そして萃香は更に続けて言葉を言うが、ムーンは萃香のペースに巻き込まれているようで、また同じように言葉を答えるしかなかった。
萃香はムーンのことが奇妙に見えているようで、喧嘩?したものの興味を持っている様であった。
「ムーンは暇なときは何時もそうしてるのかぁ?」
「ああ、そうだ。不思議な男に見えるか?」
「まあねぇ〜、月なんか見ないからさぁ〜」
「あいにく、暇をつぶせる趣味は無くてな・・・」
興味を持った萃香はムーンに対して更なる言葉を掛けるのだが、ムーンは萃香の真意を見抜いているようだった。
萃香はケラケラと笑いながら、軽い感じで言葉を返すのであったが、ムーンは無表情で素っ気なくに言葉を返すだけであった。
端から見ればつまらない男に見えるが、異端な存在の萃香からすればムーンのことは実に面白く見えているのか、ムーンの方に近寄って同じように隣に座って足をぶらぶらさせる。
「萃香は暇なときは何をしてるんだ?」
「私は専らこれだねぇ。」
ムーンは萃香に対して逆質問をするも、萃香はケラケラと笑いながら案の定、ヒョウタンを煽ってまた酒を飲むのであった。
萃香らしいと思いながらも趣味?を持っている相手を半分青年は羨ましく感じるのであった。
はぐれ者が縁側に2人並んでいた。
果たしてどのような生活がこれからムーンを待っているのか・・・

「シャドウ・ムーン」
能力:影を操る程度の能力、闇を操る程度の能力
幻想郷に入り込んでしまった魔術師風の黒いローブを着た謎の青年。
外の世界(現代)とは違う場所から来た模様。
性格は基本、クールで無表情、女性に弱い。
見た目とは裏腹に結構優しい一面も持っていたりする。
幻想郷に来て、なくなってしまった自分の影を探している。
11/10/06 23:33更新 / シャドウ
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■作者メッセージ
とりあえず、第一章は終わりですな。
これから、幻想郷の探検?に写っていく予定です。
でも、書けるかな−?

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まろやか投稿小説 Ver1.50