連載小説
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10.「アナザー」
「「1,2,3,4!2,2,3,4!、1,2,3,4!2,2,3,4!・・・」」



(俺がこの部隊に入って何日が経っただろうか、俺は他の隊員達と一緒に毎朝40kmランニング、続いて腕立て伏せ20回5セット、腹筋50回3セットをやっている。最初は20kmで体が動かずにその場で倒れたが、体というものは慣れるのも早いのだろうか、最近ではそれがあまり苦に感じなくすらいる。そんな自分が恐ろしいくらいだ。)


アナザーはトレーニングを終えると、シャワー室で体を洗い、次の訓練に移る。訓練兵の1日はこうだ、早朝トレーニング、体術・格闘術、午後からは武器・機械構造に関する講義実習。これを頭に叩き込み始めて使えるようになるらしい。

アナザーはトレーニングの最中よく話かけてくる奴がいた、最初はうっとおしかったが次第に打ち解けソイツのおかげで部隊の輪に入る事ができた。
『UF5』アナザーと同じ二等兵、俺より部隊滞在経歴は長いのだが訓練課程をまだクリアできずに居る。だが訓練の事に関しては詳しく訓練班長をしている。

「よう、アナザー。今日は教官とのナイフ格闘術の実施訓練だぜ?。気引き締めないと切り刻まれても知らねえぞ」

UF5がそう呼びかけると

『そうだぞアナザー!お前教官に目つけられてるからな!くれぐれも刺身にされないように努力しろよ!ははは!』

他の隊員も茶化しにきた。

「解ってるよ!そんな事より稽古続けようぜ」

アナザーがそう言うと皆元の場所に戻り訓練を続けた。
そう、UF5や他の隊員達の言ってる教官とは・・・そう、俺を最初にここに連れてきたアイツくらいしか思いつかない。

午後になりその時が迫ってきた。場所は基地の近くにある演習用施設の外。
そこにアナザー率いる訓練兵は集められた。

UF5は皆を整列させると自らも列に入り教官が現れるのを待つ。

時刻は14:00ちょうど。一分も遅れもなく彼等はやってきた。

1人は俺をここに連れてきた男「フェンリル大尉」。そしてもう一人は・・
「アイン中佐」であった。

すると着いた矢先にアインはこう訓練兵達に言った。

「聞いてるかもしれないけども・・・今日は実戦を想定した模擬戦闘です・・・。見たところ、これ以上貴方たちを扱いても使える要素が見当たりません。精々弾よけくらいになる程度でしょう。ですが大佐はそれを望んでいません。ですので、これから其処に居るフェンリル大尉と貴方達で戦ってください。もちろんナイフは本物を使います、大尉に掠り傷1つでも付けられる事が
できれば・・・訓練兵を卒業し正式な兵士として迎えられます。もちろん大尉にはハンデとしてナイフ一本のみで戦ってもらいます。貴方方は何本使っても構いません。他の道具を使う事も許可します・・周囲一帯は貴方達しか居ません。では、10分後状況を開始します・・・・以上」


驚いた、いきなり実戦を想定した格闘術だと!?しかもよりによって俺を殺そうとしてたアイツだ、予想は半分当たってはいたがアイツに攻撃を当てなければこちらがやられるのも確実。当てること、いや掠らせる事も難しい相手にどう対処する?
「UF5、お前大尉と戦った事あるか?」

「何度かこういう訓練はしたが、その時はアイン中佐だったからなあ・・・大尉と中佐じゃ比べる差が大きすぎる。元殺人狂とCQCの達人だしな」

UF5は何度もアインの強さを間近で見ている。その強さ鬼神のごとき速さで獲物を仕留めるかのように。まるで機械のような的確さ。

「とりあえず作戦を考えよう、正面は流石に分が悪い・・」

UF5は何かを思いついたかのように言った。

「そうだな〜俺にいい考えがあるぜ?・・・」

・・・・・・・・・

大尉との戦闘訓練2時間前

アインとスーパースター少佐とコロンは仕事の汗を流す為に共同浴場で体を洗っている処である。湯煙で一部見えないが、2人ともスタイルがいいのは遠目で見ても解るくらいだった。
「・・・・・アインさん肌スベスベね、何かしてるの?羨ましいな」

スーパースター少佐がアインの肌に触れながら言う。
正直こういうのは何度やっても慣れない。

「・・・特には何も・・強いて言えば食生活くらいかな・・・納豆とか和食が好きだから・・」

アインはそう言うと今度は少佐の肌に触れ始めた。

「スターも私とあまり・・変わらないと思いますが?・・」

アインが少佐の肌を触っていると

「やだw。アインさんその触り方くすぐったいですよ」

そういう平和なやり取りをしていると、アインはもう1人の邪魔者が居たという事を忘れていた。

「それじゃあもっとくすぐっちゃえ!ココとか〜おお!アタシに負けず大きいねえ〜。」

そう、コロンであった。

「きゃ!そこはダメですって〜も、揉まないでくださ〜い><」

「よいではないか〜」

アインは自分の胸を見た後に、少佐とコロンのやり取りを見て羨ましさと嫉妬心が芽生えてきた。

次第にエスカレートしてきてもはや見せる事の出来ない状態になっていた。
アインは止めようとしたがその激しさっぷりに自分も顏が真っ赤になり顏を半分湯船に埋めブクブクと息を溢していた。

・・・・そしてのぼせたのであった。














12/06/01 23:05更新 / PF大佐
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まろやか投稿小説 Ver1.50