月名の由来

 睦月・如月・弥生・卯月・皐月・水無月・文月・葉月・長月・神無月・霜月・師走。
 全部言えますか?言えますよね。日本人なんだから。言えない?じゃ憶えましょうね。今日から毎晩夜寝るときに、お祈りと一緒にこれを10回唱えましょう。1週間で憶えます。この憶え方なら墓の下まで持っていけますよ。メトセラは大学受験時代どうしても憶えられないことは全部これで憶えました。
 さて、今回はこれら月の名の由来について説明しましょう。…といっても、月の名前はほとんど自然発生的に付けられたもので、その由来については諸説紛々、全く定説をみません。そこでここでは比較的有力とされている説をいくつか紹介していこうと思います。

睦月一月
正月にみんなが“睦みあう月”だからというのでほぼ異説はない。
 
如月二月
寒くて衣を更に着る“きぬさらき”に由来するともいうが、旧暦の二月
はそろそろ暖かくなり始める頃なので不自然。次の弥生との関係から
も、草木が芽を張り出す“きくさはり月”が妥当と思われる。
 
弥生三月
草木が“いよいよおいしげる月”でほぼ定説。
 
卯月四月
一月を十二支の子とすると四月は卯にあたることからともいうが、なぜ
四月だけそうなるのか説明できない。“卯の花の咲く月”というのが有
力だが、卯月に咲くから卯の花というとの説もある。
 
皐月五月
よく、五月の蝿はうるさいから“五月蝿い”と書くというが、これは逆であ
る。“五月蝿”を“さばえ”と読ませるのが日本書紀にすでに見える。“五
月”はもともと“さ”と読むのである。
また、田植えの時期であることか
“早苗の月”とする説もある。
 ところで、よくゴールデンウィークに晴れると“五月晴れ”と言ったりす
るが、これは誤りである。旧暦の皐月とは現在の六月であり、五月晴
れとは五月雨(梅雨)の合い間のわずかな晴れ間を指す
のである。
 
水無月六月
“雨水が田に満ち々々ている月”だからというのが一般的。
他にも、“かみなりつき”のかとりが取れたというのもあるがこじつ
けくさい。
 
文月七月
七夕の日に詩歌を短冊に認めて奉納することから。また、梅雨があ
けて書物の虫干しをすることからも。
 
葉月八月
諸説紛々、どの説も怪しい。辛うじて説得力を持つのは“木の葉が落
ち始める月”
とする説。
 
長月九月
“♪あーきの夜長を鳴き通す”からでほぼ一定している。
 
神無月十月
十月は諸国の神々が出雲に集まり、“神様がいない月”だから。した
がって出雲だけは“神有月”と呼ぶのは有名な話。これでほぼ確定説
ではあるが、“雷が無い月”とする珍説もある。
 
霜月十一月
“霜が降り始める月”だからでほぼ異説は無い。
 
師走十二月
年末は法事で忙しく“師(僧)が走りまわる月”というのが人口に膾炙
するが、これでは“しわす”という読みを説明できない。これまで見てき
てほとんどがそうであったように、師走も当て字と見るべきである。年末
で、“歳果(としは)つ”、又は物事を成し終えるという意味から“仕果
(しは)つ”
に説得力がある。

 さーて、これで終わりじゃありません。日本で使われる月の名前はもう一つありますよね。そう、英名。January, February, March, April, May, June, July, August, September, October, Novenber, Decemberです。これももちろん言えますよね。え…言えない?だってこれ中一レベル…。えーっと、度忘れ…、そうきっと度忘れですよね。
 はい、この由来を説明するに当たって、予備知識として知っておいてもらわなければならないことがあります。それは、昔の暦は三月に始まり二月に終わっていたということ。

 (;゚Д゚)ハァ?

 かも知れませんが事実です。だから十二星座は三月の牡羊座が第一なのです。ぢゃ、一月・二月は何なのさ?となりますが、これは一年十箇月のおまけです。本来暦とは耕作の種蒔きの時期や収穫の時期を知るためのものです。したがって三月種蒔き〜十二月収穫で、後はどうでもいいのです。次に牡羊座が黄道にかかる時期までは、やることは何もないのです。
 したがって、現在の三月=昔の一月、現在の四月=昔の二月…、現在の十二月=昔の十月となります。以上のことを前提に、説明いってみましょう。説明をしやすくする都合上、三月からいきます。

March三月
冬があけ、戦争が開始されることから軍神“Mars”(マルス)にちなむ。
 
April四月
美の女神“Aphrodite”(アフロディーテ)の祭りがあることに由来。
 
May五月
春の女神“Maia”(マイア)の祭りがあるから。
 
June六月
主神ユピテルの妻“Iuno”(ユノ)に由来。
 
July七月
昔はそのまんま“第五の月”と呼んだ。しかしユリウス・カエサルがユリウス
暦に移行した二年後にカエサルが死亡したため、“Iulius”(ユリウス)の誕
生月であるこの月の名とした。
 
August八月
昔はそのまんま“第六の月”と呼んだが、初代ローマ皇帝アウグストゥス
Augustus)が自らの戦勝を記念して命名。
 
September九月
ラテン語で“第七の月”の意。
 
October十月
ラテン語で“第八の月”の意。
 
November十一月
ラテン語で“第九の月”の意。
 
December十二月
ラテン語で“第十の月”の意。
 
January一月
ユリウスがこの月を年始に持ってくるに当たって、物事の始まりを司る
ローマ神話の“Ianus”(ヤヌス)の名を付けた。
 
February二月
ローマ神話で牧畜と死を司る神“Fabruus”(ファブルウス)に由来。一年
の最後であることと、この神の祭りがあることから。