一族

 昔、

人「お婆ちゃんのお母さんは?」
私「ひいおばあちゃん」
人「ひいお婆ちゃんのお母さんは?」
私「ひいひいおばあちゃん」
     ・
     ・
     ・
と続けて、突然
人「おじいちゃんのお母さんは?」
私「ひいおじいちゃん…あ!」
人「えー、お前のひいじいちゃん子供生んだのかよー」

というのが流行りました。小学校低学年の頃の話です。でも正しい呼び方を知っていればこんなツマランいたずらには引っかからなかったでしょう。

 「ひいおばあちゃん」はいいんですが、曾祖父母に「ひい」をどんどん付けていくというのはもちろん誤りです。昔「カラ○ーチョ」のCMで「おばあちゃんがカラ○ーチョ食べてひーひーおばあちゃん」っていうのがありましたがあれは間違いです。

 曾祖父母の上のことを「高祖父母」(こうそふぼ)と言います。しかし、通常このような表現は使わず、単に「4世の祖」と言うのが普通です。そしてその上はもちろん「5世の祖」です。

 ですから、知っていれば

人「ひいお婆ちゃんのお母さんは?」
私「高祖母」
人「??? コ…コウソボのお母さんは?」
私「5世の祖。その上は6世の祖。でもって7世の祖。何世まで聞きたい?(* ̄∇ ̄*)エヘ」
人「あぅあぅあぅo(;△;)o」

となっていたことでしょう。いやー、ヤなガキだ。

 ちなみにこのような自分より上の世代のことを「尊属」といい、下の世代を「卑属」といいます。昔の「家社会」の名残でしょう。かつては「尊属殺人」といって尊属を殺してしまうと普通の殺人より重く処罰されていました。しかし、この規定は昭和48年の最高裁判決で違憲とされてからは死文化し、平成7年の刑法改正で完全に廃止されました。
 そしてこの卑属についても「ひ孫」「ひひ孫」とよくいいますが、これも間違いで、曾孫の子を玄孫(やしゃご)、その下から順に来孫(らいそん)、昆孫(こんそん)、仍孫(じょうそん)、雲孫(うんそん)といいます。しかし、玄孫はともかく、来孫あたりからは普通は使わないので、来孫を「5世の孫」(以下同じ)と言うのが普通のようです。

 なお、高祖父母の上を「高曾祖父母」(こうそそふぼ)というらしいですが、これは個人サイトから拾ったネタで、文献では未確認です。