「君が代」の君は、もともと天皇のこと


 

 「我が君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」(詠人知らず)

 これは古今和歌集の第343首に集録された和歌。もちろん国歌「君が代」の歌詞はこれがもとになっています。ここでいう「我が君」とは、天皇のことかというと、これを天皇と考える専門家はウルトラC級のどマイナーです。
 定説では、この「君」は地方領主か何かで、そもそもこの和歌もその家臣が正月の祝いか何かで主人に捧げたものだろうとされ、あえて天皇に限定する根拠は何もないそうです。したがってこの歌をもとにした「君が代」の君も天皇を指すとは限りません。