凡例:〔 〕内は引用者註
平成20年6月27日(金)
〔冒頭部分省略〕
それから、今日、発表事項が2つございます。1点目は、戸籍のない子どもさんに係る住民票の記載についてでございます。戸籍と住民票は連携、一致すべきというのが基本原則であります。しかし、離婚後300日規定など、民法772条の嫡出推定の関係で、出生届を出したくても現実には出さないで、結果として住民票が作成されないケースがございます。こうした問題について、人道的な見地からの対応が必要ではないかということで、これまでの考え方を基本としながらも、市町村長の判断で住民票を作成可能とできる場合があるのではないかということで、事務方に検討の指示をしておりました。
その結果、今回、一つは出生証明書等により、母親がはっきりしておりまして、結果、子供について日本国籍を有すること等が明らかであること。それから、2つ目として、民法772条の関係で、出生届を出せないということ。それから、3点目として、裁判や調停の手続きを進めていまして、いずれ戸籍が作成される可能性が高いことが、外形的に判断をできること。こういう3つの条件に該当する場合につきましては、市町村長の判断で住民票が作成できるとする方向で、法務省それから市町村の現場と早急に調整するよう指示をいたしました。
今申し上げましたように、最後、若干関係するところとの調整が必要でございますが、それを終えて7月のできるだけ早い時期に通知等を発出いたしまして、この住民票の記載をできるようにするということで対応していきたいということであります。この点についての詳細は事務方から説明いたします。
〔途中省略〕
〔質疑応答省略〕
問: 住民票がないと免許がとれなかったり、選挙に行けなかったり、転居に支障がでるようないろいろな例があるのですけれども、こういう現状について大臣は、住民票がほしくてもとれない方がいるということについて、どう認識されるかという点と、先ほど、外形的な判断とおっしゃったことはどのような根拠があるのかという点と、あと、住民票の記載というのはどういう形になりそうなのかという点をお願いします。
答: 住民票がないと様々な社会的に受けられるサービスが提供できない事実がある。これはやはり、国民として問題が生じているのではないか。それから、その住民票にサービスが結びつくのは、当然公的サービスですから、住民票を基本として各自治体がサービスを提供するという、この考え方は当然のことだと思うのですが、それと現実に法律の規制の狭間の中で、今の制度の中で出生届を出したくても様々な原因で出せない事情があるということ、それを人道的にどう解決するかというのがこの問題ではないかというふうに思っています。
今回できるだけ、解決できる網を広げていきたいという思いで事務方に検討させたことでありますが、住民票の記載がどうなるか、さらに事務方の方で今後検討させたいというふうに思っています。まだ、そこまで私は聞いているわけではないのですが、外形的に判断するといった場合に、市町村が判断を躊躇するというか、なかなか判断がつきにくいことであっては困るわけです。実際には、裁判、それから調停手続でこの問題を解決する。認知のことを申し立てるとか、あるいは親子関係の不存在の確認訴訟を申し立てるとかございますので、そういった訴えが司法当局にいけば外形的にわかりますので、その判断が出るのに3〜4週間か1か月以上ですか、スピードが司法当局でどの程度かかっているかわかりませんけれども、できるだけ早く住民票を発行したほうが様々なサービスも受けやすいと思います。多分、例としては強制認知の方が多いのではないかと思います。場合によっては親子関係の不存在確認の訴訟の方でいく人もいるかもしれませんが、いずれにしても、そういう手続に入り、訴状が送達されれば外形的にわかりますから、そのことで市町村が判断に迷わないような時点で、今言いましたような住民票を作成できるようにしていきたい。細かな点については、今後また市町村の担当者の意見を聞きながら制度として作っていきたいというふうに思います。
〔質疑応答省略〕