アームチェア CAT (編み座)
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ナラ材  W590×H740×D500×SH400      価格 157,000円



展示会であるお客さんが、「まるで猫のようだ」と言われました。それをきっかけにして、Catと命名しました。



滑らかな曲線、曲面のつながりがこの椅子のコンセプトです。部材の接合部は、もともと一体の物であったかのように滑らかにつながっています。
プロの木工家ですら、「よくここまでやるものだ」とため息をつきます。

全体のデザインとしては、ストレッチャー(脚を接続する部材)を省略して、スッキリとした形にしているのがポイントです。


ストレッチャーを省略する代わりに、アームで強度をもたせています。


部材の接合部は、ガッチリと「ほぞ」で組んでいますので、たいへん丈夫です。

後脚まわりのほぞ組み
前脚まわりのほぞ組み

椅子の強度を確認するために、体重85キロの私が、2年間試し使いをしました。それでも、少しのガタも生じませんでした。





座面はペーパーコードと呼ばれる紙ひもで編んであります。和紙とおなじような組織を持った素材で、延びにくく切れにくいという性質があります。

耐水加工を施してある素材なので、多少の水濡れは問題ありません。汚れた場合、編み直しも可能ですが、強度の点から言えば30年はもつだろうと言われています。

座面の裏側はこのようになってます。ペーパーコードを縛って繋ぎながら編んでます。編みは専門の職人さんにお願いしてますが、その方はとても良い腕を持ってます。北欧の椅子の編み直しなどもされますが、オリジナルより品質が高くなるようです。
椅子の材は北海道産のナラです。北海道のナラは、その品質の高さから世界の一級品として認められており、海外へ輸出されてきました。
Cat誕生の裏話は、木と木工のお話・第10話「椅子の難しさ」に述べてあります。こちらの方も参照して下さい。



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