木工に万力を使うということは、古来の日本の木工には無かったようである。床に座って作業をした昔の職人は、足で材木を押さえて保持するというような、アクロバティックなことをやっていたらしい。

 欧米の木工では、被加工材を万力で固定するというのが、一般的である。私は開業当初から、その欧米流に従うことにしていた。材をしっかり固定できれば、作業はたいへんラクになる。中年になってこの道に入った私には、それ以外には選択の余地は無かったのである。

 写真の万力は米国製のもの。万力もそうだが、物を締め付けて保持する工具、いわゆる圧締工具に関しては、米国製は品質が良く、種類も多く、しかも安価である。

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