こんなふうに、手作りです
 これはテーブルの甲板を鉋がけしているところである。板はカバ材でとても硬い。薄い鉋屑がスルスルと出ているが、これくらい薄い鉋屑が出るように鉋を調整しなければ、硬い材は削れない。

 以前勤めていた会社の同僚で、私の家具を買ってくれたことのあるご家族が、展示会を見に来てくれた。会場にパネル展示してあったこの写真を見てご主人は、「大竹さん、職人なんですね」と驚いたふうであった。

 私は心の中で苦笑した。このような手作業は、無垢の木材を使って家具を作る者にとって、当たり前のことだと私は理解している。しかし、一般の方から見ると、十代から親方に付いて修行している木工家ならいざ知らず、三十半ばになって脱サラで始めた者が、こういう「まっとう」な仕事をしているとは、思いがけないことなのかも知れない。

→次の画像へ
→Topへもどる