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「オーランドー」 ヴァージニア・ウルフ 杉山 洋子 訳 (ちくま文庫)
 こういった実験的というか遊びのあるメタ小説的なものは、嫌いではなかったはずなのだが、やや違和感があったのは、訳のせい・・・といってしまえれば楽なのだけれども、多分にはブンガクから遠さがって久しくなるなかで、私の感覚が鈍磨しているからなのだろうし、さらに英文学史への理解が全くないことが追い討ちをかけてる。

 両性具有---というか性転換---の要素は、確かに物語の流れのなかで決定的に重要なのだけれども、フェニニズム的な発言はは、常に語り手によって相対化されているように思う。このくらい余裕があるスタンスだと安心して読めるのにね。(まあでも、それはオーランドーが常に大金持ちで生活の心配をしなくてよい家柄だからだね。)

 昔、友人に誘われるままに観た映画「オルランド」、当時はウルフについてぜんぜん知らなかったのだが、結構強い印象を受けていた。原作と比べると、かなり単純化した構成となっていたのだが、あれはあれとして独立して楽しめる。

2004.04.10