妖怪でも飯は食べる。
そして、この食事こそつららが活躍する場であり
今日もエプロンを着て奮闘していた。
「あっ、おかわりですか。」
リクオの空になった椀を目ざとく見つけてご飯をよそう。
その冷たいご飯を受け取りながら
リクオはエプロン姿のつららを見つめていた。
「なにかついていますか?」
つららはまじまじと見つめられて、少し緊張していたが
それとは逆にリクオは着物にエプロンって和風なメイドさんみたいでいいな
などとのん気な事を考えていた。
「いや・・・・・その、エプロン似合ってるなと思って。」
着物にという主語を省いていたが正直に言ってみた。
「えっ!そ、そうですか。」
言われたつららは顔を真っ赤にして、エプロンの裾を握り締めた。
「そ、そうだ、卵かけごはんにしましょう。」
照れを隠すためあわてて話題を変える。
ーあっ!
よほど動揺していたのか卵を落としてしまう。
幸いエプロンの上に落ちたので割れずに済んだが
ころころとエプロンから着物をつたって太腿の奥へと入ってしまった。
いけない。たまごが割れたら着物が汚れて大変だ。
リクオはつららの着物を太腿までめくり上げると
素早くたまごを取り出した。
「ふーっ、割れなくて良かった。」
リクオは安堵の溜息を漏らしたが
つららの方を見るとなぜか固まっている。
「な、なななな・・・・・・!なにしてるんですか!!?」
「えっ?なにって、卵とっただけだけど・・・・・」
視線をつららの足元に向けて眼が釘付けになった。
目の前に白い太腿と白い下着が・・・・・
はっとしてー、つららは今更のようにあわてて隠した。
真っ赤になって睨みつけてくる。
「リクオさま〜!!」
「いやこれは不可抗力で、そうだ!この卵が悪いんだよ!!」
必死に弁明を試みる。
「そうですか。卵が悪いんですね。」
急につららが笑顔になった。
「わかってくれた。」
リクオはほっと胸をなでおろしたがー
すかさず持っていた卵を取り上げられた。
「あの、卵かけごはんは?」
つららは笑顔から一変、冷たい眼で言い放った。
「卵の代わりにケシゴムを食べてもらいます。」
「えっ、ええええ〜っ!??」
果たして、リクオはケシゴムを食べさせられるのか!?
つづく・・・・・
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