行殺(はぁと)新選組りふれっしゅ 近藤勇子EX
第4.5幕『闇を討つ光』(前編)
「は〜う〜。怒られた〜」
黒谷(京都守護職の会津藩本陣)からの帰り道、新選組局長の近藤さんは、がっくりと肩を落としていた。
「うむ、それにしても芹沢さんは・・・」
同道の土方さんは、静かに怒っている。
「今度は何です?」
俺は近藤さんの護衛としてついて来てるだけなので、京都守護職松平けーこちゃん様とは面会できる身分にない。お忍びの時はともかく、近藤さんが正式に本陣に呼び出された時には従者の俺は控えの間で待ってるしかないのだ。
だが、池田屋事件の大活躍もあり、その後キンノーもおとなしいから、最近はそんなに怒られる事もないはずなのだが・・・。
「正座で3時間お説教なんだもん」
「そしてお小言が実に耳に痛かった」
「そーだよねー」
「何があったんですか?」
「カーモさんがね」
新選組のもう一人の局長、カモミール芹沢は、暗殺未遂事件(※第2幕後編を参照)以来、大坂の街から帰って来ない。局長が2人いるのも変なので京都は近藤さんに任せ、自分は大坂新選組の局長をやってるのだ。
「あの時の押し借りに味をしめて、大坂の豪商さんたちからお金を集めてるんだって」
「それはいつもの事では? 俺たちもやってることだし」
新選組隊士にとって、京の商家から善意の寄付を集めてまわるのは立派な任務の一つだ。
「いつもじゃないもん。たまにだもん。お金が足りなくなった時だけだもん」
近藤さんがふくれる。
「でも、それで正座3時間説教はやりすぎじゃないですか?」
「芹沢さんは押し借りをしまくって、7万両をかき集めたらしい」
俺の問いに土方さんが苦々しく答える。
「7万両というと、14億円!」 そのあまりの巨額に驚く俺。
「なに? 14おくえんって?」
「あ、それは気にしないで下さい」
「会津28万石の年間予算が7万両だから、それと同じ額を集めるなんて生意気!
って、けーこちゃん様から怒られたの」
「なるほど〜」
確かに俺たち新選組は京都守護職お預かりである。会津藩の下位組織である新選組が会津藩の年間予算と同じ額を使えるとなったら、そりゃー、けーこちゃん様でなくても怒るだろう。
「でね、カーモさんは目指せ10万両キャンペーンをやってて、
それで、しょっちゅう宴会を開いては、ぱーてぃー券を買わせてるんだって」
うーむ、どこぞの政治家みたいな事を・・・・。
「でも何で会津藩にバレたんですかね? 押し借りは表向き善意の寄付のはずですが」
「表向きじゃないもん! ちょっと借りてるだけだもん。ちゃんと出世払いするんだもん!」
近藤さんが、またふくれる。
「出世できるんですかね?」
「う、多分、きっと、そのうち・・・・」 だんだんと近藤さんが小さくなる。
「どうやら、大坂西町奉行所の内山彦次郎という与力が、会津藩の公用方に告げ口したらしいのだ」
「なるほど、それは命知らずですね」
「命知らずって?」
「俺たち新選組に逆らったらどうなるか教えてやりましょうよ」
「・・・・ふむ、それもまた一興だな」
「島田くん〜、トシちゃん〜 そういうのはダメだからね」
「いや、今のは冗談だが、しかし告げ口とは武士の風上にもおけぬ奴だ!」
「そーだよね。直接あたしたちに言って来ればいいんだよ」
「そんなことしたら、カモちゃんさんの事だから、奉行所にカモちゃん砲を撃ち込みますよ」
「そ、それは、確かにそうかも・・・」
「しかし、松平様のお心を
土方さんが思案顔になる。
「7万両というと・・・京都中の遊女を総揚げして・・・(にへら)」
俺は7万両という数字からあらぬ事を想像していた。
「島田くんのばかーーーっ!」
「ぐはぁ」
俺の独り言を聞きとがめた近藤さんの渾身のぐーが俺に炸裂。さらに、
「士道不覚悟ぉっ!」
「ほぐっ」
鞘のままの刀で土方さんから殴られた。
「お、俺は何もしてないんですけど・・・・」
「うるさい! 我々は松平様から怒られて気が立っているのだ!
そういう時に馬鹿な想像をするお前が悪い!」
2人はぷんぷんと怒って先に行ってしまう。
「あ〜、待って、待って下さい」
俺は慌てて2人を追いかけた。
帰営後、土方歳江は一人静かに考えを巡らせていた。
以前、けーこちゃん様から「芹沢をシメといて」と命令された時は、キンノーを使って暗殺しようとしたが、島田・山南のせいで失敗に終わった。まあ、芹沢さんが撃たれて重傷を負ったからそれはよしとしよう。
今回こそ芹沢さんを排除し、近藤を中心とした新選組としなければならない。そして島田の言葉ではないが、奉行所与力の分際で我々新選組に楯突く内山彦次郎にも思い知らさねばならない。何とか両方をうまく始末する方法がないものか・・・。
ふむ、まずは内山だな。新選組に逆らったらどうなるか教えてやる!
町奉行所とは言っても、大坂町奉行所は単に犯罪捜査の仕事をしているだけではなかった。
徳川幕府の大坂出張所としての全役割を負っていたのである。
その仕事内容は多岐にわたり、
火消し、寺社奉行、更には、米・塩・味噌・酒・生糸・金などの各種物産品を司ることまで。つまり、今風に言うと、警察署・裁判所・消防署・国土交通省・農林水産省・経済産業省・財務省などの役所の仕事を全て行っていたのが大坂町奉行所なのである。その権限は絶大なものだ。内山彦次郎は、この大坂町奉行所の中でもかなり高位の役人だったのである。
内山は生糸や米の相場を操作して市場価格を釣り上げている悪代官だ。そして利鞘で巨利を得ている。不正を働く幕府の役人なのだからキンノーが天誅を加えても何ら問題はあるまい。
まずは斬奸状を送り付け、キンノーの仕業に見せかけてこれを暗殺。
うむ。大坂にいる芹沢さんに命じて内山を暗殺させよう。
そして・・・・その後、幕府の役人を殺害した犯人として芹沢さんを処断すればいい。まさに一石二鳥。さらに芹沢さんの集めた7万両は我々が有効利用させてもらうことにしよう。ふっ、完璧な計画だな。よし・・・・島田と同レベルなのがちょっとひっかかりはするが・・・・まあ、いいか。
策士土方の面目躍如。こうして練り上がった完璧な計画を元に土方歳江は動き始めた。
俺は井戸端で
そういう雑用も俺たち近習の仕事だ。・・・というか谷周子ちゃんが妹分になってから、俺は局長のお相手から雑用係に格下げになったよーな気がしないでもないが・・・女の子同士の世界に男の俺は入り難いものが・・・・
お、門から巡察隊が戻って来た。槍の穂先を銀光に煌かせ、誠の隊旗が誇らしげに翻っている。うーん、あっちが本当の新選組だよなあ。男の世界だよなあ。いや、別に今の仕事が嫌ってわけじゃないが。
「島田ー」
斎藤はじめの声だ。今の巡察隊に居たのだろう。女の様な華奢な体つき、優しい顔をしてるくせに、剣を抜くと夜叉の様に恐ろしくなる。俺と同期入隊だが、斎藤は実戦部隊の最精鋭、俺は雑用係・・・・。
俺は斎藤の方を振り返った。視界がブレる。これは
・・・・何だ? 斎藤がゆっくりと走ってくる。足音が妙に大きく響いてくる。ターン、ターンと地面を蹴る度に時計のような音がする。何だ? 斎藤の足元の影が赤い・・・・。その赤い影がどんどん地面に広がっていく。
地面全体が真っ赤になる。
真っ赤な地面の中心に斎藤が立っている。
斎藤を中心にあたかも血が流れ出したかのようだ。
斎藤の足元に人間が折り重なって倒れている。
その体から鮮血が糸を引いて流れ出している。それが地面を赤く染めているのだ。
谷
血まみれになっているが、あの特徴的な服装は見まちがいようもない。そして視線を上げると、地に伏した彼女たちの傍らに血刀を
「島田! 島田!」
斎藤の声が聞こえる。俺は井戸端に帰って来た。
「斎藤っ・・・・!!」
俺は我に返ると、斎藤から跳び
刀を抜き斎藤に向けて構える。
「島田!?」
斎藤は目を丸くしている。頭がズキズキと痛い。・・・・今のは、そうか! いつものか! じゃあ、斎藤が谷三十華と武田観奈を斬るのか? 確かに仲は良くないみたいだが、しかし・・・・。
俺は構えを崩さない。その異様さに斎藤も気付いた。
「島田、ひょっとして、いつもの・・・・」
俺は答えない。ただ黙って刀を構え続けるだけだ。
「島田・・・・」
斎藤が悲しげな目をする。信じていた友に裏切られた、そういう目だ。
「お前が血刀を下げてた。そして足元には血まみれの谷三十華と武田観奈が倒れていた。
それが見えた」
「なんで僕がそんな事を!」
「そんな事は、俺は知らん!」
「でも、島田の予知は正しいんだよね、いつも。じゃあ、僕が谷さんたちを斬るんだね」
「お前、谷や武田に恨みを抱いてるか?」
「それは、あまり好きではないけど・・・・」
「何か弱みを握られてて、脅されてるとか?」
「別にないよ」
「じゃあ、何で斬るんだよ!」
「僕も知らないよ!」
「・・・・」
「・・・・」
俺と斎藤はしばしの間、睨み合った。
「うーむ、
俺は刀を収めた。
「斬る事になるのかな・・・・2人を?」
「これまでだって、近藤さんやカモちゃんさんを救って来たんだ」
「僕も救ってくれるんだね!」
斎藤が両手を握りしめて、俺を見上げる。目が少女マンガの様にキラキラ輝いている。俺は更に2歩ほど後ずさる。
「谷と武田を救う」 ボソリとそう告げる俺。
「島田〜」
斎藤が号泣する。俺はそんな斎藤にクルリと背を向けると、洗い終わった硯と筆を持って、その場から歩み去った。
いつもの頭痛はやっかいだが、それで仲間の命を救えるのなら安いものだ。(ついでに斎藤も)
「山南様っ、お暇なのでしたら、私とデート、い、いえ、巡察に出掛けましょう」
ミントグリーンの長い髪に、黒を基調とした制服。ヒラヒラの超ミニのスカート。谷三十華だ。ちなみに槍術師範の谷三十華は、山南LOVEである。(※米倉さとや様の藤鈴堂に投稿している谷三十華シリーズを参照の事)
「しかしのう。総長が自ら巡察に出るわけにものう。歳江さんが怒るからのう」
新選組副長の山南敬助は、伊東甲子が参謀として迎えられて以来、総長に昇進していた。しかしながら、この新たに新設されたポスト『総長』には、何の権限も仕事もないため、山南は日がな一日縁側でひなたぼっこをして過ごしているのである。役目を失った彼は一気に老け込んでいた。
「そうどすえ。山南先生は、総長はんなのやから、軽々しく出歩いてもらうわけにはあかんのどす」
こう言って山南にお茶を差し出すのは、武田観奈だ。苦い漢方薬が嫌いだった彼女は蘭学を学び、蘭方医にして西洋軍学者。為に石田散薬の信奉者である副長土方歳江から疎まれていた。それで出世のためにもう一人の副長、山南敬助に取り入ろうとしていたのだが、彼女も山南の魅力に引き込まれ、山南LOVEになってしまった。つまり三十華とはライバルの関係にある。武の三十華、知の観奈。この2人がそれぞれ山南を補佐すれば、伊東ぐらい蹴散らせそうだが、残念な事に2人の仲は悪かった。
山南を挟んで2人の間に激しい火花が散る。中庭は緊迫した空気に包まれた。そこに島田がフラフラとやってきて、3人の目の前で、ずでっとコケた。
ガチャンと
「・・・・」 あまりの唐突な展開に3人とも無言だ。
「あいててて・・・」
「島田くん、大丈夫かい?」
「や、山南さん!? それに谷と武田も・・・・」
俺は絶句する。じゃあ今見た光景は・・・・。
「島田くん、顔色が真っ青だが・・・」
「あ、いや、何でもないですよ。ははは」
俺は笑ってごまかす。
「ああっ! 近藤さんの硯を割ってしまったあ!」
俺は大袈裟に嘆いてみせるが、
「いや、硯はまた買えばいいだろうが・・・・島田くん、まさか!」
山南さんの顔付きが変わる。今までののほほんとした昼行灯から、一気に武士のそれに変わる。どうやら山南さんは気付いたらしい。
「山南様、一体?」
「せや。全然わかりまへんが」
谷と武田は不思議そうな顔をしている。そういえば、2人は俺の頭痛予知の事を知らないのだ。
「えっ? いや、何でもないですよ。そ、それでは、急ぎますので!」
俺は3人の前から走り去った。
なんてこった。斎藤には、谷と武田を殺した斎藤を見、そしてたった今、不意に見えたのは、山南さんの切腹! しかも介錯してるのは俺じゃないか! 歩きながらだったので、転んで近藤さんの硯を割ってしまったが、それどころではない。今まで連続で見えた事はなかったのに・・・・ああっ! 2倍頭が痛い! そして、何だ? このズキズキは。大きな黒い影? あれは・・・・土方さん? 土方さんの波動か? なんで土方さんが? とにかく何とかしないと・・・・。
俺は、とりあえず
近藤さんの時には場所が見えた。カモちゃんさんの時にも血の川が見えた。だけど、今度は全然分からない。近いうちに何かが起こるのだとしても、分からなければ防ぎようがない。バカバカ。役立たずな俺の頭痛!
「あーっ、島田くん。 その硯、お気に入りだったのに〜」
「・・・・」
えーと、取り敢えず何から話そうか。斎藤の件からだろうか、山南さんの切腹からだろうか? 硯の件は後回しだよな、やっぱ。
「はぅ? 島田さんの様子が変ですぅ」 周子ちゃんが先に俺の様子に気付いた。
「島田くん、どうしたの?」
硯が割れた事はショックだったのだろうけど、それ以上に魂の抜けたような俺の様子の方が気にかかったようだ。
「それが・・・・」
俺は今し方見た予知を近藤さんに話した。これまでも俺の予知は当たっている。間髪入れずに次々見えたと言うことは、これは一連の事件なのだろうか?
「姉様が、はじめちゃんに! そ、そんなのウソですぅ!」
「いや、まだ分からないし」
「トシちゃんが見えたの?」
「いえ、何となくそんな気がしたんですが・・・・」
俺も自信がない。最後のは頭痛と一緒に一瞬そんな感じがしただけだ。
「うーん」
近藤さんが考え込む。
「そうだ、あたしにいい考えがあるの」
「いや、俺の頭痛が間違ってるかもしれないし・・・」
「でも今まで百発百中じゃないの」
「それはそうですけど・・・」
「だいじょーぶ。あたしに任せて」
近藤さんは自信たっぷりにそう言う。
「勇子姉様ぁ〜」
「大丈夫、三十華ちゃんも観奈ちゃんも山南さんも、みんな新選組の大切な仲間なんだから。
とにかくあたしに任せて」
近藤さんはそう言うと、部屋から出ていった。これも予感だが、今回は俺レベルではどうにもならない気がする。俺に何も策がない以上、近藤さんに任せるしかない。
スパンッ。音を立てて障子が開かれた。
土方がびっくりして間口を見ると、近藤勇子が満面の笑みを浮かべて立っている。
「近藤、人の部屋に入るときはノックぐらいするものだぞ」
トントン。近藤が障子の縁をノックする。
「開けてからノックしてどーする?」
「だってまだ入ってないよ」
近藤は障子を音を立てて開けただけで、まだ室内に踏み込んではいない。
「・・・・確かに」
「わぁい。あたしの勝ち〜」
「近藤、トンチの勝負でも挑みに来たのか?」
「あ、違うの。きいて、きいて、トシちゃん、名案を思いついちゃった」
「ほう?」
「大坂に山南さんを派遣するの。きっと大坂には副長がいないからダメなんだよ」
“・・・今のは皮肉だろうか?”
局の一切を取り仕切っているのは副長の土方である。暗にその事を皮肉られたのだろうか。だが、近藤を見るといつもの裏表のない笑顔でニコニコと笑っている。
「山南は総長の要職にあるのだぞ」
「だって、ひまそーにひなたぼっこしてるよ」
「む、それは確かにそうだが・・・山南に芹沢さんを止められるのか?」
「カーモさんはきっと構って欲しいんだよ。
あたしたちが大坂新選組を無視してるから、きっと拗ねてるんだよ」
“・・・・どこからそんな発想を・・・・近藤らしいといえば近藤らしいが・・・・”
「確かに山南はヒマを持て余しているようだからな。適任かもしれん」
“山南に芹沢さんを止められるとは到底思えないが、山南はもはや新選組にとって不必要な存在だ。
芹沢さんと一緒に粛正するチャンスか”
「でね、三十華ちゃんと観奈ちゃんを護衛につけようと思うの」
「谷はともかく、武田は護衛の役には立たんだろう」
「だって、ウチには甲子ちゃんが居るじゃない。大坂にも軍師は必要だよ」
“そういう事か。ふん、伊東の差し金だったのか。
あの女狐め、芹沢さんの件にかこつけて、邪魔な山南派を追い出す腹積もりか。
まあいい。こちらも利用させてもらおう”
「確かに近藤の言う通りだな。では山南、谷、武田の3名を大坂へ派遣しよう」
「わぁい。トシちゃん大好き」
「これで3人はだいじょーぶだよ」
局長室で近藤さんが
「わぁい。勇子姉様ありがとうです〜」
ううーむ、カモちゃんさんを押さえる為に、山南さんを大坂に派遣するのは良い考えだとは思う。取り敢えず斎藤から離れた所に居れば、谷と武田も大丈夫だろう。だが何で土方さんがあっさり納得したんだ? そっちが気になるな。
「総長はんが大坂になあ。これはおもろいことになりそうやわぁ」
新選組参謀、伊東甲子は北辰一刀流。北辰一刀流はキンノーが習得していることでも有名な流派だが、実は伊東も隠れキンノーなのだった。彼女の使命は佐幕派急先鋒の新選組を内部から洗脳してキンノーに変える事。そして同じ任務を帯びて新選組に入っていながら、池田屋事件を防げなかった山南敬助の処分。伊東も暗に動き始めた。
こうして、様々な思惑が交錯しながら、山南敬助・谷三十華・武田観奈の3人は下坂していった。
(あとがき)
当初、近藤勇子EXは、島田が伊東甲子を斬って近藤勇子を救うのが前編、板橋の刑場から近藤を救出する後編という感じで考えていたのですが、そんなもんじゃダメだということに気付きました。そこで島田の入隊から物語を作り直す事にし、近藤勇子EX前編を第4幕と位置付け、
第1幕:島田入隊
第2幕:カモちゃんさん暗殺
第3幕:池田屋事件
第4幕:伊東参謀事件
第5幕:鳥羽伏見
第6幕:近藤救出
第7幕:明治
という感じで書こうと決めたのが、2003年の3月8日でした。この時から、どんどん幕末・新選組の事を勉強し始め、書きたいストーリーが次々と増えて行き、こうなったら書いてしまえ。ということで1.5幕が増え、第2幕・第3幕も前後編に。オリジナルキャラの谷3姉妹も加わり、だんだんと行殺から離れて行ってる気もします。
そして、今回、山南切腹事件と内山彦次郎暗殺事件の事が書きたくなったので、書きます。どんどん脱線して行ってる気がする〜。まあ、いいか。
(補足)
内山彦次郎暗殺事件ですが、理由にはいくつかの説があり、
@内山がその職権を利用して米相場を上げ、庶民を苦しめた為、暗殺したというもの。
A新選組は当時大坂の豪商から押し借り(表向きは善意の寄付)をしまくり、総額で7万両(約14億円)もの大金を手に入れておりました。で見かねた大坂町奉行所は、商家に対し、新選組に対する献金を止めさせ、町奉行所に被害届を出すように指導します。表向き善意の寄付である以上、事件ではないので町奉行所では取り上げられないのです。被害届が出たところで会津藩に直訴する。新選組としてはそんなことをされては困るので暗殺した。
B大坂での力士殺傷事件の際、内山が近藤に対して敵対する(悪いのは新選組の方だが)態度を取った為、ムカついた近藤が暗殺を命令した。
などがあります。今回、私は@とAをほどよくミックスして、更に山南・谷・武田の事件を絡めてみます。
内山暗殺事件は、池田屋の前ですが、まあ、別にいいじゃん。そういうわけで、後編に続きます。