「行殺(はぁと)新選組りふれっしゅ『近藤ゆーこEX』」

第3幕『風雲!池田屋事件』(後編)


 桝屋の捜索の結果、桝屋からは武器・弾薬の他に、キンノー側の機密文書が多数見つかった。山南らの学者肌の幹部がそれらを分析した所、キンノーの極秘計画『皇宮焦土作戦』の全貌が明らかになった。それは、風の強い日に御所の北側の京の町に火をかけ、その混乱に乗じ、御所に参内した佐幕派公家や大名を片っ端から捕縛、あるいは殺害し、更には天皇を拉致誘拐し、長州の地に攘夷討幕の新政権を樹立するという無茶苦茶なものであった。だが、桝屋に集められていた武器・弾薬の量や見つかったキンノーの志士達との間の書簡から彼らが本気でその計画を実行に移そうとしているのは明白だった。

「京の町を灰にして、天子様を誘拐するなど、言語道断!」 土方さんが激高する。

「それって、尊王攘夷なんですかね?」

 俺は首をかしげた。天皇をたっと夷狄いてきを打ち払うのが尊王攘夷そんのうじょうい
キンノーとは尊王攘夷の過激派テロリストである。新選組はそのキンノーと戦ってはいるものの、それはキンノーが人様に迷惑をかける集団で、新選組の任務が京都の治安維持だからである。別に新選組が天皇を軽んじているわけではないし、むしろ、天皇も将軍もどちらも敬っているのである。いわゆる尊王佐幕だ。

「うむ。攘夷はともかく、それは尊王ではないな」

 どちらかというと尊王派な山南さんが俺の意見に同意する。北辰一刀流の使い手にはキンノーが多い(坂本龍馬・桂小五郎・清河八郎・伊東甲子など)が、山南さんも北辰一刀流である。同じく元が水戸天狗党の出身のカモちゃんさんも尊王派であるため、2人とも土方副長から睨まれている。尊王=キンノーであるため、ともすると新選組が何と戦っているか分からなくなってしまうからだ。局の分裂を何よりも恐れる土方さんとしては、局内に尊王派がいるのは面白くないのだ。

「ふ、珍しく意見が合うな、山南」

 “意外だな”という目で山南さんを見る土方さん。土方さんの意見に山南さんが素直に従うというのは確かに珍しいことだ。

「京の町を焼き払い、天子様を誘拐するというのは、もはや尊王でも何でもないよ」

「何よりも、火事になったら京の町の人達が困るんだよ。
 そんなことあたしたちが絶対に許さない」

 近藤さんが立ち上がる。

「うむ。連中を一斉検挙するぞ!」

「異存はない」

 土方さん、山南さんも立ち上がる。場が一気に盛り上がるが、

「はぅ? どこに出動するですかぁ?」

 谷周子ちゃん(島田誠・谷周子は局長近藤勇子の近習)が首を傾げる。場が一気に困惑した。

「えーと、どこだろ? トシちゃん」

「いや、そう聞かれても困るが、それを今から捜索して・・・・」


「トシさん、大変よ!」 沙乃が飛び込んできた。

「どうした?」

「隊士の半数が倒れたわ」

「何だと!」

「山崎の話じゃ、食中毒だって」

「この忙しいときに、食中毒なんかになるな!」

「同じものを食べてるのに俺たちは無事だな」

「島田が頑丈だからよ」

「ふっふっふっ」

「別に褒めてないわよ」

「ここにいる皆は食中毒にかかってないな」 土方さんが見回す。

「ひょっとして桝屋に出動していた俺たちだけが無事なんじゃないのか?」

「そう言われると、そうね。アラタも元気だし」

「僕と鈴音は近所の子供達と親睦を深めていた」

 山南さんが真顔で言う。いつものように子供達と遊んでいたのだろう。

「また、さぼっていたのか」

「地域に愛される新選組をPRしていたんだ」

 真顔で続ける山南さん。この親父は言い訳の達人である。

「分かった。分かった」

 辟易したように話を打ち切る土方さん。どう言っても言い逃れられるのはいつものことだからだ。

「ゆーこさん、トシさん、山南さん、島田、アラタ、斎藤、
 へー、そーじ、谷さん姉妹、沙乃が無事だから・・・・」 

 指折り数える沙乃。 「食中毒なのは屯所に残ってた隊士だけね」

「まさか、キンノーの?」 近藤さんが気付いた。

「ありうる話だ。キンノーのテロ活動に一番素早く対応出来るのが我々新選組だからな」

「手段を選ばず妨害に出たということだね」

「それだけキンノーの『皇宮焦土作戦』が近いということだ」

「トシちゃん、どうしよう」

「こちらも手段を選んではいられないな。
 よし、古高を尋問しよう。奴なら何か情報を握っているはずだ。
 近藤は出動準備の指揮を取れ、なに手間は取らせん」

「トシちゃん、あんまりひどいことしちゃだめだからね」

「ふ。私に任せておけ」 土方さんの顔に悪魔の微笑が浮かんでいた。




 土方さんが古高の尋問に行ってしまったので、出動準備の指揮は近藤さんが取る。

「各自に鉢金と鎖帷子かたびらを配布して。
 鎖帷子ない人は稽古用の竹胴でもいいよ。要は刀を逸らせばいいんだから」

「病人が多いから、出動する人間の分の防具はあるよ」

 永倉が長持ながもちから鉢金と鎖帷子を取り出して配る。

「鉢金は裏に綿を詰めてから、ハチマキに糸で固定してね。
 これでも鉄板だから面を防げるんだよ。
 緩んでると落ちてきて視界を塞ぐから、しっかりと締めてね」

「お裁縫得意だから私がやってあげるよー」

 藤堂平が裁縫箱を手に現われ、高速で縫い付けを始める。

「あ、あたいのも頼む」

「沙乃もー」

 永倉と沙乃が自分の分の鉢金をへーに差し出す。確かにこいつらは家事は苦手そうだ。

「任せて。誠は?」

「俺は、この鉄板仕込みの陣笠があるから大丈夫」

 第一幕で全財産を注ぎこんで購入した防弾陣笠だ。


「あと刀の目釘を確かめて。いざって時にすっぽ抜けたら大変だよ。

 近藤さんが矢継ぎ早に命令を飛ばし、着々と準備が進んで行く。


 俺も自分の刀を点検し、いつもの鉄板仕立ての陣笠を用意する、刀も銃弾も防ぐ優れ物だが、重いのが欠点だ。まあ、これはもはや俺のお守りみたいなもんだ。


「周子ちゃん、黒谷(会津藩本陣)への連絡は?」

「大丈夫ですぅ」

「ゆーさん、今、返信が届きました」 そーじが玄関から書状を持って現われる。

「読んで」

「『悪ヲ斬リ捨テ正義ヲ示セ』です」

「手伝ってはくれないんですかね」

「会津藩が動けば、長州藩との全面戦争になっちゃうもの。迂闊には動けないよ」

「ま、そのために沙乃たち、新選組がいるわけだし」

「そうだぜ、あたいたちだけでじゅーぶん!」




 全員の出動準備が整った頃、土方さんが情報を持って戻って来た。特別な地下室で古高を尋問していたのである。

「古高がてこずったので思いのほか楽しめたぞ」

「土方さん、そのムチとロウソクは何ですか?」

「ああ、つい持って来てしまったか。うむ。ムチとロウソクは基本だろう。はっはっはっ」

 そう言って土方さんが楽しそうに笑う。

「強情な奴が最後には泣き叫んで許しを乞う。そこが醍醐味なのだ。
 強靭な精神の鎧を一枚一枚剥ぎ取るこの楽しさ。くくくっ」

 土方さんの顔にサディスティックな表情が浮かぶ。

「ひ、土方さん!?」

「島田、戻って来たらお前にもレクチャーしてやろう」

「ああ、土方さんが壊れてる〜」

 どうやら、自分が楽しむだけ楽しんでから情報を聞き出したみたいだ。さすが鬼の副長。趣味と実益を兼ねている。(※詳しく書くと18禁になりそうなので、古高尋問の詳細を知りたい方は『行殺(はぁと)新選組ふれっしゅ』の土方シナリオをプレイして下さい)

「失礼な奴だ。必要な情報は仕入れた。
 古高の情報では、今夜、三条小橋の池田屋と四条縄手の四国屋の両方で
 幹部クラスの会合が開かれるらしい。我々はこれを急襲して、頭を潰す!」

「おう!」 全員が気勢を上げる。


「四国屋と池田屋だと、四国屋の方が建物が大きいからそっちが本命だね」

 現地の地図を前に近藤さんがそう判断する。

「うむ。隊を2つに分け、主力を四国屋に回す」

「出動できる隊士は、約半分。32人しかいないわ」 と沙乃が報告する。

「あたしの方は、沙乃ちゃん、アラタちゃん、そーじとへーちゃん、
 三十華ちゃんと観奈かんなちゃんの少数精鋭で池田屋に行くわ。
 トシちゃんは四国屋の方に人数を集めて」

「俺と周子ちゃんも近藤さんの隊につきます」

「お前たちは精鋭とは言えないが、近藤の近習だから構わん。邪魔にはなるなよ」

「トシさん、屯所の警備はどうするの?」

「山南とおやっさんを残す。あとは病人ばかりだが、死ぬ気で守ってもらおう」

「心得た。皆の帰ってくる所は守ってみせる」

「儂らに任せて、若先生たちは暴れて来て下され」

 山南さんと井上さんも剣の達人だ。捜索隊に欲しい所だが、精鋭を全部出すと、屯所の守りが手薄になる。山南さん、井上さんの他は病人だが、これが何とかなるギリギリの戦力だろう。

「屋内戦では銃は役に立たん。置いていくから屯所の防衛に使え。病人でも銃ぐらいは撃てよう」

「洋式調練をした甲斐があったかな?」

「そうだな・・・しかしこの大事に半分の隊士しか動けぬとは!」

「食中毒がキンノーの仕業だとすると、屯所は見張られてると見た方がいいわね」

 沙乃が思案顔でそう言う。

「出動準備で屯所を出れば、奴らに感づかれる・・・か」

「あ、それなら良いものがあるよ」

 近藤さんは、ごそごそと葛籠つづらを引っ張ってきた。

「じゃーん! おそろいのお祭り法被はっぴだよ」

 それはお祭りの時によく見かける背中に『祭』の一文字を染め抜いた法被だ。

「今は祇園祭だからこれを着て行けば、だれも出動だとは思わないよ」

「名案だな」

「しかも、表裏リバーシブルで裏返すと隊服になるんだよ」

 近藤さんが法被を裏返すと、そこには見慣れた浅葱色に袖口に白のダンダラ模様が。

「・・・・・」 土方さんが眉間にしわを寄せる。

「大丸呉服店の特注品なんだよ」

「それは、裏返すと、お祭り法被になる隊服なのではないか?」

「リバーシブルだから同じだよ」

「いや、巡回に出て、そのままサボって祭りに参加するために作ったのではないか?」

「ぎ、ぎくっ。そ、そんな事ないよ。あくまでキンノーの目をごまかすためだよ」

「でも、ゆーこさんこれって高かったんじゃないの?」

「大丈夫。支払いは来月だから。それに全員分だから1着あたりは安くなったんだよ」

 どうやら近藤さんはツケ払いを覚えたようだ。見ると、土方さんが頭を抱えている。全員分の特注の法被って全部でいくらぐらいになるんだろう?

「ま、まあ、今回は役に立つわけですから」 俺が助け舟を出す。

「そ、そうだな。何事も前向きにプラス思考で行かねばな」

「そうだよ。トシちゃん」

 元凶がニコニコと笑っている。土方さんが再び頭を抱える。俺が副長でなくて良かったと心底思った。



 そして、お祭り法被を着た隊士たちが、三々五々と屯所を出る。キンノーが集まった所を一網打尽にしなければならない。会合は夜だ。それまで京の町を偵察を兼ねてブラブラして、夕刻、祇園の町会所に一旦集まる。武器や防具は普通の荷物に偽装して先に祇園町会所に届けてある。武装を整え、そこから一気に出動するのだ。
 俺は斎藤と屯所を出た。いつもコンビを組んでいるので、目立たない。

「島田は池田屋組だね」

「斎藤は四国屋組だな」

 近藤さん率いる池田屋組は、副長助勤以上の幹部で構成されている。例外は俺と周子ちゃんだが、俺たちは近藤局長直属の近習だ。斎藤は平隊士なので土方さんの組に編入されている。

「島田、いつもの頭痛は?」

「いや、今回は特にないな」

「何事もないのかな?」

「どうだろう? 出撃のときに頭痛はしたことがないよーな気もする」

「そう。四国屋が片付き次第、できるだけ急いで池田屋に向かうから、
 それまでがんばってね、島田」

「おう!」




 近藤さんを先頭に俺たちは祇園町会所から高瀬川沿いに北上して三条小橋(鴨川にかかるのが有名な三条大橋で、平行して流れる運河の高瀬川にかかるのが三条小橋)すぐそばの池田屋へと向かっていた。

「うわー、すごい人込み」

 祭りなので通りには人がひしめいて居る。京の通りはどこも狭いのだ。

「そりゃー、祇園祭ですからね」

「この人込みに紛れ込まれたら、とても捕まえられないわよ」

 お祭り法被姿の沙乃が答える。俺たち全員、防具の上にお祭り法被を着ている。現場に着いたら裏返して隊服にするのだ。
 道行く人は、武装した俺たちの事を変な目で見ているが、とりあえず、新選組がサボって祇園祭に来ているぐらいにしか思われていないらしい。お祭り法被の効果は絶大だ。

「近くに長州藩邸もあるから、逃げ込まれたら治外法権でどうにもならないから、
 一気に殲滅するしかないね」

「池田屋の裏手は高瀬川の舟入りになってるから、そっちも固めないとな」

 これは永倉である。

「裏を沙乃ちゃんと観奈ちゃんで、表を三十華ちゃんと周子ちゃんで固めて」

 歩きながら近藤さんが指示を出す。すでに池田屋の間取りは全員の頭に入っている。

「そりゃまたどういう人選ですか?」

「馬鹿ね、槍は長いから屋内戦に向かないのよ」

 と、沙乃。さらに言うと、武芸のあまりできない武田観奈と周子ちゃんをベテランと組ませたわけだ。

「1階をへーちゃんとアラタちゃんで制圧して、2階をあたしとそーじで制圧」

「あのー、俺は?」

「島田は、何があろうともゆーこさんを守りなさい」

「おう」

「ゆーこさんに傷一つでもついてたら、切腹ね」

「お、おう」

「大丈夫だよ。あたしは強いから」


 そうこうしている内に池田屋前である。俺たちはお祭り法被を裏返した。浅葱のダンダラの隊服になる。
 裏口を固める沙乃と武田は三条小橋で別れた。



「新選組です! ただ今から、御用により、この宿を改めます!」

 近藤さんの声が凛と響く。俺たちは抜刀して池田屋に乗り込んだ。

「お2階の皆様、御用改めでございま・・・」

 池田屋の主人が急を発しようとするのを、近藤さんが峰打ちにする。主人は土間に転がった。ということは、キンノーは2階にいるわけだ。馬鹿な主人だ。

「2階よ、へーちゃんとアラタちゃんは奥の階段を!」

 池田屋には2階へ上がる階段が2カ所にあり、1つが目の前の表階段で、もう一つが2階の廊下の突き当たりにある裏口への階段である。

「そーじ、島田くん、行くよ!」

 近藤さんが2階への表階段を駆け上がる。階段をあがったすぐ左側に6畳間と8畳間がある。物音に何事かと思ったキンノーが顔を出した。が、その瞬間、首が宙に飛んでいた。
近藤さんの虎徹が燭台の光を受けてきらめく。

「新選組!」

 浅葱のダンダラが目に入ったのだろう。後ろのキンノーが叫び声を上げる。

「ゆーさん、ここはあたしに任せて!」 そーじが座敷に斬り込む。

 2階から上がったすぐ正面は1階から吹き抜けとなっておりその下は中庭だ(家の中に庭がある京の町屋の典型的な構造)。一間ほどの渡り廊下が伸びていてその先にも座敷がある。

「そーじ、まかせた」

 近藤さんはそう言い捨てて奥へと向かう。俺も近藤さんに続く。表の座敷に何人のキンノーがいるのかは不明だが、新選組最強のそーじに任せておけば大丈夫だ。俺とかだと逆に巻き添えを食う可能性がある。そして刹那、背後から阿鼻叫喚の悲鳴が聞こえ始めた。そーじが斬りまくってるのだろう。
 表の騒ぎを聞き付けたのか、奥の座敷の障子が開く、俺たちを見たキンノーはあわてて手摺りを越え、中庭に飛び降りた。が、すぐに悲鳴を上げる。チラと階下を見ると、永倉がハンマーで殴りつけている。

「新選組です。手向かいすれば斬り捨てます!」

 近藤さんが奥座敷に飛び込む。4畳半、4畳半、8畳、4畳と4間続きだ。手配キンノーの大物、吉田稔麿が居た。刀を抜きかけるが、有無を言わさず近藤さんが斬り捨てる。さらに続くキンノーと斬り結ぶ近藤さん、さすがは天然理心流4代目、強い。
 物陰に潜んでいたキンノーが後ろから近藤さんに斬りかかる。が、遅れて突入した俺の真正面である。向こうも俺に気付いたが、すでに遅い。目標を近藤さんにするか俺にするか、一瞬逡巡した。それで十分だ。俺の刀が横に薙いだ。キンノーの胴を切り裂く。この部屋のキンノーは殲滅した。次の間にも敵がいる。俺は近藤さんと入れ替わった。
 意を決し、ふすまを蹴り倒す。襖の下で誰かがもがいている。
大方、待ち伏せしていたのだろう。襖ごとそいつを突き刺した。断末魔の悲鳴が上がり、襖に血がにじむ。

「島田くん、伏せて!」 近藤さんが叫んだ。

 俺は反射的に伏せた。伏せた俺の頭上を刃が通り過ぎる。その相手を近藤さんが袈裟斬りにした。こいつも大物。肥後系キンノーの宮部鼎蔵だ。情報通り各藩の大物キンノーが集まってたらしい。横から何人か逃げた。次の8畳間だ。この4畳半と廊下の両方に面している。1階の奥の階段にはへーが行ってるはずだ。そっちまでは手が回らない。
 8畳間に続く襖を蹴倒す。案の定逃げてしまっている。奥にもう一間ある。俺はそちらに向き直った。
 なんか、ものすごく悪い予感がする。物音が聞こえなくなる。動きがとてもスローモーションになる。時間が止まったような感じだ。これは・・・俺の感覚が鋭くなってる? まずい。いつものアレだ! 俺は近藤さんを突き飛ばした。近藤さんがゆっくりと倒れる。 次の瞬間、襖に黒い穴があいた。1つ、2つ、3つ。時間が元に戻った。同時に銃声が聞こえる。俺は殴られたようにその場に倒れた。直後、襖越しに撃たれたのだと気付いた。


「島田くん!」

「なんでぇ、雑魚の方かよ」

 襖がガラリと開いた。

「龍馬!」

 そう、そいつは土佐系キンノーの首領にしてキンノー連合の親玉、指名手配テロリストの坂本龍馬だった。そして、以前聞いた話だが、近藤さんが江戸にいたころ坂本龍馬と近藤さんは恋仲だったそうだ。

「相変わらず、おまんは、悪運が強いな」 坂本がにやりと笑う。

 撃たれたのに痛くはない。ということはかなりやばいと言うことだ。経験則だが、骨や神経に達するほどの怪我をしたときは、痺れるような熱い感じで、痛みは感じない。痛みとは肉体の損傷箇所を知らせる危険信号。命に係わるような怪我の場合、逃げることが優先するので脳が痛みをブロックするのだ。

「島田くん!」

「無駄じゃ。至近距離で32口径を食らったんじゃ。即死よ」

“勝手に殺すな!” だが、どのみち動いた途端に撃たれてとどめを刺されるのは目に見えている。ここは死んだフリをしている方が得策だ。

「龍馬ぁ〜! よくも、島田くんを!」 近藤さんが激高する。

「ふん、こいつが新しい男か? 無駄だな。もう死んじょる。
 おっと、動くなよ。これからの時代は銃ぜよ。そんな時代遅れの長い刀を振り回してるんじゃねえ!」

 坂本が近藤さんに拳銃を向ける。有名なS&Wスミスアンドウェッソンの2型6連発拳銃だ。
これでは近藤さんも迂闊に斬り込めない。

「くっ」

「なあ、ゆーこ昔みたいに仲良くやらないか?」

「あたしはもう、昔のあたしじゃないのよ。新選組の局長なの」

「こいつはすでにくたばったんだぜ? 死人に義理立てする必要もねえだろ」

 坂本が俺を蹴った。死体の俺は動かない。つーか、死体を蹴るな。ばちあたりもんめ。

「また俺がかわいがってやるぜ、ゆーこ。だからそんな危ないもん仕舞って一緒に来い」

 坂本は美男子だ。その冷たい瞳に女はぞっこんになるのだろう。

「京の町に火をかけて天子様を奪うなんてそんな真似は許さない!」

 近藤さんの声が動揺している。やはりかつての恋人だからか。必死に新選組局長である自分を保とうとしているみたいだ。

「いやー、それに関しては、やり過ぎだと私も思うんですけどねー」

 奥にもう一人居た。

「桂さん、維新回天にはでっかい花火が必要なんぜよ」

 奥に居たのは長州系キンノーの大物、桂小五郎だ。

「龍馬、いいえ、キンノー坂本、あなたを斬ります」

「多摩の百姓がよう言うぜよ。いいか、この国は変わらんといかん。
 異国に対抗するには国の制度も異国に習わんといかんが!」

「何を・・・・」

「めりけん国を見習って、我が国でも入り札(※選挙)で将軍を決めるようにせにゃならん」

「入り札で、将軍様を決める・・・・そんな」

「えげれす国にも天皇(※国王)はおるが、将軍(※首相)は入り札で決めるんじゃ」
 俺やお前が将軍になることもできるちぅわけだ」

 外がにぎやかになって来た。どうやら土方さんの率いる隊が応援に駆けつけたようだ。

「私は逃げますよ」 桂小五郎が逃げに入る。

「桂さん、もうちょっと待てってばよ」

「自分が将軍になりたいだけじゃないの!」

「今のままじゃ、俺は死ぬまで郷士のまんまじゃ。お前も死ぬまで一介の道場主や。
 そんな世の中はつまらん。作り直す。そのためには古い幕府を叩き潰す必要があるんじゃ」

「あたし武士よ。武士になったの!」

「それは、俺らが暴れたからじゃろうが、つまり俺らがおらんかったら、
 お前らも武士にはなれんかった。そうだろ?」

「それは・・・・そうだけど・・・・」

 相手は後に口八丁で薩長同盟を実現する坂本龍馬。近藤さんが言い負かされている。
 俺はそろりと胸に手をやった。刀は撃たれた時に手放している。てっきり血で濡れてるかと思ったがそうではなかった。硬いものが指先に当たる。
“!”思い出した。以前買った18金のピストルだ(※第2幕前編参照)。胸に当たった銃弾は、懐に入れておいたこいつに当たったんだ。


「来い、ゆーこ。一緒に四民平等の世界を作るぜよ」

 『一緒に』の所を強調して、誘うように手を差し出す坂本。

「ダメ・・・・あたしは、武士なの! 武士は自分の為じゃなくて、人々の為に戦うの!」

「じゃけん、俺らも人々のために世直しをするんじゃ」

「ううん。龍馬、あなたは、自分が偉くなるために、人々を苦しめようとしている。
 そんなの間違ってる!」

「てめえも、偉くなりてえだけだろうが!
 ああ? ゆーこ! 指名手配の俺様を斬ればお手柄だもんなあ。
 過去をばらされる心配もないしなあ!!!」

「違うもん。あたしは武士なんだもん!」

「武士、武士ってうるさいぜよ! 百姓あがりのお前に武士って奴が分かってるのか、ああ?」

「・・・・武士道とは死する事と見つけたり」 近藤さんが静かに虎徹を構える。

「武士道は死ぬことか? 愚かもんぜよ。ならこの場で撃ち殺す。少々惜しい女だがな」

「違うわ。己の命よりも価値のある事の為に命を投げ出す。それが武士よ。
 自分の為じゃなく、人々のために戦うの!」

 まずい! 近藤さん、刺し違える気だ!
 坂本が銃口を近藤さんに向ける。
 そして、銃声が轟いた。




 坂本の手から拳銃が弾け飛んだ。間一髪、俺の方が早かったのだ。俺の手には18金仕上げのレミントンアーミースペシャルが握られている。

「島田くん!」 近藤さんが驚きと歓喜の入り交じった声を上げる。

「てめえ!」

「形勢逆転だな、坂本!」

 倒れたままの姿勢だが、俺の銃口が坂本を狙っている。最初の銃撃で死んだと思われていた俺はノーマークだったのだ。

「ああ、もう、ほら言わんこっちゃない。えい!」

 桂が何か投げた。畳に当たって、白煙を上げる。煙玉だ。

「坂本さん、早く」

「おお、すまんき」

「逃がすか」

 俺は煙に向かって銃を乱射するが、手ごたえはない。坂本の拳銃をはじいたのだって、実は偶然で、狙ったわけではなかったのだ。


「島田くん、島田くん。よかった。生きてたんだ・・・・」

 近藤さんが心底安堵した声を出す。

「弾は懐のこの銃に当たったんですよ」

 俺は18金仕上げのレミントン・リボルバーを取り出して見せた。今、見るとフレームに鉛弾がめり込んでる・・・・高かったのに・・・・。

「死んだかと思ったんだから! 足から血が出てるし」

 ようやく振り返って見ると、動かない右足から血が流れて、畳を黒く染めていた。

「あう・・・・知らなかったのに」

 足も撃たれていたのか。気付いたら痛いような気がしてきた。

「あ、ごめん。でも島田くんが生きてて良かった・・・」

「俺は動けないだけで平気です。それよりも、坂本を!」

「大丈夫だよ。この部屋はここしか出入り口がないから。
 それにトシちゃんたちも到着したし」

 坂本の銃はそこに転がってる。刀では近藤さんの方が強いだろうし、敵の張った煙幕の中に突っ込むのは得策ではない、と近藤さんは判断したのだろう。

 煙が晴れた。部屋の中に坂本と桂は居ない。

「あれ?」

「・・・・さすが、逃げの小五郎。でもどーやって、密室から逃げたんだ?」



「近藤ー」

 土方さんが階段を駆け上がって来た。

「トシちゃん」

「無事か? 四国屋は、はずれだった。すぐ隊を率いてこっちに来たのだが」

「うん。こっちは大当たりだったよ」

「藤堂が頭を斬られて重傷だ。永倉も右手をやられた。そーじも血の海の中に倒れていた」

「お前にもしもの事があったかと思うと、私は、私は・・・・」

「そーじは、そーじは死んじゃったの!」

「いや、私の言い方が悪かったな。そーじは2階の表の全員を斬ったあと、発作で倒れたようだ。
 重傷の藤堂、永倉と一緒に外へ下げた。今、私の隊が残敵掃討を実施中だ」

 土方さんの話だと池田屋突入組は近藤さんを除いて全員が負傷した事になる。

「そうか、みんな頑張ったんだね。あたしは・・・・島田くんが・・・・」

「そういえば、島田は何を床に転がってるのだ?」

「撃たれて動けないんですけど」

「龍馬が、拳銃で・・・島田くんは、あたしをかばって・・・」

「ふむ。島田、よくやった。
 これで島田が無事で近藤が怪我をしていたら、即座に切腹を命じていたところだ」

「龍馬と桂がその部屋にいたんだけど・・・・消えちゃった」

「なに! 坂本が!」

「出入り口はここしかないんですけどねえ」 と、倒れたまま俺。

「負傷した島田くんも外に出すよ」

「よし。この部屋を徹底捜索する。何人か上がって来い!」

 土方さんが階下に呼びかける。土方隊に属していた平隊士が土方さんの声で上がって来る。

「この邪魔物を片付けろ」

 何というひどい言われようだろう。『邪魔者』の誤字ではないのか。物扱いかよ。
 俺は戸板に乗せられ、階下へと運ばれる。

「島田くん、しっかりね。あとであたしも行くから」

 近藤さんが俺の手を握り締めた、心配そうな口調だ。俺は近藤さんを安心させるために軽口を叩いた。

「ゆーこ、あとで俺がかわいがってやるぜよ」

 坂本の口調を真似て言ってみる。近藤さんは最初、俺が何を言ってるか分からなかったみたいだが、顔を真っ赤にすると、

「島田くんの馬鹿ぁ!」

「おぐっ!」 照れ隠しに思いっきり殴られた。

「島田、今、何と言った?」 土方さんだ。さすが地獄耳。

「ごほ、俺じゃありません。坂本です」

「もう、島田くんの馬鹿・・・・」

 だが、その『馬鹿』のニュアンスはだいぶ違う。しかし、土方さんからはにらまれた。

「島田誠、現場より下がります」

 こうして俺は現場からリタイアした。




 俺は戸板に乗せられ池田屋の外に運び出された。

「島田! あんたもやられたの?」

 沙乃が近づいて来る。どうやら表に回ってきたようだ。裏は土方隊が固めているのだろう。

「おー、沙乃は無事か?」

「何とかね。裏口に逃げて来たキンノーを建物の中に追い返したから、でもそれで、へーが・・・・」

 沙乃が涙目になる。
 なるほど、へーは挟み撃ちにあったわけだ。

「上で土方さんに聞いたが、大丈夫なのか?」

「アラタと組んで戦ってたみたいだけど、今は二人ともそこの日光屋に下がってるわ。
 アラタは右手をやられてハンマーを握れなくなったし、へーは意識不明の重体よ」

「突入組は、近藤さん以外全滅か」

「沙乃が中にいれば・・・・」

 俺は沙乃の苦悩の表情に気付いた。

「そんなに自分を責めるな。槍は屋内向けじゃないんだろ?」

「そうだけど・・・・」

「自分のベストを尽くせばそれでいいさ」

「島田は?」

「立派に近藤さんの盾になったぞ」

「馬鹿・・・・」

「じゃあ、俺も下がるから、あとを頼むわ」

「まかせてよ」




 土方さんは池田屋に到着早々に池田屋の前にある日光屋を前線本部にしていた。そこに怪我人が集められ、町医者が来ている。

「何だよ、島田もやられたのかよ」

 永倉が右手を包帯でぐるぐる巻きにしている。

「お前もじゃないか」

「アタイはかすっただけだ。ちょっと手の肉が削げたけどな」

「手甲をしないからだぞ」

「だってハンマーが握りにくいんだもん。あ、傷口見るか? 結構すごいぞ」

「だめです。包帯をはずしちゃ。せっかく巻いたんですから」

 俺の傷を見に来た医者が永倉に注意する。

「ちぇー、結構すごいのに」

 よく傷口を見せたがる子供がいるが、こいつも同類なのか・・・。
 医者が俺の袴を切り取る。で何か治療を始めるが、見てると痛そうなので、永倉と会話して気を紛らすことにする。

「へーは?」

「あいつ汗っかきだからなあ。汗で鉢金が緩んだ所に一撃を食らったんだ。
 そいつはアタイが片付けた。でアタイがへーを背負って脱出したときにトシさんが到着したんだ」

 見ると、奥の台にへーが寝かされている。額に巻かれた包帯が真っ赤に染まっている。

「おい、へーの包帯真っ赤だぞ」

「あー、額だから出血がひどいらしいけど、縫った後だし、傷は骨に達してないらしいから大丈夫だよ」

「でも真っ赤だぞ」

「生理だと思えば大した事ないだろ?」

「思うな! しかし、女の顔に傷をつけるとは、そいつ許せんな」

「大丈夫。アタイが殺しといたから」

「お前も笑顔でそういうこと言うなよ。そーじはどうなんだ?」

「血を吐いて倒れたらしい。虚弱体質だからなあ。
 で、島田は何、撃たれてんだよ。アタイなら鉄砲玉ぐらいハンマーで撃ち落とすぞ」

「無茶言うなよ」

「うわー、島田の傷もひどいなー。ぐちゃぐちゃだぜ」

「せっかく見てないのに、実況するなー!」

「さっきから平然としてるが痛くはないのか? うわ、血がどくどくと」

「だから実況するなよ。痛くはないんだが、痺れてる」

「骨に当たってます。銃弾は取り出しましたが、かなりの重傷ですよ。
 痛くないのは、そのせいですね。今夜あたり、熱が出るでしょう」

 俺の足に包帯を巻きながら医者がそう言う。

「痛み止めとかないんですか?」

「だって、痛くないんでしょ?」

「そうだけど・・・右足の感覚がない」

「じゃあ、大丈夫ですよ」

 医者はケロっっとそういうと次のケガ人の方へと向かう。

「ほら、島田、こんなのが入ってたんだぞ」

 永倉が血まみれのつぶれた金属粒を見せる。俺の足に入っていた銃弾だ。

「見せるなよ・・・・」

「お?」

「何だよ?」

「ちょっと聞いてくる」

 永倉が外に出る。手をやられただけなので元気だ。



 永倉が戻ってきた。

「そこら中、侍ばっかだったよ。会津や桑名や。ようやく出動したらしいぜ。
 のんびりしてるなあ」

「でも京都守護職の会津藩や所司代の桑名藩が動いたんなら、もう安心だな」

 新選組は数十人しかいないが、会津藩や桑名藩の藩兵ともなれば、何千の単位だ。それらが捜索と警備に回ったのなら、京の町が火の海になることはないだろう。

「あ、トシさん」 土方副長が入って来た。

「結局、坂本と桂には逃げられた。あの部屋から隣の旅籠に抜ける抜け道があったのだ。
 さらにそこから地下通路で三条河原に抜けられる。ようやく会津と桑名が動いたが、
 やつらのことだ。逃げおおせたに違いない」

「じゃあ、みんな、屯所に帰るよ」 近藤さんも入って来る。

「新選組、撤収するぞ!」




 こうして、群衆の見守る中、誠の隊旗を先頭に傷だらけの俺たちは堂々と凱旋した。名誉の負傷である。新選組の最も晴れやかな一瞬だ。

「胸を張れ! 我々は京の町を守ったんだ」

「おう!」

 その様、まさに忠臣蔵の如しと後の世には伝えられている。



 長州藩邸の門が閉じられた結果、逃げ場を失ったキンノーたちは、あちこちで会津や桑名の藩兵と切り合いになり、全滅。京の町を火の海にして帝を誘拐するという計画に天皇は大いに怒り、その意を受けた、会津・桑名などの各藩により、大規模なキンノーの一斉取締が行われ、多数のキンノーの検挙、また、京洛の各所から桝屋のような武器弾薬の隠し場所が見つかった。
 とりあえず、京の町の平和は守られたのである。


 新選組には会津藩や朝廷、幕府より多額の褒賞金が下賜された。



 そして、俺は・・・・

「島田くん、あーん」

「あの、俺が撃たれたのは足だから、手は動くんですけど」

 医者の予言通り、屯所に帰営後、熱を出した俺は近藤さんの部屋で手厚い看護を受けていた。病室が満員だったからだ。

「ちゃんと食べないと早く良くならないよ」

「いや、だから・・・」

 ああ、幸せだが、ふすま越しに感じられる土方さんの視線が痛い。


(つづく)


(あとがき)
 池田屋事件です。史実と反するところが多々あるのは承知しておりますが、私が書くのは行殺新選組なので、これで良いのです。できるだけ行殺での池田屋イベントに沿った形を取っております。(※メカおまちちゃんは出ませんが)
 これで池田屋事件まで済んだので、あとは新選組の完全勝利を目指してまっしぐら!
 山南さん切腹事件も歴史改編したいなあ。先に書いた第4幕では、あっさり1行で終わってるもんなあ。よし! 次は第4.5幕にして山南さんを助けよう。


(補足)
・斎藤に関して
 斎藤は行殺では島田の同期の平隊士です。

・島田の頭痛に関して
 島田の頭痛は歴史改編が必要な時に起こります。近藤銃撃事件、芹沢暗殺事件を未然に防ぎ歴史を改編しました。今回は歴史(行殺での)通りなので、特に頭痛は起こってません。

・坂本龍馬に関して
 国の最高統治者を選挙で決めるようにして、自分がその椅子に座ろうと坂本龍馬が考えていたのは、彼の残した文書に書いてあります。
『世に活物たるもの衆生なれば、いずれも上下とも定め難し。今世の活物にては、ただ、我をもって最上とすべし、されば天皇を志すべし』(※活物は生物、衆生は全ての生物の意。翻訳すると『人間に上下はないのだから、自分が最上。だから天皇になることを目指そう!』 ひどい勤王があったものだ)
 どうやら坂本龍馬は一般に言われるような英雄ではなく、口のうまい詐欺師タイプだったようです。武市半平太も龍馬のことを『大法螺吹き』と書き残してるし。どうやって人を騙すかとか『智あるものは早く騙して味方にすべし』とか『人を殺す方法を工夫すべし』とかいう事を書き綴った文書も残ってますし、坂本の一生を見ていても裏切りの連続だし、女遊びもすごかったらしいし。どっちかというと、行殺の坂本龍馬が史実に近かったようです。ひどいやつー。間違ってるのは世間一般の認識の方です。これはNHKの大河ドラマが間違った龍馬像を広める一因となってますね。まあ、何が正しいかは分からんもんですが。私は行殺SS書きなので、坂本龍馬は極悪人として扱います。
 龍馬の台詞ですが、合衆国大統領は米軍の最高指揮官です。日本でもそもそも『幕府』と言うのが、戦場での司令部に相当する『陣幕』の事なので、徳川幕府は一種の軍事政権にあたります。だから軍人(武士)が世の中をおさめていたのですね。

・武田観奈(かんな)に関して
 名前だけの登場ですが、武田観柳斎がモデルの若竹オリジナルキャラクターです。米倉さとや様の藤鈴堂に投稿している『谷三十華』シリーズで、三十華のライバルとして登場してます。蘭方医で手製の手榴弾を投げて戦う、カモちゃんさんなみに迷惑なキャラです。


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