「偽作・行殺(はぁと)新選組ふれっしゅ
番外編その2 『しんぼくの おもい伝える コウのトリ』
元治元年(一八六四)九月中旬。伏見稲荷大社の神木のそばに、新選組の主立った隊士たちの姿を見る事ができる。と言うのも近藤による関東での隊士募集がこの度行われる事になり、道中の安全祈願を兼ねて壮行会が開かれるのである。
ちなみに藤堂ことへーちゃんは一足先に江戸へ出立していた。出番が全くないとはつくづく可哀相な娘である。
さて今回の近藤の江戸行きであるが、実は隊士募集の他にも目的があった。きちんと説明しようすると長くなるので手短にする。蛤御門の変で『朝敵』となった長州藩。その討伐の勅を受けて二ヶ月が経とうというのに、幕府は出兵の意をあらわにしない。会津公に代わり幕閣を説得してくる。それが今回の江戸行きのもう一つの目的であった。
まあ・・・今回の話とは全然関係ないのだが。
「さて」一同を前に土方が口を開いた。何故か神社の境内には沢山の荷車が運ばれてきており、荷車には酒とつまみがぎっしりと積まれていた。近藤、土方、山南の三人は神木を背にして他の隊士達と対面するように立っていた。ちなみに真ん中が近藤だ。
「皆も知っていると思うが、これが」
土方が言って背後の木を指した時、その言葉を継ぐかのように、
「有名な、三輪の神杉だ」山南がこう続けた。
土方が眉間に皺を寄せる。島田が困惑気味に
「山南さん、それは奈良の
「うん、そうとも言われているようだね」山南はこう言ってとぼけた。
「ほお、よく知っている。島田は田舎から出てきて、それ以来ずっと京都にいたはずだ。それなのにどうして奈良の知識があるのだ?」土方が表情を緩めて感心する。
「そりゃあ・・・あれ?何ででしょう。不条理ですね」島田は頭をかいて答えた。
「島田くん。京都に来る前に奈良に寄ったのかね?素直に白状したまえ」
山南が珍しく鋭い目で島田を問いつめた。
「えーと・・・どうだったかな?すいません、俺にもわかりません」
「何それ。自分の事でしょ」沙乃がそう言って島田の足を踏む。
「なーなー。能書きはいいから飲もーぜ」永倉が首をコキコキさせながらぼやく。
土方が再び眉間に皺を寄せる。説教モードだ。
「永倉。先ほどから言っているように、今日の集まりは宴会ではない。旅立つ近藤への激励の会であり、また残った我々にはより一層の奮起を促すための・・・」
「じゃあさ、何で酒があるんだよー?」永倉がだだっ子のように首を振る。
「アラタの頭では酒があるイコール宴会、なのよね」沙乃の呆れた声。
「要は、みんな頑張ろー!おー!飲めー!ごっつぁんです!って会だろ?だったら無駄な段取り省いて飲もうぜ!!」
「・・・・・・・・・・」 土方はこめかみを押さえて身体を震わせた。代わりに近藤が永倉を窘める。
「今日のこの宴はね{宴って言うな・by土方}、少し早いんだけどカーモさんの一周忌を悼む会でもあるんだよ。だからあんまり羽目をはずさないでね」
島田は、いや島田に限らずハッとなった。あれからいろんな事があって忘れ・・・・ていたわけじゃないけど、もうそんな季節なんだ。
「カーモちゃんはうまい酒と若い男には目がなかったからのう」
どこら辺にいるのか定かではないが、井上のおやっさんの声がした。
「羽目を外すなって言われたってよー」永倉が肩をすくめた。
「湿っぽく陰気に
「そうよねー。芹沢さんを思って飲むんなら、思いっきり派手に騒がなきゃ。そうでないと却って逆効果、化けて出てくるわよ」ちらちらと、荷車を気にしながら沙乃。
「確かに」土方は口元に苦笑を浮かべた。
「芹沢さんならあり得る。ふっ、まさか永倉たちに教えられるとはな」
そして、一同に目を向けてよく響く声で語った。
「よくわかった!無駄話はなしだ。ただし」言葉を止めて一同の関心を引く。
「騒ぐのは結構だけど、この三輪の神杉を・・・」山南がまた話に入ってきた。
「
「うるさいぞ島田くん。三輪の大杉の方が格が上なんだよ」
「あれ、三輪の神杉って言わなかった?」近藤がそう言って首をかしげた。
「ともかく、ここの神木を傷つけたりはするな。違反者は切腹だ。以上!」
土方が締めた。内心では、山南の虚言癖にも困ったものだと考えていたのだが。
“あいつを副長の座に据えたのは間違いだったかな?ふむ・・・”
ともあれ、大宴会が始まった。隊士たちは思い思いの場所で騒いだ。
永倉「ごっくんごっくんごっくんごっくんごっくんごっくんプハーッ!次来い!」
原田「やるわねアラタ。沙乃も負けてられないわね」
山南「やあやあ局長どうです、いっぱい(意味ありげに笑う)」
近藤「え?そ、そうね。一杯くらいなら(気づいていない)」
山南「どうぞどうぞ。こっちの大きい杯で飲ってください」
土方「山南!近藤に酒を勧めるなと、あれほど・・・」
永倉「まだまだぁ!こんなんじゃあの世の芹沢さんに合わせる顔がねー!」
土方「く、向こうでは永倉が危ない段階に・・・」
井上「ふう、自慢の白い髭が酒で湿って・・・儂はちと気分転換に」
土方「おやっさん良いところに。永倉を押さえてくれぬか?」
井上「はぁ?かまくら?ああ、江戸の近くじゃね・・・えーところじゃよ」
土方「鎌倉ではない。な・が・く・ら・だ!」
井上「かまくらのぅ。あそこはの、鎌倉五山というて、いいお寺が多いんじゃよ」
土方「・・・おやっさんでは駄目だ。他に手頃なヤツは」
近藤「にゃん。にゃふふ」
土方「うおっ!?近藤が!!や、山南は何処へ行った!」
山南「・・・・・(行方不明につき)」
土方「ええいくそっ、またもや逃げおった。逃げ足の速さは桂に匹敵するな」
近藤「にゃんにゃん、にゃふーー!(威嚇行動)」
土方「正気に戻れ近藤!私だ、土方だ!ちっ、誰か正気な者は?(きょろきょろする)」
原田「にゃははははーーっ!一点集中強行突破ぁ!お腹の傷は伊達じゃないわよー!」
永倉「おーし、その意気だぁ!アタイの腹だって、傷はないけど伊達じゃねーぞー!」
土方「あいつらは・・・」
島田「あのー、俺はまだ正気ですけどわっぷ!」
近藤「にゃー島田くんだぁ。すりすりごろごろ(愛情表現)」
土方「む、でかした島田。流石は近藤の近習。己を犠牲にして事態の収拾を図るか」
島田「いや俺は・・・って土方さん!俺を置いて何処に逃げようってんですかぁ?」
土方「どう見えようと、私は逃げてるのではない。これは戦略的転進だ」
近藤「しーまだくーん、にゃふにゃふにゃおーん!(発情表現?)」
島田「そ、そんなくっつかないでください近藤さん!俺だって一応、男ですから」
原田「にゃ?島田のここ・・・何か不思議な感じね。どーゆーことよぉ!」
島田「うわっ沙乃、覗き込むな!触るな!まじまじと見るな!」
永倉「やるなぁ島田ぁ。(目が座ってる)アタイの目の前で(ハンマーを握る)」
島田「わ!ハンマーはやめろ。洒落にならんぞ」
永倉「ゆーちゃんを取るか、アタイを取るか。いざ尋常に勝負だーーー!」
島田「ひょえーーーーっ!!」
土方は比較的平穏な雰囲気の、斎藤のそばに避難していた。
「副長、もひとつどうぞ(酒を注ぐ)」
「む、すまんな。向こうでは気が休まらん(酒を飲む)」
「ははは・・・でも島田が(また酒を注ぐ)」
「気にするな。近藤の近習としての宿命だ(また酒を飲む)」
「は、はあそうですか(少し腹を立てて、異国の酒『マッカリ』を注ぐ)さ、一気に」
「あいつは進んで近藤の近習になったのだ。あれくらいは当然(一気に飲む)」
「なるほど。近習ってのも大変ですね(『マッカリ』を注ぐ。ちなみに度数高し)」
「・・・・・(妙に静かになる)」
「あれ、どうしたんですか副長?(敢えてとぼけてみる)」
「・・・志れば迷い・・・(いきなり句を詠み出す)」
「もしもーし?(人差し指で土方の頬をつつく)」
「・・・志なければ迷わぬ 恋の道・・・(夢うつつで読み終わる)」
「本当に弱いんですね、お酒(密かに仇をとった気になり喜ぶ)」
「はあ・・・助かった」永倉、沙乃、近藤を巧みにからませ脱出した島田。
「やあ島田くん、もてもてだったね」山南が、そーじを伴って現れた。
「山南さん、あなたのせいで俺は・・・ってもう慣れましたけどね」
島田は文句を言いかけてやめた。いつまでも新人気分ではいられない。
「そーじは確か、飲めないんだったな。しっかり食べてるか?」
島田の問いにそーじは笑顔で答える。「はい(もぐもぐ)」
山南がそんなそーじに優しく注意した。まるで娘を思う父親のように。
「鈴音。口に物をほおばった状態で喋るのはいけないよ」「はい(ごっくん)」
島田はその時になって、隊士たちがあらかた行動不能になっているのに気づいた。
「あれ、変だな。まだ宴会が始まってそんなに時間がたってないのに」
「島田くん」山南の声がいつになく真面目なものになった。
「妙だとは思わないかね」「何がです」つられて真面目な声を出す島田。
「今回は不条理な話だ」「決めつけないでください。大体何ですか今回って」
山南は、やっぱり島田の質問には反応せずに言葉を続ける。
「なのに、この程度の騒ぎとはおかしい」
山南は周囲の状況を示して言った。「副長が、すでに酔って寝入っている」
島田もそれを認めて心なしか安堵する。おとなしくしてるなら、鬼もまた良しと。
「ええ。これで怯懦、切腹って言われない」
「アラタと沙乃の暴走はいつも以上だったが、やはりもう寝入っている」
「だから、どういう事ですか」島田は苛立って聞いた。
「つまり、そういう事だ」山南は素っ気なく答えた。何が言いたいんだこの人は。
「・・・妖の気配が、します・・・」そうつぶやいたのは、そーじだった。
「え?」島田は当惑して聞き返した。「アヤカシの気配?」
島田は辺りを見回し、背後にいつのまにか斎藤がいるのに気づいた。
「うわっ!おまえがアヤカシ?」
島田は叫んで飛び退いた。斎藤がきょとんとする。
「え、アヤカシって何だい島田?」「いいえ斎藤さんじゃないです」
そーじが眼鏡に手を当てて、注意深く辺りを観察する。そしてある一点、
「この、
<へーえ、眼鏡の姉ちゃんよく気づいたねー>境内じゅうに響く声、というか思念。
「誰だ!?」島田の叫びに相手はこう答えた。
<そうあわてるなよ兄ちゃん。今、姿見せてやるって>
神木の根もとに、ふっと一人の少年が姿を見せた。まだ元服もしていない年頃だ。
「どなたです?」そーじの眼鏡がきらりと光った。すでに臨戦モードである。
<おいら、リョータローってんだ。この神木に宿る妖精さ>
「妖精だって?」「しかも、リョータローって」島田と斎藤は顔を見合わせる。
「なるほど」山南がしたり顔で、顎髭を撫でつつ
「杉、なだけに名前がリョータロぐふっ!」「言わなくていいです」
そーじに鋭くツッコまれ気絶する山南。
「で、妖精さんが何の用なんです?」
山南の事などまったく気にせず、そーじは淡々と質問する。
<・・・・・>リョータローは黙って、指を差した。
「?」島田はその指の先を見た。「近藤さんが、どうしたんだ」
<そうか、近藤さんっていうのか>リョータローは笑った。
「わかるように説明してくれ」島田の前だからか、妙に気取った声を出す斎藤。
<おいら、あの人をお嫁さんにする>赤面しながらも、強く主張するリョータロー。
<生まれてから千年、あんなに可憐で純真な人は初めてだ>
「何だとぉ!」島田も刀に手をかけた。斎藤が島田の背後でおろおろする。
<だから決めた。あの人を、おいらの国に連れて行くんだ>
「おまえの国って・・・近藤さんをどこまで連れて」
島田の言葉にかぶさるように、そーじの言葉が放たれる。
「あなたのいる世界に連れて行かせるわけにはいきません」
<よしなよ、眼鏡の姉ちゃん>リョータローはそーじの言葉に動じなかった。
そーじは無視して刀を抜いた。そして「天然理心流極意・五月雨!」
目にも止まらぬ速さでの三連突き、そして唐竹の斬撃だった。その四動作が一瞬の間に行われた。これを見切れる者は隊に幾人もいないだろう。ましてや、返せる者は・・・。当然ながら島田には何が行われたかわからなかった。
「鳩尾、喉、眉間への
<言っただろ姉ちゃん、よしなって>リョータローはしかし、平然としていた。
「本来なら、血の雨が降っただろうけど・・・」そこまで言って口ごもる斎藤。
いかに天才剣士といえども、実体無きものを斬る事はできない。そう、あのメカおまちちゃんをも仕留めたそーじの力が、今回は全く役に立たないのである!
「不条理な・・・げほげほぐふぉ!」そーじが血を吐いて倒れた。
「そーじ!」島田は急いでそーじを抱き起こす。「しっかりしろ。傷は浅いぞ!」
「・・・後はよろしくお願いしま・ごほごほっ!」
<病気のときは無理しちゃいけねーよ姉ちゃん。しっかり養生しな>
リョータローはそう言って、すやすや眠り続ける近藤に近寄っていく。
「くっ、斎藤!俺と一緒に・・・いや、そーじを安全な場所に!」
島田の言葉に斎藤は黙って頷くと、そーじを抱きかかえた。そのまま風のようにどこかへ走り去っていく。それを見届ける事はせず島田は、頼りになりそうな隊士たちを揺り起こしていった。共に戦ってもらうために。
「起きろ永倉!非常事態だ敵襲だ!」
「・・・暗いよ狭いよ動きにくいよー。島田のバカ、押入でなんてひどいよ・・・」
永倉は目を覚まさなかった。もじもじしながら寝ている。
「押入って何だよ・・・次だ。起きろ沙乃!」
「・・・やるわね服部。沙乃に傷を負わせるなんてなかなかじゃないの・・・」
沙乃は眠ったままだった。緊張した顔で横になっている。
「こっちはまたえらくシリアスでピンチみたいだな。こーなったら」
島田は仕方なく土方を蹴り起こす事にした。ちょっぴり足に力が入った。
「土方さん、あなただけが頼りです!」
「うるさいぞ!竜の肉だと言ってるだろう。おまえら全員切腹だ!」
何の夢見てるんだか。ともかく土方も島田の助けとなってはくれなかった。島田の言葉に従い、そーじだけを安全な場所に運んでいった斎藤が、音もなく戻ってきた。
「こうなったら仕方ない。一緒に戦うぞ斎藤!」「し、島田と一緒?」
斎藤は何故か赤面した。しかし次の瞬間には真剣な顔でこう言った。
「でもどうやって?あいつには刀が通用しないみたいだよ」
「う・・・」言葉に詰まる島田。苦し紛れにこう言う。
「こ、根性だ!いつも永倉が言っていたぞ。根性で勝て、と」
斎藤は困ったように肩を落とした。「根性・・・」
<わかんねえ兄ちゃんだな。おいらは実体じゃないから斬れねーんだよ>
リョータローは侮蔑の笑みを浮かべた。<おいらは兄ちゃん達に用はねーんだ>
「ある!」島田は言い返した。「おまえになくても俺にはあるんだ!」
島田の叫びにリョータローは幾分興味を示したようで、すーっと近寄ってきた。
「俺は近藤さんの近習だ。近藤さんを守る義務がある。いや自分の意志で守る!」
<・・・・・するってーと、兄ちゃんはおいらのライバルだな>
リョータローの目が険しくなった。<ライバルなら、消さねーとな>
言い終わるや否や、島田の周囲で突風が発生した。
「うおっ!」島田の羽織がはためき、手や足に幾筋かの裂傷ができる。
「島田!・・・よくも島田を」斎藤が刀を抜いた。牙突の構えだ。
<そっちの兄ちゃんは、何だか急におっかない顔になったな>
リョータローは余裕で斎藤に歩み寄っていく。<やろうってのか?>
島田に熱烈愛な斎藤だが、決して馬鹿ではなかった。リョータローに牙突を放っても無駄だと言うことはわかっていたのだ。ならば答えは一つだ。
「君に恨みはない」斎藤は言った。ただ、相手はリョータローではなかった。
「貴重な文化遺産らしいけど、島田の命には変えられない」
リョータローがはっとなった。斎藤の剣先から、狙いに気づいたのだ。
「牙突!」「疾風斬!」
斎藤の突進とリョータローの手の動きは同時だった。
勝敗はすぐに明らかになった。斎藤の牙突は、神木に届く寸前にリョータローの放った鋭利な風に阻まれたのだ。ざしゅっと音がして斎藤の背中が斬れた。血が迸った。牙突の勢いそのままに、斎藤は地面に落ち、ごろごろと転がってから止まった。
「斎藤!」島田は急いで駆け寄った。斎藤は神木の向こう側で大地に伏していた。
「しっかりしろ斎藤!」島田は激しく、その身体を揺さぶった。
「・・・い、痛いよ島田。そんなに強く揺すったら」「あ、そうか。すまん」
島田はあわてて斎藤の身体から手を離した。
「神木を傷つけるなって、土方さんが言ってただろう。なのに」
島田の言葉に斎藤は苦しい息の下から、
「島田。僕は島田のためなら隊規も切腹も怖くない。いや僕だけじゃない。局長も・・・近藤さんも、あの芹沢さんだって島田のためなら隊規違反も辞さなかっただろう」
そう言って斎藤は島田の腕を強く握った。
「局長ってのは、他の誰よりも隊士達を愛さなければいけない。愛しているから・いたからこその局長なんだ。だからこそ、隊士達は局長のために戦う。島田みたいに」
近藤を守るために、刀が通用しないリョータローの前に敢然と立ちふさがった、島田のその行為を斎藤は言っているのだ。
「僕も同じさ。島田みたいに、命を賭けて大事な人を守りたかった」
そこまで言って斎藤は意識を失った。幸いと言うべきか、脈はある。
<おいらを止められる奴はこの世にはいねえ>
そう自信たっぷりに言って、ゆっくりと近藤に歩み寄って行くリョータロー。その近藤なのだが、すやすやと安らかな寝息をたてて眠っていた。
「させるか!」島田は斎藤をほったらかしにして、近藤の近くまで急いで走った。
「俺は守る!近藤さんを守るのだ!」近藤を庇うように立ち島田は胸を張って宣言した。いつかどこかで似たような宣言をした気がする。そんな思いが島田の心に浮かんだ。
「近藤さんを守る事が、新選組を守る事につながるんだ!!」
島田は生涯の誓いをたてるように叫んだ。まさに、天まで届けとばかりに絶叫する。
<あーあ、最近の若い者は>リョータローはそんな島田をあきれ顔で見る。
<信じれば不可能が可能になるって思いこんで・・・>
リョータローは手を真上に掲げた。そこに刀身五、六メートルはあろうかという巨大な刀が出現したのだ。
「で、でかい?何て大きさだ。あれがつまり、あいつの妖力の大きさって事か」
人の力が及ぶ存在ではない。一瞬そんな思いがした。
「これがおいらの相棒、その名も妖刀・
「妖刀クニク!?あの伝説の」
背後で声がして、島田はぎょっとなった。振り返ると、いつの間に気づいたのか山南が驚愕した顔で立っていた。
「山南さん、知っているんですか?」半信半疑で島田は聞いてみた。
「妖刀・供児苦。字の通り子供を供える苦しみの事だ。古来より巨木には神や霊が宿ると信じられ、災害の折りには子供を無理矢理供物として木に捧げた事もあった」
嘘か真か島田に判断できるわけもないが、山南は真面目な顔で解説を続ける。
「その行為が何十年、何百年と積み重なって、子供を奪われた母親の苦しみと捧げられて死んだ子供の無念が生み出したのが」
<そう、この妖刀ってわけさ!>リョータローがそう言って刀を振った。
猛烈な風が吹き荒れて荷車が横倒しになり、酒瓶が幾つも割れて酒が地面にしみこんでいった。けれども隊士達は不思議と誰一人吹き飛びもせず、目を覚ます事もなかった。
<この連中は、おいらの妖力で眠っているんだ。揺すっても叩いても目覚めるもんか>
リョータローが自慢げに言った。だからか、と島田は思った。自分と斎藤、そーじと山南の四人だけが眠らなかったのは何でだろうと、さっきから疑問に思っていたのだ。この四人はあまり(そーじは全然)飲んではいない。酒に妖力が宿っていたんだ。
“土方さんがたらふく飲んだとは思えないんだが・・・誰が飲ませたんだろう”
すぐ後ろにいたはずの山南がいなくなってるのに、島田は気づいた。
「あれ、山南さんがいない?」思わず声が出た。
<ああ、あのおっちゃんなら今の大風で吹っ飛んでいったぜ。多分神社の外までな>
リョータローが笑って、妖刀を再び構えなおした。
<兄ちゃん、おいらには勝てないんだ。命あっての物種って言うだろ?>
島田は近藤に目を向けた。幸せそうな寝顔。この人を守るためなら・・・。
「俺は逃げない。逃げるわけにはいかない。俺は近藤さんの近習なんだ」
島田は、無駄と知りつつも刀を抜いた。リョータローには刀は効かない。そして斎藤のように神木を狙っても、あの妖刀が起こす大風で吹っ飛ばされるのがオチだ。
「それでも俺はやる。俺は近藤さんが、近藤さんが・・・うりゃあああああああああ!」
島田は無心になって突撃した。リョータローはため息をついた。そして冷笑。
<疾風斬!>ズバズバッ、島田の腕や足が裂けて血が流れ落ちる。
「なんの!うりゃああああああああああああ!」島田の突進。リョータローの嘲笑。
<疾風斬!>ズバズバズバッ、目の上が切れて血が目に入る。隊服はもうぼろぼろ。
「な、なんの!行くぞ、うりゃあああああああああああああああ!」
再三の島田の突進にリョータローはこう結論を出した。死ななきゃ治らない、と。
<ふう・・・馬鹿な兄ちゃんだ。そんなに死にたいなら、望み通り>
とどめとばかり巨大な妖刀が振り下ろされる、その直前に事は起こった。
シュバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
二人の間を閃光が割って入った。すぐに光は消え、そこに何かが突き立っていた。地面に三角っぽい物体が刺さっていて、それが二人の戦い?を止めたらしかった。
その三角っぽい物体には、鮮やかに四つの文字が描かれていた。
『尽』 島田は我が目を疑った。
『忠』 頭を振って気をしっかり持とうとした。
『報』 何度もまばたきして確かめた。
『国』 間違いなく、その四文字だった。つまりはあの鉄扇なのだ。
験の杉の太い枝に腰掛けている女性が島田に手を振った。金色の髪。胸元を強調した服。ミニスカート。左目の下のほくろ。左耳のピアス?チャックのついた黒ブーツ。どこを見ても生前とまったく変わってはいない。その色気も体つきも雰囲気も。
「やっほ〜、島田クン。宴会で羽目を外しちゃ、駄・目・だ・ぞ☆」
誰あろう、新選組初代局長の雄・カモミール芹沢であった!
「じゃ〜ん!霊体カモちゃん、参上よお!」
霊体か妖怪か幽霊か・・・ともかくも、カモちゃんは情熱的なウィンクを島田に向けて発射する。島田はどきどきして、思わず目を伏せた。
<何だよあんた。おいら、頭が空っぽで乳だけでかい女は趣味じゃねーんだ>
リョータローのこの発言に、カモちゃんは笑顔のままで言葉を返した。
「子供には大人の女性の色気は、まだわかんないのかなあ?」
<子供じゃねーよ!おいらは千年生きてんだ!>リョータローが怒りをあらわにする。
「長いから大人ってわけじゃないのよねぇ・・・」
<おばさんには用はねーって言ってんだ!この妖刀でぶっ飛ばされたいのか!>
「キミがアタシを?ふ〜ん、へ〜え、そうなの」
全然動じないカモちゃん。島田が何かを言う前に事態は進んでいった。
<ぶっつぶせ、クニク!>巨大な妖刀が振るわれた。島田は思わず目を・・・逸らす事ができなかった。目を奪われたと言ってもいい。鮮烈だった。
「まずは島田クンのぶんよ!」
カモちゃんが素早く鉄扇を拾い上げて、巨大な妖刀を叩き折ったからだ。
<あ〜〜!おいらの妖刀・・・>リョータローが情けない声を上げた。
「何よぉ。せっかく気合い入れたのに〜」カモちゃんがいじけたような声を出した。
「メカおまちちゃんの方がよっぽど手応えがあったわよぉ」
ちなみに折られた妖刀クニクは、ご都合にも空中で消滅したため周囲への被害はなし。頬をふくらませたカモちゃんは、その表情のまま島田に向き直った。
「島田クンも!」島田は条件反射で、叱られた子供のような顔になった。
「お、俺ですか?」島田の言葉にカモちゃんは大きく頷く。
「二人ともよ」カモちゃんはふわふわと歩いて近藤のそばまで来た。
「ゆーこちゃんの意志を無視して話をしちゃいけないわよぉ」
そしてカモちゃんは近藤を起こそうとした。鉄扇でつんつんとつつく。
「ゆーこちゃん、起きてぇ」「・・・・・(起きない)」
「ゆーこちゃ〜ん、いたずらしちゃうぞぉ」「・・・・・(やはり起きない)」
カモちゃんは笑顔のままだった。微かに眉が動いただけだ。
「仕方ないわねぇ、じゃ・・・」密かに、扇を持つ手に力が入る。
「無念流奥義・デリカテッセン!」
手にした扇で近藤の頭をバコッと殴った。二人が止める間もない出来事だった。幻覚かはたまた蜃気楼か、ハムやソーセージが近藤の周囲に浮かんで消えた。
「・・・・・はっ!あたし一体!?」近藤がパチッと目を覚ました。
「あれ?カーモさんがいる!?・・・じゃあこれは夢?うん夢ね」
カモちゃんに気づいておろおろする近藤、一人で結論を出して頷いた。
「夢でも幻でもいいけどさ、ちょっと問題が発生してるのよ」
カモちゃんはそう言って、島田とリョータローを指した。
「あの坊やと島田クンがね、ゆーこちゃんを取り合って決闘してるの」
「え!決闘!?」近藤の顔が真っ青になる。
「ちょ、ちょっとカモちゃんさん。そんな誤解を招くような・・・」
島田があわてて口を挟む。けれどカモちゃんは島田を睨んで、一言。「誤解なの?」
「い、いえ。誤解じゃない、事もないようなあーうーそのお」口ごもる島田。死してなおカモちゃんの眼力は健在だった。
「ゆゆゆゆゆ、ゆーこさんっていうんですか・・・・・あ、あ、あ、あのー!」
リョータローは赤面しつつも、どこからか花束を取り出した。
「あ、おまえずるいぞ!」「うるさい。何とでも言え」
島田の苦情も何処吹く風、リョータローは真剣な表情で言った。
「ゆーこさん!おいらと、けけけ、結婚!してください」
「えええっ!?」口元に手を当てて硬直する近藤。嬉しそうな困ってそうな表情だ。
「おいらに、ついてきてください!ずっと大切にします!」
近藤は救いを求めるように、カモちゃんを見た。
「・・・確かな事は」カモちゃんは髪をかきあげながら、仕方なさそうに言った。
「そのボーヤについていったら、みんなとは二度と会えないって事よ」
手を大きく広げてカモちゃんは、ぐるーっと身体を一回転させた。
「この町とも、この国とも、もちろんキンノーどもとだってお別れ。でもね」
わざとらしく、表情を明るくして鉄扇を広げて、
「いいわよ。つらいこと、苦しいこと、イヤなこと、み〜んな消えちゃうから」
鉄扇で自分の顔に風を送りながら、「楽園よね。アタシが保証しちゃう」
「ちょっとちょっとカモちゃんさん!」たまらず島田が叫んだ。
「何でそいつに肩入れするような事」「ええ〜?アタシ、島田クンの味方だなんて」
『言ってないわよ』とは声に出さずに唇の動きだけで、カモちゃん。
「ま、女は男に望まれるうちが花。好みのタイプだったらオッケーしちゃえば?」
「カ、カモちゃんさーん。どっちの味方なんですか」島田、泣きそうな声の抗議。
「アタシはアタシの味方よぉん」あっさりと答えるカモちゃん。かと思いきや、
「島田クンこそどうなのよ?確かにさ、最終的に決めるのはゆーこちゃんでキミにそれを止める権利はないわよ。けど、このボーヤは言いたいことちゃんと伝えたんだよ!」
一転して真剣な目、真剣な声で島田に語り始めた。
「島田クンは言いたいことはないの?黙っててい〜の?」
「・・・・・お、俺は・・・・・」視線が定まらない、島田。
「・・・ゆーこちゃん」カモちゃんは島田から目をそらし、近藤を見つめる。
「周りのことばかり考えちゃダメよ。自分がどうしたいか、が大事なの」
照れたようにはにかんで、「アタシみたいに自分のことだけ、ってのも問題だけど」
風が近藤の、島田の身体を撫でて吹き過ぎていった。
「アタシと、ゆーこちゃんと、足して割ったらちょうど良かったのよねえ」
日の光に照らされて、カモちゃんの金色の髪がきらきらと輝いた。
「で、島田クン」眉根を寄せて、怒ったような顔で島田を指さす。
「言いたいコトがあったらビシッと言う!」その声に押されたかのように島田は、何故か目を閉じて顔を上に向けて、大空へ叫んだ。
「お、俺は!・・・ゆーこさんの」リョータローへの対抗心が、言わせた呼び名だ。
「・・・意見に従います。どんな答えでも、従います」島田は目を開けた。
近藤は一つ息を大きく吐いた。カモちゃんと目が合った。
「心は決まった?」「うん」元気に答える近藤。軽く頭を垂れて、
「カーモさん、死んでからも迷惑かけてごめんなさい」こう詫びた。
「や〜ねぇ。アタシとゆーこちゃんの仲じゃないの」カモちゃんは髪をかきあげた。
「それにぃ、霊体って時間だけはやたらと余ってんのよ」
島田とリョータローは、どきどきしながら近藤の答えを待っていた。二人(?)の視線を受けて近藤はゆっくりと言葉を、答えを、声を・・・
「リョータローくん、ありがとう。あたし、とっても嬉しい」
胸の前で手を組み、決意の瞳で近藤は語り始めた。思いを、願いを、夢を。
「でもね、あたしはあなたとは行けないの。ごめんなさい」
ぺこりと頭を下げる近藤。二人の男は何も言わずに、近藤の言葉の続きを待った。
「あたしはね、好きなの。新選組のみんなが。そして京の人々が。ううん、今まで出会い交わってきた人たちすべて。もちろん、島田くんもリョータローくんもそこに入ってる」 ぎゅっと、組んだ手に力を込めて近藤は話を続けた。
「みんなみんな、幸せになってほしい。あたしたちが必死になって、歯を食いしばって剣を振るって、それでみんなが幸せになれるなら、それがあたしは嬉しいの」
カモちゃんが鉄扇で、自分の顔に風を送りながら、近藤の言葉に笑みを浮かべる。
「あたしの幸せは、みんなの幸せ。みんなが幸せなら世界も幸せ。でしょ?」
首を少し傾けて、近藤は目の前の二人に同意を求めた。反射的に二人は頷く。
「うん。だからね。リョータローくんがあたしをお嫁さんにしてくれるっていう気持ちはすごく嬉しい。でもあたしはみんなと一緒がいい。みんながいたから、あたしがあるの。だからあたしはみんなと一緒にいる。みんなの幸せの中で生きていきたいの」
リョータローはしばらく硬直していたが、やがて頭を掻いて言った。
「わかったよ。だから、おいらは惹かれたんだもんな」
近藤はにっこりと笑って、「でもね、また会いに来るよ」さらりと言った。
「また、リョータローくんに会いに伏見稲荷に来るよ・・・多分みんなも一緒だと思うしそれに、また大騒ぎしてうるさくなると思うけど。それでも、いいなら」
「お、お、おいらはうるさくっても全然いい!」あわててリョータローが叫んだ。
「みんなと一緒でも、昼でも夜でも、夏でも冬でも、おいらはいるから!」
近藤はしっかりそれに頷いてから島田に目を向けて、一転して躊躇いがちに言った。
「あたしは、こんなだから、また・・・ううん、何度も何度も迷惑をかけると思うけど」 さっきまでのしっかりした態度はどこへやら、子猫のような目になっていた。
「それでも、みんなといても・・・」「いいっス!」
島田は即答した。「全然イイッス。ていうか、俺はそれが・・・あ、いや、その」
途中からしどろもどろになる島田。カモちゃんが額に手を当ててため息をついた。
「せっかくキメルとこなのに、ダメじゃないのぉ」
「う・・・と、とにかく。俺は近藤さんから離れたいなんて一度も思ったことはないですよ。土方さんならともか・・・いや、えーっと・・・そう、みんな仲間ですから!」
島田が、途中をうやむやにして言葉を終えた時、カモちゃんがいじけたように、
「Boo!どうせアタシは島田クンに嫌われても仕方ない事してるよ〜」
「い、いやそんなコトは決して!」「うふふ、困ってる島田くんが一番自然かな」
リョータローはそんな三人(二人と一霊)をまぶしそうに見ていたが、会話の切れ目を狙ったかのように、こう叫んだ。
「さーーーーて!おいらはそろそろ帰るとすっか」そしてぽりぽり頭を掻いた。
「ゆーこさん。身体に気をつけて。やい・・・えっと柴田?ゆーこさんを泣かすなよ」
「俺は島田だ。ライバルの名前くらい覚えろよ」憮然として言い返す島田。
「男の名前なんか覚えたくねーよ・・・し・ま・だ・だな。ふん、覚えたくもねえ」
「素直じゃな〜い☆」カモちゃんが冷やかす。
「・・・リョータローくん。また、来るわね」近藤は笑顔でこう言った。
「・・・・・」軽く礼をした、と思うやいなやリョータローの姿は見えなくなった。
「・・・・・行っちゃったね」近藤の、小さな声。
「じゃあ〜、アタシもそろそろ帰るわね〜」カモちゃんが明るく言って手を振った。
「え、もうですか?」島田が大きな声で言うと、カモちゃんは髪をかき上げた。
「だって〜、みんながそろそろ起きる時間よぉ。宴会終わりなんだもん」
おどけたように言って、ふと真面目な顔になって近藤を見つめ
「ゆーこちゃん、しっかりね」柔らかに微笑む。子を思う母の笑みとはこういうものなのだろうか。島田の心にそんな考えが浮かんだ。
「うん。カーモさんも、ね」「よ〜っし。天国でもバリバリ飲んじゃうわよ〜!」
カモちゃんの姿が、太陽の光の中に消えていく。二人はそれを黙って見送った。さよならとも、元気でとも言わない。言う必要などない。何故ならこの人はいつも・・・。
「う、うーん・・・あれ?アタイ、飲み過ぎちまったのかぁ?」
「私とした事が・・・一生の不覚」「そんなに飲んでないと思うんだけど・・・?」
永倉、土方、沙乃といった面々が次々と起き出す。そして、
「あ、アヤカシは何処に!?・・・あれ、夢かな・・・身体も何ともないし」
島田と斎藤の身体にあった傷は、不思議な事に跡形もなく消えていた。
“あいつ・・・いいとこあるじゃん。いや、もしかしたらカモちゃんさんか?”
島田がそんなことを思っていると、荷車の方で叫び声が上がった。
「わ・わ・わ・儂の取って置きの銘酒『美少年』が・・・ない!?」
井上のおやっさんが身体をわなわなと震わせていた。珍しく怒っているようだ。
「楽しみにとっておいたのに・・・底の方に隠しておいたのに・・・」
瓶ごと持っていくとは、どこのどいつじゃ、などと井上はブツブツ言っている。
「島田くん」近藤が島田の耳に口を寄せて囁く。
「もしかして、カーモさんが」そう言って、島田から離れて井上に歩み寄る近藤。
「ごにょごにょごにょ・・・じゃないのかな?」
「ふむ・・・そうかもしれんの。カーモちゃんは、うまい酒は見逃さんかった」
納得したような井上を置いて、近藤は島田のそばまで戻ってきた。
「あれ?てっきり他のみんなと話しに行くのかと思ってました」
島田の声に近藤は頬を赤く染めて・・・島田の隊服に手を触れて言う。
「もう少し・・・この隊服に、触れていたかったから」
局長として、そして一人の女として、この思い伝わってほしい。近藤は島田の、ぼろぼろになった隊服に触れながら、そっと目を伏せた。
おしまい
若竹です。
ジャックスカの行殺SS第2弾です。一種独特の雰囲気のある不思議な作品です。
タイトルの「しんぼくの おもい伝える コウのトリ」というのが意味不明だったので、ジャックスカに尋ねた所、「しんぼく」というのが「神木」と「親睦」の2つをかけており、さらに「コウのトリ」が「コウ」が「甲」を、「トリ」が「鳥」で、合わせて「鴨」となり、天使のカモちゃんさんを現してるのだそうです。判じ物かよ!
私は全然分かりませんでした。だれか分かった人がいたら教えて下さい。
彼はあいかわらずネット環境にないので、原稿はフロッピーディスクで届けられてます。感想は若竹掲示板か、若竹宛にメールをいただければ、私が彼のところに印刷して届けます。