小窓の王

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早月カニのハサミを下る。
北アルプス・北方稜線
5月1日 夕方車で多摩を立つ。 松本より安房峠をして、富山から馬場島まで
     6時間かかる。雪が全くない。15年前と全く違う。
     夜中駐車場にテントを張って仮眠。
5月2日
馬場島出発5:40 4:30起床。もう廻りは明るくなっている。ここに仮泊した
        パーティーはどうもみんな赤谷を目指すようだ。
取り付き6:50 一度堰堤まで行ってしまった。200m下の枝に目印のテープを
        頼りに取り付く。雪は無い。薮漕ぎの始まり。15年前はすでに
        ラッセルを始めたんだが。
1500m峰9:15 雪面が出たり、薮漕ぎになったりの苦しい登り。天気も良い為
        暑い登り。この連休はまだトレースが無い。
        古いトレースを頼りに登る。
1800m峰11:20 少し手前からアイゼンをつけ登る。時々雪が解け、
        ガレ場となるので落石等は注意だ。普通はこの地点が1日目だが
        まだ時間があるので登ることにする。
赤谷山14:20 目の前に急なそびえ立つ赤谷山が見えるが、結構時間がかかる。
        頂上は広いので、風下にテントを張る。今日のテントは3張り。
5月3日
テン場出発5:00  連れの早起きにつられ、3時起き。廻りのパーティーも
      今日の行程は三の窓までの長い行程。今日も穏やかな日だ。
白萩山6:15 最初は下りから始まり、アップダウンの始まり。白萩への縦走中
      雪が解け、ガレ場となっているところが会ったのでザイル1回使用。
大窓下8:20 これから大窓への長い登り。やはり雪が少なく、半分は
      ハイ松の中のガレ場歩き。この登りは長い。
大窓9:50 長い登りに、ヘタヘタ。ここから小窓のコルへの下りは急。南面の為
      今回は雪が解けている。最後は50m懸垂2回ある。持参ザイル1本の
      為、前のパーティーのロープを使わせていただいた。
      このパーティーは慣れている。話を聞いたら元第2次RCCのT氏。
      お世話になります。
小窓のコル11:45  目の前は小窓への結構急な雪面登り。上部に行くと
      急になるが左側の鞍部にトラバース。今日はここまでにしようかと
      思ったがT氏パーティーはさんのまでまで行くというので我々も続く。
小窓15:25 小窓からは一回登れば目の前に、小窓王とチンネが見えてくる。
      ここまで来たら行くしかない。子窓から一度下り、登り返し。
小窓の下り16:00 登り返すが急。息も絶え絶え、登ると、三の窓のテン場が
      見える。だがその前は小窓王の下の懸垂が待っている。
      ここでT氏パーティ−に追いつき、50m懸垂させていただく。15年前は
      雪が多く、100mフィックスロープを張って下った所だ。
      後は注意してトラバースして三の窓までわずか。
三の窓16:30 風が強い所だ。雪面を平らにする為取った雪のブロックを積んで
      暴風壁にする。ここでは4幕。
 5月4日
三の窓6:10 昨日長かったので今日はゆっくり出発。最初は池ノ谷の乗越まで
      長い急な登り。でもトレースが大きい。今日は凍っていない。
池ノ谷乗越7:00 ここからは雪稜歩き。最初から急な雪面の登りをジグザグ登り。
剣岳8:05 ナイフリッジの雪稜を上り下り。長治郎の頭は一度下り直して、
      再度登るとなだらかな雪稜に剣岳本峰。祠は雪の中。わずかに屋根が
      見えているだけ。後は右手の早月尾根を下るだけだ。            
ハサミ下8:30 頂上から5分も下れば、早月と別山尾根分岐の標識。ここからは
      右手の早月に入る。やはり雪が少なく、ハサミは後ろ向きの
      クライムダウンで下りる。
懸垂点9:00 登ってくる人と交差しながら下ると一度急斜面になるので
      懸垂1回あり。順番待ち。
伝蔵小屋11:20 雪面を上り下りすれば早月小屋。ここでビールを購入。
     後は長い下りだけだ。前のT氏パーティーに一緒になり、
     のんびりひなたぼっこ。ここでアイゼンを外し12:00出発。
早月登山口15:00 下りは尾根コースとルンゼコースがあるが、
     酒も入ったことだし、尾根コースの下山。でも早月尾根は下りでも長い。
     松尾平から雪のない下山道。イワカガミとカタクリが我々の帰りを
     待っていてくれた。
過去に登った周辺山行記録。
過去の記録
詳しい写真は下記にあります。
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写真集
 昨年に続き、残雪期の剱岳に出かけた。今回は裏側馬場島より入山。赤谷尾根から登り、北方稜線を縦走して、
三の窓から剣岳を登り、長い早月尾根を下る。15年ぶりのこのコース。2人だけの重装備のため大変疲れる山行となった。
 大窓、小窓の50m懸垂等あり、上り下りの多い雪稜を歩く。だが昔と比べると雪が少ない。
 登山実施  実施日(2008年5月2〜4日) 2泊3日
 
        実施者 中村、建部
剣岳本峰
 15年ぶりにやってきた剣岳北方稜線。でもだいぶ変わっていた。
雪が少なく、薮漕ぎの赤谷尾根。大窓登りはガレ場歩き。下りは岩壁の懸垂。
小窓王は1回の懸垂で下れる。風雪で停滞したときとは全く違っていた。
早月尾根のハサミはザイルなしでの下山。
やはり暖冬化の影響だろうか。でもかえって歩きにくい
。赤谷尾根の薮漕ぎは相当なアルバイトがいる。
今回は天候が良く2泊3日で行けたが予備日をもって行こう。
なおこのコースは熟達者向けのコースですので、初心者は、剱岳には
剱沢小屋からのコースを踏んでから来よう。
 なおこのコースでしばしばご一緒させていただいた第2次RCCの丹下氏には、
この場を借りてお礼を申し上げます。
赤谷山より剣岳本峰を望む。
チンネ
小窓を登った所から小窓王を見る
カニノハサミ
小窓の上から池ノ谷乗越を望む
三の窓から懸垂点を望む
三ノ窓手前の50m懸垂下降