10月17日(金) “10月5〜14日 ブラジルでの在南米被爆者健診事業で感じ、思ったこと”

 お元気ですか。
 皆さまにお知らせしたいこと、書きたいことが物凄く多くあるのですが、何しろ時間と体力の戦いになり、ついていけない状態です。

 今日は10月5日から、10月14日までブラジルでの在南米被爆者健康診断事業が行われたことについて、私はこの期間医師団に随行し被爆者の方々のお話を聞き、今後在外の被爆者に何が必要か、何をして頂ければ良いか、ということなどにつき感じたままを報告致します。

 サンパウロでは、日伯援護協会診療所、サンタクルス病院、クリチーバ市では杉沢病院、リオ デ ジャネイロ市では総領事館内で、それぞれ医療相談をして頂きました。

 被爆者は事前に各病院で検査を受け、その診断書に基づく医療相談をするのですが、今回も74名の方が健診を受けられました。
 その中で癌の心配がある人が2名、日本ならすぐさま原爆症認定が受けられる方が1名、その他帰国治療が必要な方が数名、又未だに健康管理手当を受けていず、その対象になる方も数名と、ブラジルの領事館で申請できる健康管理手当の申請も、田舎にお住まいのためにどういう書類、医師の診断書の書き方がわからずそのままになっている方が多く、今回その疑問とか今後どうすればよいのか、との解決策も指導していただきました。

 ただ問題なのは、癌の疑いのある方々、その他もう少し詳しくいろいろの検査が必要な方々も多く、現行の14万円の保健医療助成事業の中では金額的に不足し、特に手術する事になれば、自費で支払わなければならず、日本にお住まいの被爆者に比べるとその援護には、雲泥の差があり、一日も早く在外の被爆者が安心して生活できるように厚生労働省に強くお願いする次第です。

 今回強く感じました事は、皆様老齢になり、遠方の方々が交通費支給の援護はあるのですが、一人では来れない現状になってきています。現に今回も74名のほかに9名のかたが健診を希望されていましたが、老齢、遠方と、出席されませんでした。今後はこの事に鑑み、被爆者がお住まいの近くの病院で健診出来るような指導が必要と強く感じました。

 又今回の医師団は、サンパウロ州パウリスタ医師会会長のお招きで、カンピーナス支部で昼食会に招かれ、暖かいおもてなしを受け、その後サンパウロ州立大学、ウニカンピの学長に会い医学部の見学も致しました。又クリチーバ市ではパラナ州医師会会長のお招きで、医師会館を訪れ、医師会創立75周年目を記念するメダルを頂きました。
 このように、広島、長崎の医師会はブラジルの医師会と交流を深め、今後の被爆者医療、ニッケイ老人援護の為に役立て下さる事でしょう。

(盆子原 国彦)

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