6月18日(土) “自己責任で日本へ!? 広島県から渡日治療の「同意書」要求で戸惑い”

 去る15日(木)、広島県知事から次のような書類が着きました、それに反論の文書を書きましたのでお読み下さい。

 県からの書類。

 高橋さんご兄弟の渡日治療に際して、同意書を提出していただくとともに、慎一様におかれましては、医師による長期の渡航に耐ええる証明もあわせて送付してくださるよう、お願い申しあげます。

同 意 書

広島県知事様

 私は、広島県在外被爆者支援事業実施要綱第5条の規定により実施される、在外被爆者渡日治療事業を利用し渡日するにあたり、次のことに同意します。

1 渡日中、本人の故意又は過失による事故などが発生した場合、それに対する一切の責任を持つこと。

2 渡日中、不慮の事故又は不可抗力の事態に遭遇した場合、広島県に対し一切の責任を問わないこと。

3 入院治療中においては、医師等の指示に従うこととし、医療機関の規則等にも従うこと。

 以上の書類について次のような書類を県知事あて送付しました。

平成17年6月15日

要 望 書

広島県知事
藤田 雄山  殿

在ブラジル原爆被爆者協会
会長 森田 隆

在外被爆者渡日治療事業を利用し渡日するにあたり同意書の件について

 本日15日、上記の件についてFAXを受けました、在外被爆者の訪日治療を受けるにあたり同意書が求められる内容について、疑問があり、ご回答を願います。

 在外被爆者は日本に行かなければ、治療も受けられず、管理手当も貰えない現状のなかで、高齢ながらも、無理を承知で渡日しています。この同意書によれば事故がおきた場合の一切の責任は日本に行く被爆者に有ると解釈されます。また通信文の中に医師による長期の旅行に耐ええる証明もあわせて送付せよと成っていますが、色々の海外からの提出書類の中で、外国の医師の書類は信用出来ないと全ての申請が無効になり、裁判でも述べておられるのに、なぜ外国の医師の証明書類が必要なのでしょうか。

 今回の同意書によれば、広島県にては一切の責任を負わない趣旨となっていますが、被爆者は往復60時間以上の旅行に耐えられるか誰にも保障できません。故に協会では常に現地での治療と領事館での申請を要請し続けてきました。前厚生労働省の課長は、「とにかく日本に来てください。それしか今の段階では方法はありません。そのためには万全の準備を致します」と述べ、「今は飛行機の椅子も良くなりベットの様に寝たままこれます。必要ならば付き添いもつけて日本に来るように」と発言されました。

 以上のように外国在住の病弱な、年老いた被爆者に全てを自己責任で日本に来いとは、余りにも酷く、人道支援で始まった趣旨に反するものと考えます。

 実施される窓口の広島県に於いてはこの件についてご回答が難しい場合は、厚生労働省と協議頂きたいと要望いたします。

 ………

 16日、早速反応が有り、月曜日(20日)に金子哲夫元議員を中心に県会議員の東さんと広島県庁にどういうことか問合せに行かれるそうです。

(盆子原 国彦)

→ 『在外被爆者関連ニュース』6月21日付 もあわせてご覧ください。

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