2004年 11月25日付

       11月10日付


 2004(平成16)年11月25日付 で、厚生労働省にお送りしたお手紙を掲載します。

 お手紙のあて先は、同省で在外被爆者援護を担当される方です。
 この職員の方は、在外被爆者援護担当者として初めて今年2月にブラジルを訪問、現地の事情を視察されておられます。


厚生労働省 健康局 総務課
  指導調査室長  〇〇 様

在外被爆者保健医療助成事業実施へ向けての質問

 お世話になっております。

 10月からの実施は実現しませんでしたが 在ブラジル被爆者協会といたしましては 多少の遅れはありましても 後に問題を残さない解決を期待し、現地サイドに起きましても全力を尽くし調査、検討しております。

つきましては次の項目に対してご返答、お願いいたします。


1. 11月9日にファックスにて送って頂いた、
    「日本国外に住んでおられる被爆者の皆様へ
     〜在外被爆者保健医療助成事業の手続について・1〜
    2004年10月」
はブラジルの場合は必要ないことと解釈しておりますが、如何でしょうか。


2. 上記2通の連絡書類が届いた事によって 協会内でも今までより違なった意見も出始めております。
 自己負担の領収書(医療、医薬品、リハビリ等)により助成の申請が可能ならばそれを受けたい という要望です。


3. 医療助成の場合 規定の上限額では到底不可能です。ICUに入りますと一晩で上限金額以上を請求されます。ねんのため。


4. いずれにしろ、 国家の責任を持って行なわれる事業ですので 大使館、領事館など正式な公式機関での対応が望まれます。


5. 現地の医療機関を選択し、指定病院として ブラジル全土の被爆者の救済にあたる。

 ブラジルの被爆者はほとんど日本人ですから、これを日本の国民健康保険に加入させ、加入した人の月々の支払いを保健医療助成金で支払って頂き、被爆者手帳が既にありますので、両方合わせて日本で行なわれている被爆者と同じ状態にして、こちらの指定病院でいつでも病気を診てもらえる方法は取れないでしょうか。

 病院側は日本政府に、被爆者を診察した費用を請求する。

 日本とまったく同じ方式にして頂くという事を希望します。

 (国民健康保険の支払いは3項の上限枠を越えると思いますが、これは少なくとも45年間は在外の被爆者には何も援助をされなかったのですから、上限枠を越えても支払っていただく)


6.上記指定病院制度にして頂きたいと考えた理由は、在ブラジル原爆被爆者協会が発足してから、ブラジルの日系医師が広島、長崎などの赤十字病院などに今まで15名も研修に行っています。

 しかし日本で研修をされた医師がブラジルに帰り被爆者の健診治療にたずさわった例は少なく、これからこの医師を組織化し被爆者の医療にたずさわって頂けば、例えば2年ごとの医師団派遣による健診事業も、研修を受けた医師で出来るのではないでしょうか。

 ブラジルからはあらゆる分野の医師が研修に行っていますので、すべての医療支援はできるはずです。

 指定病院の決定をして頂き、日本で研修された医師を役立て下さい。

 この方法ならブラジルの被爆者は安心して老後がおくれると考えます。


        2004年11月25日

                          在ブラジル原爆被爆者協会
                                  会長  森 田  隆