基礎研究

オリーブオイルの樹と実

栽培オリーブは植物学的に分類するとサティヴァ(Sativa)に属します。

サティヴァは近縁関係にある野生種のオレアスター(Oleaster)と並び、オレア・ヨーロッパ(Olea europaea)の亜種になります

オリーブは、夏季は厚く乾燥し冬季は寒い地中海性気候と同様の気候条件の地域でよく育ちます。

生長期間は寒さを嫌うのですが、冬には休眠状態を保つ為に0度に近い低温を必要とします。

短期間であれば氷点下近い気温にも耐えられるのですが、1984年にイタリアで起こったように摂氏10度以下の気温が続くと、オリーブの樹は枯れてしまいます。

暑さや干ばつには比較的強く、長期間雨が降らなくても枯れることはないのですが、その年の実のできは良くないそうです。

スペインでは1995年から1996年にかけて長期間の干ばつが続いた為にオリーブの収穫高が著しく減少しました。

北半球では、北緯30度から45度の範囲が地中海性気候になっており世界のほとんどのオリーブの樹が生育していますが、同様に南半球でも30度から40ど45度の地域でよく生育します。

これらの地域ではブドウの生育にも適しているので、オリーブ園とブドウ園はよく隣接しています。

ブドウと同様、生育する土壌をえり好みすることがないので石が多くやせている土地でも栽培することが可能です。

標高400mまでの高地なら生育することもでき、低地でも水はけの良い肥沃な土壌であれば良く育ちます。


オリーブの葉は表面が濃い緑色で、裏面には細毛が密生していて銀白色を呈している常緑樹です。

オリーブの樹は、成長し最初の実を収穫できるまではに4〜5年かかり、一番大きく成長するまでには、さらに10〜15年待つことになります。

ひとたび根をはれば長生きするそうで、推定樹齢1000年ともいわれる大樹もあるそうです。


熟していないオリーブの実は、洋ナシの形をしていて緑色ですが、熟すにつれて濃い紫色か黒色へと変化します。グリーン・テーブルオリーブと呼ばれるものは実が熟す前に摘み取って加工した物です。

オイル用に圧搾するオリーブは、成熟過程のどの段階でも摘んでいいのですが、採油量が最も多い完全に熟した実を使用することがほとんどです。

熟していないオリーブを用いて精製したオイルは苦味が強くなる傾向にあります。



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