基礎研究

産地と種類1

オリーブの品種は50種類以上あり、それぞれにはっきりとした特徴があり、用途によって使い分けられています。

スペインのピクアル種等の品種はオイルの製造に、フランスのリュック種等はテーブルオリーブに使われています。

イタリアのフラントイオ種等の品種から製造するオイルは、ピリッとする胡椒のような辛みがあり、イタリアのタッジャスカ種のオイルは、味がずっと甘くまろやかであると言われます。

オリーブ栽培地ではたいてい特定の品種を栽培していますが、その地域以外では育たない品種もありますが、より高級な農園ではブレンドを避け、一つの畑から収穫したオリーブで採油する「シングル・エステート」オイルにこだわり続けているところもあります。

近年では最高級のオリーブオイルを求める人が増えるにつれ「シングル・エステート・オイル」を取り巻く市場は拡大し、販売量ともに上昇しています。

では、主な産出国を調べてみましょう。

【スペイン】
スペインの気候は暑く乾燥しており強風が吹くことも多く、海岸線から遠いところに大地が広がっています。夏は暑く、太陽の強い光が降り注ぐ為、膨大な量のオリーブオイルを産出しています。

レリダのオリーブオイルが有名ですが、この地の生産量はスペイン全体のわずか1%程にすぎないのです。ハエンは総生産量の3分の1以上、コルドバは8分の1を生産しスペインのオリーブオイル生産量を支えています。

スペインで栽培されているオリーブの品種は数が多く、主な物としてカタルーニャとタラゴーナのアルベキア種やヴェルディアル種、コルドバ、グラナダ、ハエンのピクード種やピクアル種があげられます。

他にも広く栽培されている品種としてオヒブランカ種とレッチーノ種があります。


【イタリア】
前述しましたが、イタリアはオリーブの総生産量世界一の座をスペインと争っています。中でもトスカーナ州は有名ですが、生産量はイタリア全体のわずか2,3%にすぎません。

イタリア最大の生産地は南部にあり、アプーリア州とアラブリア州のオイルは総生産量の70%を占めています。さらにはシシリー島の生産量が10〜11%、カンパニア州が5%を占めます。

昔はこれらの地域で生産されたオイルは他の産地のオイルとブレンドされ、いくつかの銘柄のもとに販売されていました。が、現在ではより上質のオイルを製造し、自分達の農園名のもとに販売する動きが生まれています。

最高級のオイルは「原産地呼称制度D.O.C.」によりオリーブオイルの原産地と品質が管理されています。

スペインと同じように、イタリアにも非常に多くのオリーブの品種が栽培されており、南部ではコラティーナ種、中部ではフラントイオ種、レッチーノ種、モライオーロ種、リグーリア州ではタッジャスカ種が主として栽培されています。


【ギリシャ】
ギリシャは国民1人あたりのオリーブオイル消費量が世界で最も多いとされ、オリーブオイルの総生産量も世界第3位ですギリシャ西部の山の多い地域がオリーブの故郷とされています。そこでは小農園が400〜500Kg程の収穫高のオリーブを生産し協同組合としてオリーブを集めてブレンドオイルとして販売されています。

現在ではギリシャ中部の平野に多くのオリーブが植樹されています。また、クレタ島やレスボス島をはじめとする島々でもオリーブオイルが生産され、ギリシャ本土へ供給しています。

もっとも有名なのはカラマタ種で、風味豊かなこの種はほとんどがテーブルオリーブに加工しますが、ごく稀にオリーブオイルとして出回ります。

オイル製造用の品種としてはコロネイキ種ですが、ペロポネソス半島にあるカラマタが主要な産地の一つであることから「カラマタ」と呼ばれることもあるそうです。

ギリシャのオリーブオイルはブレンド物が多く、他の生産国より品質は劣ると思われがちですが、最高級のオイルは昔から、それを高く評価しているイタリアに買い付けられていました。

カラマタと隣接するマニでは最高級オリーブオイルの生産地として互いに競い合っているそうです。


adocavo

次へ >>


TOP